トニー滝谷

劇場公開日:2005年1月29日

解説・あらすじ

村上春樹の同名短編小説を、「トキワ荘の青春」「つぐみ」の市川準監督がイッセー尾形と宮沢りえの共演で映画化したラブストーリー。

トロンボーン奏者の息子として生まれたトニー滝谷は、生後すぐに母親を亡くし、孤独を抱えたまま成長する。デザイン会社勤務を経てイラストレーターとして独立した彼は、ある女性と恋に落ち結婚する。しかし幸せな日々もつかの間、妻は事故で他界してしまう。孤独を実感した彼は亡き妻によく似た女性をアシスタントとして雇い、買い物依存症だった妻が遺した大量の服を彼女に着てもらうことで妻の死に慣れようとするが……。

主人公・トニー滝谷とその父をイッセー尾形、トニー滝谷の妻と彼女に似た女性を宮沢りえが演じ、西島秀俊がナレーションを担当。坂本龍一が音楽を手がけた。2004年・第57回ロカルノ国際映画祭で審査員特別賞、国際批評家連盟賞、ヤング審査員賞を受賞。

2004年製作/76分/日本
配給:東京テアトル
劇場公開日:2005年1月29日

スタッフ・キャスト

監督
市川準
原作
村上春樹
脚本
市川準
製作
橋本直樹
米澤桂子
プロデューサー
石田基紀
撮影
広川泰士
照明
中須岳士
録音
橋本泰夫
美術
市田喜一
スタイリスト
平尾俊
スタイリスト(宮沢りえ)
藤井牧子
ヘアメイク
久道由紀
編集
三條知生
音楽
坂本龍一
ナレーション
西島秀俊
音響効果
中村佳央
助監督
早川喜貴
スクリプター
近藤真智子
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映画レビュー

4.0 かつてこれほど成功した村上文学の映画化があっただろうか

2020年3月31日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

「トニー滝谷の本当の名前は、本当にトニー滝谷だった」。西島秀俊のナレーションがこの原作の書き出しを作品内に響かせる時、一瞬にして透明感に満ちた世界が広がった。単なる純粋無垢な透明でなく、どこかひんやりと冷たさが残る、青みがかった白。個人的に原作からは灰色の世界をイメージしていたところがあったので、この色彩は逆に鮮烈だった。出演者は最小限。むしろ言葉と音楽と、人と舞台との親密なセッションを見ているかのようなところがある。ここで舞台と書いたのは、本作が実際の建築物ではなく、丘の上に設営されたセットで撮影されているから。窓の外に余計なビルなどが写りこまず、自然光を十分に取り入れるためのものだ。市川準監督はここまでして世界観を作りこまないと村上文学のあの唯一無二の特殊さは表現できないと考えたとのこと。ただ、ラストは少しだけ変わっている。この映画には監督の優しさと慈愛が滲み出ている。そんな気がした。

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共感した! 3件)
牛津厚信

4.0 村上春樹の映画化では、稀有な成功作だと思う

2025年3月12日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

2008年に59歳で惜しくも亡くなった市川準の2005年の作品。原作が村上春樹の短編。

村上春樹は、初期の作品から「ノルウエーの森」あたりまで、好きで読んでいた。最近は読んでないが、映画は村上春樹の文体を思わせる映画で、原作自体を読んでいないが、確かに村上春樹の世界を感じさせる映画だった。

大森一樹が「風の歌を聞け」を80年代に撮ったが、出来は、まあまあだったが、結局、村上春樹の原作を映画化する難しさを感じさせたものだった。今回は、市川準の作風に合ったのか、とてもいい具合に映像化されていた。

村上春樹の小説を一言で言うと、自分(主人公)と外界(他人や物など)との距離感を絶えず確認していくことがテーマのように思った。そこには、独特の孤独感があり、群れたがる日本人像とは一線を画す主人公像を感じられ、それが私にとって村上春樹の小説の魅力だった。

この映画「トニー滝谷」はその辺がとてもうまく映像化できていて、尚且つ、美しい。映画としては、劇的な部分が少なく、淡々としているが、その辺も魅力になっている。

主人公はイッセー尾形。彼はいつもの臭さは感じるが、それがひとつ孤独をまとったスタイルにも見えて適役だった。相手役の宮沢りえも危うい雰囲気が魅力的で、これも村上春樹の小説の住人になっていた(宮沢りえはひとり二役)。

撮影スタイルの統一感や、スケッチ風な描写で、ストーリーで語るのではなく存在(人も物も)のありようを克明に描くことで、語られるこの映画世界は、村上春樹の小説の雰囲気を上手く表している。

ラストの終わり方も秀逸。見る側に、戸惑いと寂寥感を残してしまう。

ちょっと変わった映画だが、やはり傑作だと思う。

「ノルウエーの森」や「世界の終りとハードボイルドワンダーランド」も市川準に是非映画化してもらいたかった‥‥。

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共感した! 2件)
mac-in

3.5 ほぼ2人芝居

2024年1月7日
iPhoneアプリから投稿

 オシャレな映画。
こんなに服ばかり買う奥さん、大変だなあ。結局彼女は事故?自殺?

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アンディぴっと

3.0 ああこの感じだ

2023年10月29日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

悲しい

 孤独に慣れていたイラストレーターのトニー滝谷は、英子に惹かれ結婚。幸せに暮らしていたが、妻は買い物依存症で高価な服を買ってしまう。そんな時に、彼女が急死。再び孤独になったトニーだったが、妻にそっくりな久子をアシスタントにし。
 いくつかの作品を呼んでいるだけで、特に村上春樹のファンではありません。村上作品を読んだ時に想像する色や音を、ぴったり表現していると感じました。もしハルキストの人たちが同様に感じているのなら、自分の読み方は間違ってなかったと判断できそう。

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sironabe