赤い夕陽の渡り鳥
劇場公開日:1960年7月1日
解説
小林旭の渡り鳥シリーズの第四編。原健三郎の原作を、「海を渡る波止場の風」のコンビ山崎巌と大川久男が脚色し、「渡り鳥いつまた帰る」の斎藤武市が監督した。撮影も同じく「渡り鳥いつまた帰る」の高村倉太郎。
1960年製作/79分/日本
原題または英題:Sword and Devotion
配給:日活
劇場公開日:1960年7月1日
ストーリー
ギターを背に風来坊の滝伸次は会津磐梯山の麓に現われた。父越谷大造と遊びに来ていた少年信夫を山道で救った伸次は、ハジキの政に馬を奪われた。野性的な女マキに放火の疑いをかけられた政を伸次は救った。温泉町のキャバレー“オハラ”で流した伸次は、マダムが越谷と一緒にいた女あけみであることを知った。賭場で五十万の穴をあけた政が伸次に挑戦した。イカサマを見破った伸次は、政の銃口があけみに向けられていたのを見た。東京で親分を裏切ったあけみを殺すために来たが、政はあけみに同棲を迫った。二宮牧場主として弟浩と左前の牧場を経営する靖子が東京から帰って来た。マキは父親が焼死したのはホテル建設のため牧場買収を企らむ小芝の仕業だと、靖子に訴えた。小芝はオハラの支配人だった。靖子の話を聞いた伸次は焼死現場に行き、小芝のねらいが牧場でなく温泉であることを知った。小芝は靖子の誕生パーティの夜、牧場を襲った。乱闘になった。政は昔の女マキを誘った。伸次は越谷を責めたが愛児のために金が要るからと、越谷はゆずらなかった。マキは政に復讐するべく家を出た。崖の上では小芝一味が政を待っていた。政を狙うマキに政と一緒に来た殺し屋ジミーの匕首が飛び小芝がマキを捕えた。政はジミーをだまして列車に乗せたところを小芝に撃たれた。小芝はジミーに伸次殺しを託した。マキを渡すという誘いに出て行く伸次の身を靖子は案じた。伸次は政にマキの居所を問いつめ、あけみには越谷と小芝の悪事をばらした。あけみに教えられて地下室に行くと、マキは政の死を聞いて喜び、小芝一味が牧場に行ったと教えた。小芝は靖子をアテにしたが、浩の機転で伸次は勝った。小芝を追って“オハラ”に来ると、あけみが虫の息で越谷の所に行ったと言う。ホテルでは越谷も倒れていた。伸次に信夫を北海道の親戚へ--と託して死んで行った。小芝と伸次はロープウェイの上で対決した。伸次を狙うジミーは意外な政の一発で倒れた。引きとめる靖子をあとにして、伸次と信夫をのせた馬車は、牧場を去って高原のかなたに消えて行った。