遊太郎巷談

劇場公開日:

解説

柴田錬三郎の週刊明星連載小説の映画化。「弁天小僧」の八尋不二が脚色、「血文字船」の田坂勝彦が監督、「七番目の密使」の杉山公平が撮影した。音楽は「化け猫御用だ」の高橋半。「人肌牡丹」の市川雷蔵を筆頭に、浦路洋子・金田一敦子・林成年・岸正子らが出演している。

1959年製作/82分/日本
劇場公開日:1959年1月14日

ストーリー

真紅の大太刀は一の宮神社の祭礼の勧進元あてに、大前田の親分から届けられる。父の佐五親分が吉兵衛一家に暗討ちにあって一年後の今日も、お葉とお夕の姉妹が継いだ佐五一家に、また真紅の大太刀が届けられた。途中を吉兵街一家が待ち伏せてい、奪いとろうとした。乱闘。残るは数人になったとき、浪人遊太郎が現れ、お夕たちを救ったのだ。彼はしばらく一家の食客になった。が果し状をつけた吉兵衛一家を全滅させると姿を消した。用心棒の平手造酒は彼を生涯の好敵手と決め、江戸へ追っていく。遊太郎は飯倉明神境内で、役人から追われる修次郎という男から美しいチギ函を受取った。修次郎は古屋敷に住むつう姫という謎の美女につかえる若者である。小函には伝馬町の牢屋の地図が入っていた。--遊太郎は幕府大目付後藤修理亮の邸に身を寄せていた。彼は上野輪王寺の宮と将軍家の娘の間に生れた若宮だった。彼の佩く香木の刀はそれを物語る。両親は死に、修理亮のもとで育った。修理亮の娘小百合は彼を恋し、両親もそれを許した。お夕も彼を恋し、三休和尚に連れられ、屋敷を訪れた。--遊太郎をつけ狙っていた造酒は夜鷹に化けたつう姫から操とひきかえに、助力を頼まれたが、修次郎がさえぎった。つう姫は幕府の取潰しにあった備前赤松の大名の娘である。天満与力大塩平八郎の門人隅忠正という男が現れ、幕府転覆のため行動を共にしようといった。例の伝馬町の牢の見取図を忠正一党は狙ってい、それは幕府の政策上毒殺された宮を弔うため用意された大伽藍の建立資金のありかを示す絵図なのだ。遊太郎を知る三休和尚は、昔、輪王寺の僧であり、その寺の住職になるはずだった。--修理亮の駕が襲われ、チキ函は奪い去られた。若宮の生れた御陰殿跡で、美しい天女が寄進の額に応じて秘仏の前で舞いを見せるという噂があった。遊太郎が赴くと、噂のとおりなのだ。忠正一味の遊太郎おびきだしの手だった。天女はつう姫である。彼を刺そうとした姫を抱えて、彼は森へ逃れ、彼女の行動が利用されていることを説く。--伝馬町に火事が起り、焼跡で輪王寺若宮の旗を立てた一団が被災者に施米を行った。牢獄地下の黄金を狙う忠正一味の所行である。つう姫が若君に扮していた。まだ彼らとはなれられぬのだ。埋蔵金はすべて御陰殿に運ばれた。が、町奉行配下の包囲陣が追っていた。忠正とは奥医師の是庵であり、その地位を追われたウッ憤ばらしに陰謀をはかったのだ。あやつられたと知ったつう姫は忠正を刺し、自殺した。造酒は遊太郎と対するうち喀血した。遊太郎はこときれた姫と斬死にした修次郎の手を互いに握らせてやった。--遊太郎はいずれともなく去っていった。

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