やわらかい肌(1998)

劇場公開日:

解説

バラバラになった家族を元に戻そうと、自らの偽装誘拐を計画した主婦が巻き起こす騒動を描いたブラック・コメディ。監督は「藪の中」の佐藤寿保。脚本は、佐藤による原案を基に、「こんな、ふたり」の五代暁子と佐藤自身が共同執筆。撮影を「イケイケ電車 はめて行かせてやめないで!」の飯岡聖英が担当している。主演は「売春暴力団」の絵沢萌子。R指定。16ミリからのブローアップ。

1998年製作/87分/R/日本
配給:国映=新東宝映画
劇場公開日:1998年1月31日

ストーリー

閑静な住宅街。そこに暮らす平凡な主婦・美奈子は、ひとり暇を持て余していた。何故なら、夫の賢一は仕事に追われ、TVアナウンサーの長女・明日香は独立し、長男の日向は近所の未亡人との常時に耽り、過食症の次女・愛はエンコーに忙しく、家族の誰も家に帰ってこないからだ。バラバラになった家族をひたすら待ち続ける生活に飽き飽きした美奈子は、ときめきを求めてテレクラで知り合ったマザコン青年・和彦と浮気する。そして、彼と共に自分の偽装誘拐を実行するのであった。美奈子が誘拐されたと聞いて、飛んで帰ってくる家族たち。そんな彼らに、美奈子と和彦は大日本母親の魂救済の会をかたり、完璧な家族の復活を要求した。葛藤しながらも、本来あるべき家族の姿を取り戻そうとする遠野家の人々。その様子に満足した美奈子は、やがて家に帰ることを決心する。だが、和彦は美奈子と別れることを拒否した。「捨てられたくない」──そういって美奈子を縛りあげる和彦。しかし、美奈子は和彦の隙を見て家族の元へ帰っていく。母親の生還を祝う暖かい家族。それは飽くまで見せかけだけのものでしかなかったが、美奈子は家族全員が顔を揃えたことに満足するのであった。

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