八つ墓村(1996)

劇場公開日:

解説

岡山と鳥取の県境に位置する山村・八つ墓村で起こった連続殺人事件に、名探偵・金田一耕助が挑む本格推理サスペンス。監督は「忠臣蔵 四十七人の刺客」の市川崑で、金田一シリーズを手掛けるのはこれが6本目となる。横溝正史の同名ベストセラー長編小説を、市川と「幸福」の大藪郁子が脚色。撮影を「忠臣蔵 四十七人の刺客」の五十畑幸勇が担当している。主演は「男たちのかいた絵」の豊川悦司で、新しい金田一像をつくりあげた。出演はほかに「藏」の浅野ゆう子、「目を閉じて抱いて」の高橋和也、「学校の怪談2」の岸田今日子、「ビリケン」の岸部一徳ほか。

1996年製作/127分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1996年10月26日

ストーリー

昭和24年、神戸、母・鶴子を失い天涯孤独の寺田辰弥は、母方の祖父・井川丑松の訪問を受けた。諏訪法律事務所で丑松と面会した辰弥は、自分が岡山と鳥取の県境にある八つ墓村の、400年も続いた資産家・田治見要蔵の遺児であることを知らされる。田治見家の使いでやって来た未亡人・森美也子の案内で村を訪ねた辰弥は、田治見家の後継ぎになるように言われ当惑した。そんな彼に濃茶の尼という老婆は、辰弥がこの村に入ると八つ墓明神の祟りがあると予言する。八つ墓明神とは、永禄9年、毛利一族に追われてこの土地に逃れて来た尼子の落武者8人の祟りを恐れた村人が建てた8つの墓のことで、かつてこの村では、尼子の残党をかくまっていた村人たちが毛利側の懸賞金に目がくらんで彼らを裏切り、裏切りの首謀者であった田治見庄左衛門が後に発狂して村人7人を惨殺、自らも首をはねて死ぬという事件が起きていた。辰弥の身を案じた諏訪弁護士に依頼された探偵・金田一耕助が村を訪れた翌朝、辰弥の腹違いの兄・久弥が毒を盛られ、金田一は早速、事件解明に乗り出した。そんなころ、辰弥は村の鐘乳洞の中で要蔵のミイラを発見する。大正末期、鶴子を溺愛した要蔵は、彼女を土蔵に拉致して折檻していた。すきを見て逃げ出した鶴子を村人がかくまったと思い込んだ要蔵は突然発狂し、村人32人を惨殺したのである。久弥の通夜の晩、濃茶の尼が殺され、岡山県警の等々力警部は行方不明になっている要蔵の弟・九野医師を容疑者として捜査を開始するが、要蔵の叔母で双子の老婆の妹・小梅がさらに殺され、九野の毒殺死体も見つかったため、捜査はふりだしに戻った。辰弥の部屋の屏風から鶴子と亀井陽一郎という男の写真を発見した金田一は、亀井の素性を求めて岡山へ赴き、鶴子が要蔵の愛人にされる前に亀井の子を宿していたことをつきとめる。八つ墓村では小梅の姉・小竹と久弥の妹・春代が新たな犠牲者となっていた。岡山から戻った金田一は、真犯人は森美也子だと推理する。彼女は以前から想いを寄せていた要蔵の甥・慎太郎に財産を相続させようと、遺産の相続人をひとりずつ消していったのだった。辰弥が要蔵の遺児ではないことが明らかになった今、全てを白状した美也子は服毒自殺した。慎太郎と妹の典子は遺産の相続を放棄して大阪へ出ることになり、辰弥も神戸へと帰った。すべてを解決した金田一耕助もまた、風まかせの旅へ向かう。

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映画レビュー

3.0市川崑にとって 金田一耕助とは? 天使のような存在らしい。 なるほ...

2025年1月13日
Androidアプリから投稿

市川崑にとって
金田一耕助とは?
天使のような存在らしい。
なるほど、言い得て妙

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ちゆう

3.0他作、ドラマと数々見たが、いつもすっかり犯人を忘れる横溝正史もの(...

2024年4月14日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

他作、ドラマと数々見たが、いつもすっかり犯人を忘れる横溝正史もの(笑)今回もまた楽しめた。
豊川悦司が金田一か、別に悪くはなかったが、やはり馴染みがない。それもあってか、全体的になぜか今ひとつの印象。でもこれ、しっかり市川崑監督なんですね。

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はむひろみ

3.0このようにして2006年の日本映画の式年遷宮は準備されたのだと思えるのです

2021年9月3日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

1996年公開
1979年の「病院坂の首縊りの家」以来の金田一耕助シリーズ

17年ぶりのまさかのシリーズ再開です
しかし、本作を市川崑監督の70年代の金田一耕助シリーズと同列には扱いたくないのが、残念ながら正直なところです

単に主演が石坂浩二ではないからではありません 多くの点で異なるからです

美術、衣装は特段さほど気になる点は有りません
音楽も本編の邪魔にならないのは良い点ながら、印象に残るようなものはありません

カメラは1977年の「悪魔の手毬唄」で撮影助手をした五十畑幸勇で、照明も超ベテランの下村一夫
この二人なのに、まるでビデオで撮ったような深みのない映像なのは一体どうしたことか
本当にクレジットどうりこの二人が撮ったとおもえる奥行きと格調のある少数のいくつかのシーンと、この二人ではない人が撮ったとしか思えないテレビドラマのような平坦なほとんどの映像が混在しているのです

問題の多くは俳優です
昭和の時代の俳優と平成の新世代の俳優の混成で本作は撮られているのが最大の特徴です

昭和の俳優達はやはり安定感があります
その分悪くいえばマンネリです

平成の俳優達は、新味はあるものの演技の質は首を傾げざるを得ません
村人の端役までそうなのです
市川監督がよく我慢したなと思います
どうして直そうともしなかったんだろうと、考えてしまいます

匙をなげた?
いや、むしろ彼等彼女達に好きなようにやらせたのだと思います
自分のベストと思うものを出せと
それをそのまま撮ってあげるからという方針だったように思います

演出も、市川監督が直接差配したであろうと感じるのは、琴の超アップと幾つかぐらいで、テレビドラマのようなレベルで終始しました
八つ墓村の白眉といえば、やはり32人殺しのシーンです
それがあのような出来映えで市川監督がよくオーケーをだしたものだと思います

本作の製作意図は、70年代に撮り残した金田一耕助ものを撮りたいというものではないと思います
平成の時代の若手に市川監督が自分達の世代の名前を使って好きにやってみさせようというものだったように思います

こういう結果になっても、それはそれでいい
その結果をかみしめて若手達が成長していけばいい
そういうものだったように思うのです

だから、本作の丁度10年後の2006年に市川監督は、1976年の「犬神家の一族」を当時と同じ脚本でセルフリメイクしたのだと思います

つまりそれが若手映画人達のその後の成長を確認する卒業試験であったのでしょう
10年後に君たちが、昔と同じ脚本を使って僕たちの世代を乗り越ていけるのか確かめようと本作の現場で約束していたのかもしれません
このようにして2006年の日本映画の式年遷宮は準備されたのだと思えるのです

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共感した! 5件)
あき240

4.0トヨエツがいい

2021年9月2日
Androidアプリから投稿

トヨエツを鑑賞するために見た。若き日のトヨエツ。かっこいい。満足。

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Jasmine