柳生一族の陰謀

劇場公開日:

解説

権力に生きる柳生一族の存続を賭けた陰謀が、骨肉の争いへと展開していく姿を描く。脚本は「トラック野郎 度胸一番星」の野上龍雄と「仁義と抗争」の松田寛夫と「ドーベルマン刑事」の深作欣二の共同執筆、監督も同作の深作欣二、撮影は「仁義と抗争」の中島徹がそれぞれ担当。

1978年製作/130分/日本
配給:東映
劇場公開日:1978年1月21日

あらすじ

元和九年五月十一日、徳川二代将軍秀忠が江戸城大奥にて病死した。将軍秀忠の死は、発病後わずか二時間というもじどおりの急死であり、そこに不自然な異変の匂いを嗅ぐ者もいたが、大奥御典医は、食あたりによる中毒死として発表する。三代将軍の座は秀忠の長男の家光が継ぐべき筈であった。しかし亡き秀忠は次男の駿河大納言忠長を溺愛し、秀忠夫人崇源院於江与も、また時の天皇御水尾帝の妃となっていた長女の和子も、次期将軍には忠長を切望していた。熱心な忠長擁立派の老臣たちも多かったが、若手老中松平伊豆守信綱や春日局の一派は、あくまでも家光を推してゆずらず、大阪夏の陣以来十余年の安定に馴れた天下は、再び動乱の兆を見せ始めた。家光を推す松平伊豆守は、今後の策を相談するため将軍家剣法指南役の柳生但馬守宗矩を訪ねた。そして、但馬守は長男の十兵衛三厳を忠長のいる駿府城下にもぐらせ、又土井大炊頭の近辺を見張らせる。数日後、駿府に戻った大納言忠長のために自由の身となって尽くすべく、土井大炊頭は病気保養という名目で老中職を退く。一方、家光側では対抗策として松平伊豆守を老中に、柳生但馬を大目付に据えて、家光陣営の強力をはかった。家光と忠長の争いは将軍職争奪の一点に絞られる。松平伊豆らは御所を訪れ、家光への将軍宣下の詔勅を待ち受けるが、京都宮中の思惑がからみ、返事は得られなかった。そんなある夜、江戸城西丸大奥で家老は、侍女に化けた玄信斎の弟子、歌舞伎役者の雪之丞に襲われる。この事件を機に、但馬守の忠長派打倒は急がれた。但馬守は十兵衛を京都ヘ仕わし、宮中一のきれ者といわれる文麿を討たせる。文麿の死に戦慄した朝廷は、直ちに勅使を江戸に下らせ、弁明と慰撫に当らせる。そして、間もなく家光の上洛が決まった。衝撃を受けた忠長は重臣と策を練り、家光より先に京都へ入り、朝廷と話し合うことを決意する。その頃、家光の行列が、駿府城下の浪人軍に襲われ、三条大納言実条が殺された。この襲撃は、忠長の仕業に見せかけようと、但馬守が根来衆を使って仕組んだものであった。家光は諸大名に檄をとばし、忠長との一戦も辞さずと、決意を披瀝する。忠長は、一戦を混じえる覚悟であったが、信頼を寄せる大納言義直の説得で開城に承知する。そして忠長は上州高崎へ配流された。数日後、家光襲撃は但馬守の陰謀であったとの報を耳にした義直は、但馬守を問いただすが、彼は強く否定する。その直後、但馬守は息子又十郎に命じ、根来衆を惨殺させる。根来衆と十余年を共に過ごした十兵衛はそれを知り、父・但馬守への復讐の念に燃える。その怒りは三代将軍についた家光の首をとることによって示された。そして、柳生一族の陰謀の渦中に展開した闘争も、但馬守と十兵衛の宿命の対決を迎えるに至った。それはまさしく、徳川家の輝しい歴史の中に消えていこうとする、父と子の姿でもあった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第2回 日本アカデミー賞(1979年)

ノミネート

作品賞  
脚本賞 野上龍雄 松田寛夫 深作欣二
主演男優賞 萬屋錦之介
助演男優賞 千葉真一
技術賞 井川徳道
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映画レビュー

5.0夢じゃ夢じゃ

2025年6月8日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

興奮

昭和の時代劇は骨太ですね。
萬屋錦之介、松方弘樹、千葉真一などの出演者が濃い演技の競い合い。
千葉真一の柳生十兵衛はやはりカッコいい!
成田三樹夫、梅津栄の公家言葉が当時はツボでした。
「5万回斬られた男」の福本清三さんも出演してましたね。

ラストの萬屋錦之介の演技は映画史に残る名演技と思います。

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koji

2.0仁義なき戦いの延長戦みたい

2025年6月2日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

笑える

楽しい

興奮

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ねこたま

2.0表柳生の陰謀

2025年5月26日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

単純

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TRINITY:The Righthanded Devil

4.0萬屋!!!

2025年4月21日
PCから投稿

時代劇の東映、満を持して復活の巨編です。
何よりも監督の支持を無視して歌舞伎町のセリフ回しを全編通した萬屋先輩渾身の演技は、これぞ時代劇の格調抜群です。
テンポも速いし話は単純でわかり易いし、あっと驚く展開だし、活動屋の願いと心意気が込められたみなぎる気合が感動的です。

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越後屋