宮本武蔵 巌流島の決斗

劇場公開日:

解説

吉川英治原作から第一作の「宮本武蔵(1961)」以来コンビの鈴木尚之、内田吐夢が共同で脚色、内田吐夢が監督した「宮本武蔵」シリーズの完結篇。撮影も「宮本武蔵 二刀流開眼」の吉田貞次

1965年製作/120分/日本
原題または英題:The Last Duel
配給:東映
劇場公開日:1965年7月24日

あらすじ

一乗寺下り松に吉岡一門を葬った武蔵は、宿敵・佐々木小次郎との再会を約して、再び修業の旅に出た。その冬、武蔵は生活力のたくましい童子・伊織を知りその厳しい生活態度にうたれて、伊織と共に鍬を持ち荒地に挑んだ。やがて、武蔵の苦労がみのり二俵の米を得た秋、野盗が村を襲った。武蔵の怒りの剣はうなり、野盗は撃退された。農作期も終り伊織を連れて江戸へ出た武蔵は、計らずも立ち寄った研師厨子野耕介の家で小次郎の愛刀・物干竿を見た。小次郎は、細川藩家老岩間角兵衛に見出され、細川家の指南役にかかえられていたのだ。一方宿に旅装を解いた武蔵は、彼の腕前にホレこんだ博喰・熊五郎の世話でのどかな日を送っていたが、ある日小次郎から、居所をつきとめたお杉が町奴・半瓦弥次兵衛らを連れて乗りこんできた。が、この騒ぎも、折しも武蔵を迎えにきた将軍家指南役北条安房守の駕篭で難を逃れ、安房守の屋敷に入った。武蔵はそこで柳生但馬守と沢庵に会った。沢庵は柳生の庄で石舟斎の看病をするお通を呼び、将軍家指南として身をたてることを勧めた。だが、閣老会議は武蔵が年端もゆかぬ吉岡源三郎を斬ったことを理由に、これを却下した。数日後、武蔵は小次郎からの果し状を受け取った。決闘の場は豊前小倉。武蔵は伊織と佐渡宛の別れの書状を沢庵に渡すと京を後にした。一方、お通も沢庵から武蔵の消息を聞き、武蔵の後を追って小倉に向った。そして途中、又八、朱実、さらにお杉にも再会した。今ではお杉も、お通への誤解を解き自らの非を詑びるようになっていた。その頃武蔵は巌流島で小次郎と相対していた。小次郎の物干竿が一せんした。が、それよりも一瞬速く、武蔵の剣は小次郎を倒していた。うつ伏した小次郎を見下す武蔵の姿は凄まじいばかりの静けさをたたえていた。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0【”三尺の長剣VS舟の櫂。そして、力と技の剣VS心の剣”今作は誰でも知っている名シーン、名台詞満載の”中村錦之助宮本武蔵”最終作である。巌流島の二人の対決をスローモーションで見せて欲しいなあ。】

2025年6月3日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

知的

幸せ

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NOBU

5.0宮本武蔵・視覚化の決定版⑤

2023年5月20日
スマートフォンから投稿

泣ける

楽しい

興奮

内田吐夢監督の重厚な演出と、中村錦之助さんの熱演とダイナミックな殺陣で魅せる映像版・宮本武蔵の決定版‼️1年に1作ずつの5部作の最終第5部。クライマックスの武蔵対小次郎。朝霧の中を小舟で巌流島へ乗り込む武蔵、櫂を構える武蔵と長刀の小次郎、"小次郎破れたり"というセリフ、頭から血を流して倒れる小次郎。ラストの虚無的なセリフ"剣とはしょせん武器か"。締めくくりまで完璧でした。

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活動写真愛好家

3.0ダイジェスト版 の枠を出てない

2023年4月26日
PCから投稿

原作はもっと深みがあって 武蔵の最後の姿がもっと 立派だったかな。 映画だとダイジェスト版 だし 主演を務める萬屋錦之介のキャラもあって最初の頃と全然成長してないままのラストになってしまった。ハエのところのエピソードが一番面白かった。

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タンバラライ

4.0侍の本質を見た。

2021年12月26日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

武士とは何か?

体裁、メンツを重んじて汲々としている生き物なんだな。

全5部作を通して、武士の愚かさをまざまざと見せつけられたような気がする。

刀は武士の魂なんて、嘘っぱちで単なる道具なんだよ。魔界を渡るための道具。

絵筆に持ち替えた晩年の武蔵は正解だったような気がします。

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ちゆう