不毛地帯

劇場公開日

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解説

二次防の主力戦闘機買い付けに暗躍する商社とそれらと癒着する政財界の黒い断面を描く。原作は山崎豊子の同名小説。脚本は「雨のアムステルダム」の山田信夫、監督は「金環蝕」の山本薩夫、撮影は「わが道」の黒田清巳がそれぞれ担当。

1976年製作/181分/日本
配給:東宝

ストーリー

近畿商事社長・大門一三は、元陸軍中佐・壱岐正を、嘱託として社に迎え入れた。壱岐の、かつて大本営参謀としての作戦力、組織力を高く評価したからである。総合商社の上位にランクされる近畿商事は、総予算一兆円を越すといわれる二次防主力戦闘機選定をめぐって、自社の推すラッキード社のF104、東京商事の推すグラント社のスーバードラゴンF11、五井物産の推すコンバー社F106、丸藤商事の推すサウズロップS156を相手に、血みどろの商戦を展開していた。大門は壱岐を同行して渡米した。壱岐にとっては目的のない旅のはずだったがスケジュールの中に、ラッキード社F104見学が含まれていた。基地ではすでに自衛隊がテストを続行しており、その中に防衛部長・川又空将補の顔もあった。壱岐の渡米は、川又空将補と逢わせるために大門が仕組んだものだった。壱岐と川又は、陸士、陸大を通じての親友であり、終戦の満州で関東軍参謀中佐だった川又は壱岐に一命を救われたこともあった。そのかわり川又は、壱岐が戦後11年間の抑留生活を送っている間、壱岐家の家族--妻の佳子、直子、誠--の面倒をみてやったのだった。川又の推測によれば、二次防の機種は、ラッキード社のF104とグラント社のスーパードラゴンF11に絞られる公算が強いが、最終決定権は総理、副総理、大蔵、外務、通産の各大臣、防衛庁長官などで構成する国防会議にあるため、自衛隊調査団がF104の機能をいくら評価しても思うようにはならない。ついに、二次防の主力戦闘機は、近畿商事--ラッキード社と東京商事--グラント社の凄絶な闘いとなった。すでに東京商事は鮫島航空機部長が中心になり、政界に巨額の実弾攻撃を仕掛けていた。山城防衛庁長官はスーパードラゴン導入の了解工作を完了した時点で防衛庁機種決定案を作成し、国防会議で機種を決定する方針をとり、それと並行して防衛庁の予算と人事を握る貝塚官房長は川又空将補を空将に昇格させて、西部航空方面隊に追い出す計画だった。こうした難局を打開するために壱岐は、久松経企庁長官に的を絞った。壱岐と久松は、終戦直前、内閣書記官長と大本営作戦参謀であった頃からの知己である。久松は、壱岐に、グラント社から巨額な金がすでに総理筋へ流れていることをほのめかした。その金がスイスで銀行に振り込まれる事を予想した壱岐は、日本で換金の際に大蔵省でチェックさせ死金にしてしまう作戦をたてた。防衛庁の莫大な予算折衝も最終段階に入り、久松経企庁長官が、山城防衛庁長官と貝塚官房長の動きを釘付けにしている間に、壱技は、三島幹事長と大川政調会長を味方に引き入れた。数日後、グラント社から流れた政治資金が、横浜の銀行で、大蔵省の機動捜査を受けた。東京商事の鮫島航空機部長は、この影の指揮者を壱岐と直感した。さらに近畿商事はグラント社の極秘書類である価格見積書を入手すべく、元防衛庁職員だった小出の線から、防衛庁防衛課計画班長・芦田国雄を買収、スーバードラゴンF11の型式仕様書と価格見積書を入手した。グラント社の三百機生産の見積書は、一機当り三億四千万円となっていた。その書類は川又空将補のものだった。貝塚官房長は川又に空将として西部航空方面隊赴任を命じた。しかし川又は、機種決定前に去ることに反対し、保身と出世のために政治家と癒着する貝塚を、腐敗する防衛庁の元凶と決めつけた。そんな時、F104墜落のニュースが飛び込んだ。久松経企庁長官は事件をスクープした毎朝新関の記事を差し押えた。激怒した田原記者は、記事を東都新聞に渡し真相を報道したが、丁度、巨額の実弾を用意し、来日していたラッキード社のブラウン社長は、パイロットの操縦ミスと弁明、持参した大統領添書を総理に手渡した。添書には、ラッキード社が正式決定すれば、山積する日米諸問題を考慮することが約束されていた。防衛庁計画班長・芦田が自衛隊法59条一項「秘密を守る義務」違反容疑で逮捕され、その自白により小出も連行された。久松経企庁長官は検察庁工作をする一方、芦田逮捕の指揮者である貝塚官房長を次官に昇格させて口封じを企った。警視庁は壱岐を事件参考人として出頭させ、防衛庁・近畿鱗商事--ラッキード社へ流れた機密書類入手を追求し、検察庁も近畿商事--空幕幹部--国防会議メンバー三者間の贈収賄の摘発に乗り出した。こうした中で三島幹事長は、近畿商事が書類を貝塚官房長の意向通り提出すれば、ラッキード社F104を国防会議で正式決定すると通告してきた。一時は「グラント社内定」から「白紙還元」になり、やがてラッキード社が「浮上--確定」した。一方、川又空将補が近畿商事へ書類を流したものと思った貝塚官房長は、川又を解任した。その川又が、久し振りに壱岐と逢った帰途、轢死体となって発見された。事故死か、他殺か……新聞が動き始めた。貝塚官房長は、川又を事故死としてあつかい、自衛隊葬を行わざるを得なかった。葬儀の席上、貝塚に壱岐の怒りが爆発した。やがて、壱岐は近畿商事に辞表を提出した。しかし、大門社長は「軍隊と同じく厳しい商社の戦いにも、退職願いは許されん」と壱岐の辞表を破り捨てた……。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

監督
脚本
山田信夫
原作
山崎豊子
製作
佐藤一郎
市川喜一
宮古とく子
撮影
黒田清巳
美術
間野重雄
音楽
佐藤勝
録音
西崎英雄
照明
岡本健一
編集
鍋島惇
助監督
後藤俊夫
松本勲
スチル
山本耕二
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映画レビュー

4.0山崎豊子のベストセラー小説「不毛地帯」の映画化作品

dreamerさん
2022年5月11日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
ネタバレ! クリックして本文を読む
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dreamer

5.0本当の不毛地帯とはどこか?

あき240さん
2020年7月28日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

山本薩夫監督の作品の中でも特に傑作なのはこの4作品だと思います

1966年 白い巨塔
1974年 華麗なる一族
1975年 金環蝕
1976年 不毛地帯

社会派としての監督の作風と原作とが共振をして恐るべき傑作にまで押し上げているのです

本作は1976年公開
原作の主な舞台は1960年昭和35年です

上記に挙げた山本監督作品はどれも徹底した取材に基づく完璧な美術が特徴です
しかし、本作だけが異質です
完璧な美術は同じです
しかし明らかに作為的に手が加えてあります

それは一体何か?
実はセットも、小道具も、ロケ地も、街並みを走る自動車も、何もかも全て1960年昭和35年ではなく製作時点の1976年の現在に設定されているのです
1976年現在での完璧な美術を行っているのです!

劇中の時代も原作と同じ1960年です
その年の第1次FX選定問題を扱っています
主人公の娘には60年安保闘争についての主張の長い台詞を語らせますし、当時のニュース映像も長々とカットインされています

なのに美術はすべて1976年なのです
つまり観客を意図的にこの物語は現在の話なのだと混同させようとしているのです

この1976年はロッキード事件という、全日空の旅客機の選定に絡む汚職事件が正に進行中だったのです

これと混同させようという監督の意図であったのはあきらかでしょう
山崎豊子の原作には無い踏み込んだ汚職シーンまで入れようとして問題まで起こっています

つまり山本薩夫監督らしい強い左翼的な思想信条に基づいたメッセージを込められているということです

結果として監督は続編を撮ることは、出来なかったのです

しかし本作から44年もの年月が経ち本作を21世紀の視点から観るなら、皮肉なことに監督の意図とは違って見えてくるのです

不毛地帯
それは極寒のシベリアの抑留地でも、熾烈を極めた次期戦闘機商戦の事でもないのです

それは国防という、国民の生命と財産、国家と民族の自立と独立を担保する最重要な事柄が、利権争いによって正しい政策判断がねじ曲げられようとしている日本の現状
それが不毛地帯なのです

ロッキードF-104はその時点に於ける最高の選択であったのは間違い無かったのです
主人公の壱岐正がなぜ当初の希望を忘れ次期戦闘機商戦に没頭したのか?
単に川又への友情?
そんなことで信条を変えるような男では有りません
彼は国防という最も重要なことが蔑ろにされていることに我慢ならなかったのです
大本営作戦課参謀という立場で、国を誤らせ、兵を死なし、民間人に艱難辛苦を舐めさせた責任を取ろうとしていたのです
間違った戦闘機を選定させるということは、彼に取ってまた同じ間違いを繰り返すことだったのです
だから必死にロッキードを推したのです
川又の友情の為でも、会社の為でもないのです

このような不毛地帯にある国民を守るのだ
それが彼のモチベーションだったのです

それが21世紀の現代に本作を観ると、この共産党員の監督が撮った作品であるのに、このような監督の意図と真逆のメッセージが伝わってくるのです
山崎豊子の原作の凄さなのでしょう
それが突き抜けてくるのです

本作の2年後にはF-15イーグル選定に絡む、ロッキードグラマン事件が起きます
全く本作の再現のような事件です
しかしそのイーグルも最高の傑作機で、航空自衛隊は最良の選択をしました
だから米ソ冷戦の最前線で日本は戦争を防ぐことが出来たのです
駄目な戦闘機だったなら、戦争を呼び寄せていたことでしょう

その後継機もまた大変に揉めて、ようやく最新鋭戦闘機のF-35の大量購入が始まり、F-3という国産ステルス戦闘機の開発が決まったところです

戦闘機は恐ろしく高額な兵器です
しかも大量に必要です
莫大な予算になります
それだけ国防にとり重要不可欠なものだということです

これを軽視したり、利権争いの道具にして使えないものを導入したりしたら日本は一体どうなるのでしょう?

それが不毛地帯なのです

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あき240

3.5果てしなき商戦は不毛の地のように虚しく

近大さん
2020年2月7日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

興奮

知的

『華麗なる一族』に続き、山本薩夫監督が山崎豊子の小説を映画化した1976年の作品。主演も仲代達矢。
こちらも後年、唐沢寿明主演でTVドラマ化された。

元大本営参謀であった壹岐はシベリア抑留11年を経て帰国後、総合商社の近畿商事から誘いを受ける。
軍人時代の手腕を買われての事だったが、近畿商事が扱うのは…

空自への戦闘機選定。
より優れた戦闘機を巡り、各商社、自衛隊、財政界が繰り広げる策略、癒着、暗部…。
日本は戦争を永久放棄したのではなかったのか…?
何の為の戦闘機選定なのか? 防衛? それとも…?
壹岐自身も戦争や決して誰にも語らぬシベリア抑留を身を持って経験した。
が、一軍人として、商社マンとして、今度は熾烈な“商戦”にのめり込んでいく。
周りに敵を作り、対立し、時には家族と衝突しながら。
人のエゴや欲渦巻く絵図ながら、それはまるで不毛の地のように虚しく…。
そんな“不毛地帯”の果てに、壹岐が辿り見たもの、失ったもの…。

共演に丹波哲郎、田宮二郎、山形勲、八千草薫らこちらもそうそうたる面子。
アメリカロケも行い、山本監督のダイナミックな演出は言うまでもなく、スケールも見応えも充分の山本×山崎社会派エンタメ大作。

…しかし、
作品の面白さも充分だが、本作は色々物議を呼んだ“問題点”こそ話題かも。
製作中にかのロッキード事件が起こり、特定のモデルは無いにせよ、その類似点が大いに問題に。
原作では壹岐のシベリア抑留エピソードが多く描かれているらしいが、映画ではかなり省略され、山本監督の意向で戦闘機選定の商戦メインに。
これにクレームを付けたのが、原作者の山崎。
作品の見解の違いを巡って、山本と山崎は初めて対立。
そのせいか、山本が山崎の作品を手掛けるのはこれが最後となった。
製作中まだ原作は連載中で、映画化は前半のみ。
その為、ある人物の死をクライマックスに持ってきて、一見劇的に纏まっているように見えて、少々途中な印象も。

後半部分の映画化企画も上がったらしいが…、実現しなかった事が残念。
後半部分は自動車や石油産業への介入、近畿商事を勇退した壹岐が選んだ第3の人生が描かれているそうで、こちらも是非見たかった。

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近大

2.5●こうして高度成長期が。

2016年5月15日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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うり坊033
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