晩春

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劇場公開日:

解説

小津安二郎監督が広津和郎の小説「父と娘」を原作に父娘の絆を描いた名作ホームドラマ。大学教授の周吉は早くに妻に先立たれ、娘の紀子と2人きりで鎌倉に住んでいる。いまだに独身の紀子を心配する周吉だったが、周吉の妹まさが縁談を勧めても紀子は頑なに受け入れようとしない。周吉はそんな紀子に、自分も再婚を考えていると告げる。小津監督が娘の結婚や親の孤独を題材にした初めての作品で、その後の小津作品の作風を決定づけた。原節子が紀子役を演じる「紀子3部作」の第1作にして、原が初めて出演した小津作品でもある。小津監督が野田高梧と共同で脚色も手がけた。

1949年製作/108分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1949年9月19日

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映画レビュー

4.0父の優しさと残酷さ。

2024年1月20日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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すっかん

3.5春の終わりのエレクトラ

2024年12月5日
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ipxqi

4.0親離れ子離れ

2024年9月19日
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鑑賞方法:映画館

終盤、紀子は父周吉に離れたくないと言う。

今が楽しいということを幸福と同列に表現する紀子。外の世界を漠然と恐れ、与えられた今の環境の中で永遠に子供でいたいと願っている様に見える。だからこそイノセンスな自分の世界からはみ出す小野寺には悪びれる様子もなく不潔だと言ったのだろう。自分の世界を決定的に破壊する父の再婚に対しては、親の愛情を取り戻そうとする幼子の様に振る舞って見せたのだろう。

そんな紀子を諭す周吉。紀子は新たな家庭で、幸せな世界を作っていけるだろうか。空の花瓶は、まだ定まらない彼女の将来を思わせる。

しかし、本当に心配なのは周吉ではないだろうか。再婚話が芝居でなく、本当であれば良かった。そうすれば、娘の友人に対して、きっと遊びに来なよと念を押すような醜態を見せずに済んだと思う。

紀子に拗ねたように「お茶、お茶!」と声を張り上げたり、服部と出掛けてきたと知ってソワソワしたりしていた周吉。途中放心するように独り座り込む痛々しい姿の周吉。どれも人間味を感じられた。

しかし、林檎の皮がぽとりと落ちたときの周吉からは、そうしたものを一切感じられなかった。まるで、人として大切なものが林檎の皮と一緒に抜け落ちていった様だった。そしてその後映された夜の海は、一見穏やかだが、抜け殻となった周吉を黙々と暗い海底へと連れ去ろうとしている様に思えてしまった。何て恐ろしいシーンだろうか。


原節子の笑顔はとても素敵だったが、彼女の怨めしげな表情のインパクトに上書きされてしまった。

周吉が紀子の友人から額にキスをされるシーン。ヴィム・ヴェンダースのパーフェクトデイズで、主人公が後輩の想い人である若い女性からキスをされるシーンはここから来たのかなと、ふと思った。

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komasa

5.0映画終活シリーズ

2024年6月30日
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鑑賞方法:VOD

1949年作品
小津安二郎の良さが、はじめてわかった

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あきちゃん