どら平太

劇場公開日:

解説

或る小藩に蔓延る腐敗を正すべくやって来た、破天荒な町奉行の活躍を描く痛快娯楽時代劇。監督は「新選組」の市川崑。山本周五郎の原作を基に、「雨あがる」の黒澤明と「父」の木下惠介、市川監督、「食卓のない家」の小林正樹による四騎の会が共同で脚色。撮影を「新選組」の五十畑幸勇が担当している。主演は「カリスマ」の役所広司。第50回ベルリン国際映画祭参加作品。

2000年製作/111分/日本
配給:東宝
劇場公開日:2000年5月13日

あらすじ

或る小藩。ここでは、町奉行が不明瞭な辞職を繰り返していた。そんな矢先、江戸から望月小平太なる新任がやってくる。ところが、その男には振る舞いの不埒さから_どら平太_という渾名がついていた。実際、着任する筈の期日を10日も過ぎても、彼は奉行所に出仕しない始末なのだ。しかし、それはどら平太本人が友人で大目付の仙波義十郎に頼んで、わざと流させた悪評であった。実は、彼は密輸、売春、賭博、殺傷などが横行する「壕外」と呼ばれる治外法権と化した地域の浄化にやってきたのだ。早速、遊び人になりすまし壕外に潜入した彼は、壕外の利権を分け合っている3人の親分の存在を知る。密輸業を仕切る大河岸の灘八、売春業を仕切る巴の太十、賭博を仕切る継町の才兵衛。そんな彼らに、腕っぷしの強さと豪快な遊び方を見せつけ圧倒するどら平太。遂に、彼は誰もがなし得なかった3人の親分を観念させることに成功する。だが、彼が奉行として彼らに下した罪状は、死罪ではなく永代当地追放であった。実は、どら平太の本当の目的は、彼らと結託して私腹を肥やしていた城代家老・今村掃部を初めとする藩の重職たちの不正を正すことにあったのだ。灘八たちに藩と結託していた証拠を無理矢理作り出すことを命じ、それをもって重職たちを退陣に追い込むどら平太。しかし、藩の重職たちと3人の親分の間で私腹を肥やしているもうひとりの人物がいた。それは、義十郎であった。だが、そのことを知ったどら平太の前で義十郎は自害してしまう。こうして、どら平太は一度も奉行所に姿を現さないまま役目を全うした。しかし、そんな彼にも苦手なものがあった。それは、彼とは7年来の馴染みで、先般、江戸から彼を追いかけてやってきた芸者のこせいである。江戸に連れ帰ろうとする気の強い彼女に捕まってなるものかと、どら平太は次なる赴任地へ駄馬を走らせる……。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第24回 日本アカデミー賞(2001年)

ノミネート

主演男優賞 役所広司
助演男優賞 片岡鶴太郎
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映画レビュー

1.0市川崑監督が

2025年3月5日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

寝られる

日本映画低迷期を作った張本人の1人であることを証明するかのようなこれまたひどい出来の映画。役所広司の上手さが無ければとても見ていられない。これだけの役者、これだけのセットを使って、まったく面白味を作り出せていないのはひとえに市川崑監督の演出力の稚拙さ。世界をリードしてきた小津安二郎監督、黒澤明監督のレベルの高さを徹底的に地に貶めた責任は重い。数多く映画を見てきて映画ファンと自認する人ならきちんと市川崑監督がいかに無能かを声を大にして断罪しなければならない。

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ブロディー署長

2.0ぼく、ドラ平太

2024年9月26日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館

タイトルロールであの明朝体のどデカい文字で出演者の名前がバンバンと出ると、ああ市川崑よなあと嬉しくなってくる。
ただこの映画の場合は、「木枯し紋次郎」などと違って、為政者側が身をやつして悪を成敗するという所謂「水戸黄門」「遠山の金さん」パターンなので、あまり好みのプロットではなかった。脚本は四騎の会、黒澤明、木下恵介、市川崑、小林正樹の4人の共同執筆ということだが、かつての黒澤組の橋本忍、小國英雄、菊島隆三らほどには実を結んでいないようだ。各々の個性が違いすぎたのかもしれない。
最後の単身敵地に乗り込んでの大立ち回りはどう見ても無理がある。一瞬でも切っ先のタイミングがずれていたら十中八九死んでいる。また、浅野ゆう子の役柄は完全に浮いている。
最後の最後で落語ネタ「馬の田楽」で落とすとは思ってもみなかった(原作の「町奉行日記」にはこのくだりはない)。

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梨剥く侍

3.0見た。

2023年12月31日
PCから投稿

3点。
コメディ?うまくいきすぎじゃない?

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プライア

3.5痛快時代劇

2023年1月1日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:TV地上波

楽しい

痛快でした。
正義(お奉行)が悪を裁き、笑いパート(浅野ゆう子さん)も用意されており、これぞ時代劇という安心して観ていられる王道パターン。
権力を握った組織の腐敗は、今も昔も変わらないのかも。

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光陽