DOGーFOOD
劇場公開日:1999年4月24日
解説
妻に去られた男が、喪失感の下に過ごす一週間を日記風に綴った短篇ドラマ。監督は、役者として目覚ましい活躍を続ける田辺誠一で、本作が初監督作品となった。脚本も田辺監督が自ら執筆。撮影を福本淳が担当している。主演は「BLUES HARP」の田辺誠一。99年度ベルリン国際映画祭フォーラム部出品作品。VTR。ビデオプロジェクターによる上映。
1999年製作/47分/日本
配給:スローラーナー
劇場公開日:1999年4月24日
ストーリー
男に愛人がいることを知り、家を出ていった妻・砂城子。男は、ベトナム転勤までの一週間を、彼女を失った喪失感の中に過ごす…。月曜日、男は砂城子の残していった愛犬を持て余している。散歩に連れていっても、行く先々で想い出されるのは彼女のことだ。そんな彼を見て、近所に住むイラン人の男は犬を心配する。火曜日、男は愛人のかざりとデートした。彼女のことは愛している。だが、何か物足りない。水曜日、男の元に犬の死の知らせが届いた。目撃者によると、犬は自らトラックに飛び込んでいったらしい。木曜日、突然、砂城子が忘れ物を取りに来たといって家に現れた。彼女は、元夫の食生活が気になったのか、料理を拵えると帰っていった。戻って欲しいのか、欲しくないのか、そんなことも砂城子に伝えられなくなっている男。金曜日、言い知れぬ思いに、男は犬の為に買っておいたドッグ・フードを口にしてしまう。だが、彼は既に何も感じられなくなっていた。やがて、彼は冷蔵庫から凍りついた水風船ヨーヨーを見つける。それは、砂城子と祭りで買ったものだった。凍っていたヨーヨーは、男の体温で少し、解けた…。土曜日、男は転勤の準備に忙しい。日曜日、男はベトナムへと旅立っていった。