ドーベルマン刑事

劇場公開日:

解説

千葉真一、深作欣二監督が十一年ぶりにコンビを組んだアクション映画。少年雑誌に連載されている同名原作をもとにしているが、この作品は劇画になる以前の主人公のプロローグ篇。今日のスター歌手誕生の裏で繰り広げられるスキャンダルを中心に描く。脚本は「北陸代理戦争」の高田宏治、監督も同作の深作欣二、撮影も同作の中島徹がそれぞれ担当。

1977年製作/90分/日本
配給:東映
劇場公開日:1977年7月2日

ストーリー

新宿で女性の焼死体を発見。連続殺人放火魔の仕業と警察は断定。害者の身元は、玉城まゆみ、沖縄石垣島出身。警察は害者の男関係から、元暴走族の三迫長栄に容疑をかける。加納竜次は、石垣署から、玉城の遺骨を引き取りに東新宿署に派遣された刑事でまゆみの母親は、娘の生存を主張し、このことから加納は、この殺人事件に興味をいだいた。ある日、超高層ビルで、狂人が女性を部屋に閉じこめるという事件が発生。警察が手をこまねいている間に、加納は持前の荒っぽさでなんなく人質を救出した。だが、この事件は人質だった春風美樹をマスコミに売るために彼女のマネージャー・英森が仕組んだものとは誰も気がつかなかった。英森は彼女をスターにすることに一生をかけていた。加納はそんな彼女に、まゆみの母親の言葉がうかび、まゆみと美樹がオーバーラップするのであった。加納は美樹にまゆみの十七歳の時の写真を見せた。整形手術をほどこしている美樹は反応を示さなかった。もう一人、美樹に近づいた男がいた。三迫長栄で、彼女が三年前までソープランドで働いていたと暴露。もう少しでスターの座を確保する美樹を守る英森。加納と長栄の追及が激しくなり、英森はついに、加納らを殺すこと決意。英森のさし向けた殺し屋を逆に殺してしまう加納。彼にとっては何んでもない事なのだが、警察内部で大間題をになり彼は、過剰防衛、殺人等で逮捕される。そして、加納の留置所内での行動が猛犬のように燃え上がったのは、三迫長栄の死を知ってからで、ついに、脱走までしてしまう。一方、テレビの「スター誕生」に出演する美樹の準備もととのい、裏工作も完了した英森は、当日事務所で、画面に喰い入っていたが、加納が現われ対決する。事件の一部始終を話し、花森は隙を見て拳銃を抜くが、加納のブラックホークが一瞬優った。ステージで審査の発表を持つ美樹に英森の死をつたえる加納。その時、美樹の頭上では優勝のファンファーレがひびきわたった。

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