逃亡列車
劇場公開日:1966年12月24日
解説
渡辺明の原作を、「栄光への挑戦」の池上金男と「野郎に国境はない」の宮川一郎が脚色し「帰らざる波止場」の江崎実生が監督した戦争もの。撮影はコンビの横山実。
1966年製作/94分/日本
原題または英題:The Last Escape
配給:日活
劇場公開日:1966年12月24日
ストーリー
満鮮国境の図們は日本軍の軍需物資集積地で、図們駅の警護には独立鉄道第三十大隊があたっていた。終戦直前で戦局は日本軍に決定的に不利、関東軍の運命がソ連軍の出方にかかっていた時で、大隊は抗日ゲリラに悩まされていた。有坂少尉が大隊に転属してきた時は、ちょうどソ連軍が図們を攻めてきた時であった。図們は最前線になったのである。大隊長黒丸は有坂に札つきの工藤分隊を任せ、本隊は北朝鮮に撤退することに決めた。しかも、戦闘のどさくさにまぎれて脱走した岡の捜索と、奪われた武器の奪回も有坂に命じたのだ。有坂はこれを平然と受け、岡の捜索にかかった。岡はゲリラに射たれ、女医の倉吉麻美の所にいた。岡は重態だった。有坂は手術の経験のない麻美を力づけ、岡を助けようとしたがゲリラの跳梁が激しいので、一まず駅舎へ連れ帰った。その有坂を待っていたのは、日本降伏のニュースである。彼は避難民と兵隊の輸送のため、八月十八日午後八時までこの鉄道を守らなければならない。日増しに激しさを加えるゲリラの攻撃、そして逃亡者が相次いだ。やがて、あと三十時間以内に出発しなければ、清津を出る最後の輸送船に間に合わないという日、隣の駅を出た最後の南下列車がゲリラに爆破されてしまった。窮余の一策、有坂は構内に放置されたままの機関車に目をつけ、経験のある工藤に修理をさせたのだが、その材料のために武器を犠牲にしなければならなかった。しかしゲリラに捕まって有坂に救出された麻美が岡の手術に成功、その岡の口からゲリラが古機関車に武器を隠していることが分った。ゲリラがこの小さな駅を攻撃してくるわけを知った有坂はその武器で応戦、やがて、機関車の修理も終った。その上に乗った有坂の機関銃から火が吐く。そして列車は一路清津に向って驀進を続ける……。