鉄男

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説・あらすじ

塚本晋也監督が1986年制作の短編「普通サイズの怪人」をベースに、肉体が鉄に侵蝕されていく男の壮絶な戦いを悪夢的映像で描いたSFスリラー。第9回ローマ国際ファンタスティック映画祭でグランプリを獲得するなど注目を集め、塚本監督の名を一躍世界に知らしめた。ある朝、平凡な会社員の男は自分の頬に金属のトゲのようなニキビができていることに気づく。男の身体は激しい痛みを伴いながら、徐々に金属に侵食されていく。一方、かつて男が轢き逃げした“やつ”は、復讐を果たすべく男のもとへ向かう。

1989年製作/67分/日本
劇場公開日:1989年7月1日

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(C)1989 KAIJYU THEATER

映画レビュー

4.0塚本晋也監督の脳みそには鉄がぶっ刺さっていると思う

2024年4月19日
PCから投稿
鑑賞方法:その他
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まぬままおま

3.5すごいな...

2025年4月14日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

1979年7月公開。俺が19歳、上京した年だ。東京の街を知るために「あんぐる」という雑誌を買い、映画や音楽を知るために「ぴあ」や「シティロード」を買い、とし始めた頃だ。なぜ昔話を書いたかというと、特に「シティロード」では、この「鉄男」が毎号巻頭を飾る勢いで、「映画好きなら観なきゃバカだぜ」的に華々しくとりあげられていたから。しかし、まだどれもこれも手についてなかった俺は、公開当時は見逃し、その後、名画座で繰り返し上映されても観る機会なく、今日まできていた。
自分の中に「俺、映画好きです」と堂々と言いにくいようなもやもや感があるのは、これを観ていないのも一因と思う。
しかし、とうとう観ました。ありがとう、目黒シネマさん!ローマ国際ファンタスティック映画祭グランプリなんだね。すごいね。
スタッフのほとんど塚本監督(晋也)がやっているのは、自主製作映画だったってことかな?ググると、いやいや塚本監督はいつもそうなんだね、すごいね。初上映は、中野武蔵野ホールなんだね。映画館の館主として、こういった映画の一番乗りだったってことは、とても誇れることだろうな。

監督も「映像と音の映画」と言ってるけど、まさにそうだね。67分間、その2つでぶん殴られ続ける感じ。痛いし怖かった。コマどりとモンタージュが連発される映像。大音量の中でめまぐるしく、脳みそをかき回される感じ。カルトムービーと言われるだけあるわ。

いやあ、感想ないわ。カルトだから。十分、かき回された。そしてこの話で、観客を1時間強の間、釘付けにする才能はすごいと思う。

おまけ
諸星大二郎のデビュー作にして傑作漫画「生物都市」と同じ匂いがする部分があった。特にラスト近くの主人公のセリフ「ああ、気持ちがいい」は「生物都市」でおじいさんがつぶやく「もう、腰も背中も痛くない」とみごとに対をなしてるもんね。塚本監督は過去に読んでいたが、制作段階では存在自体を忘れており、指摘を受けてから類似点に気付いたとのこと。きっとこうやって才能は重なり合って、俺たちにより高いところまで見せてくれるんだね。

おまけ2
本作と全く関係ないが、目黒シネマは「V.MARIA」の初上映館とのこと。本作や「侍タイムスリッパー」(初上映はシネマロサ) みたいに、拡大してくといいね。

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CB

2.0シン・ゴジラの最後の場面はこの怪物。

2024年10月3日
スマートフォンから投稿

笑える

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マサシ

4.5ち〇〇ドリルすな!

2024年9月17日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

怖い

興奮

ジャンル付けが馬鹿馬鹿しくなる程にパワフルで圧倒的センスに溢れた映像作品。

全編にわたって感じる塚本監督の異常なまでの美術へのこだわりにただただ圧倒されるばかりでした。お口あんぐり。ワケワカメ。ストーリーは考察ブログなどを読んで初めて理解しました(笑)もうひたすら「俺の芸術を見てくれー!」って感じ。もはや映像の暴力です。

その暴力的なまでの映像美にグロ、ホラーの要素が絡んで、緊張感のあるシーンが続きます。ストップモーションを多用した演出は非常に面白く、効果的で、わけのわからない謎のスピード感を味わえます。男が鉄にまみれていく姿も細部までのこだわりを感じられ、俳優の演技もあっておぞましい演出となっております。この美術面と演出面でのセンスとこだわりに、さらにインダストリアルミュージックが響き、唯一無二の世界観を構築しております。すげぇな、この作品。

ただし、観客に対する親切心は皆無。時系列が前後する突拍子もないストーリー、一度観ただけでは到底理解できない設定、少ないセリフ。多くの人達が置いてけぼりを食らったことでしょう。しかし…それでも最後まで魅入ってしまう。取り憑かれたように、この世界観に引き込まれてしまうのです。

この映像の暴力に、私も完全にノックアウトされました。この凄まじいまでのインパクトはきっと忘れることはないでしょう。でも生涯ベスト5には入れない。だってわけわかんないんだもん(笑)

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吹雪まんじゅう

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