帝都大戦

劇場公開日:

解説

帝都・東京を滅ぼそうとする魔人と、それをくい止めようとする平将門の末裔との戦いを描くSFXアクション。「帝都物語」のシリーズ第2弾で、荒俣宏原作の『帝都物語・戦争篇』の映画化。脚本は「精霊のささやき」の植岡喜晴と李美儀が共同で執筆。総監督は「孔雀王」の藍乃才、監督は同作の製作総指揮・一瀬隆童、アクション監督は「チャイニーズ・ゴースト・ストーリー」の郭追、撮影は「トップファイター」の安藤庄平がそれぞれ担当。主題歌は、ジャニス・イアン(「HEAVEN KNOWS」)。

1989年製作/107分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1989年9月15日

ストーリー

昭和20年長い太平洋戦争で、日本は深く傷つき、帝都・東京も死に絶えようとしていた。霊的指導者・観阿彌光凰は日本を勝利へ導くため、連合軍首脳を呪い殺そうと計画を進めていた。側近の霊能力を持つ青年、中村は幼い頃からそのパワーを強大なものにさせるべく育てられていたのだ。1月1日未明、B29は東京に焼夷弾の雨を降らせ、多くの死傷者を生んだが、その怨念が帝都の怨霊・加藤保憲を甦らせてしまった。一方、空襲で母を亡くした美緒は目が見えなくなり、ようやく病院へ辿り着いた。そこには平将門の末裔で加藤にも勝る霊能力を持つ辰宮雪子が看護婦として働いていた。1月27日、有楽町で激しい爆撃に襲われた中村は、霊力を感じ、鉄塔の上に立つ加藤保憲を見た。また、そこは加藤の宿敵・辰宮雪子もおり、二人は運命的な出会いをしたのだった。2月4日。加藤は帝都にとどめを刺すべく観阿彌の秘密計画を阻止しようとやってきた。中村は自らの肉体を賭けて加藤に戦いを挑んだが、彼の科学によって高められたサイキック・パワーも歯が立たなかった。逆に中村は瀕死の重傷を負ってしまう。病院に運ばれた中村は雪子の手厚い看護を受け、一命をとりとめることができた。そして、再会した二人は共に加藤と闘う運命にあることを悟った。5月1日、観阿彌の秘密計画決行の時がきた。加藤はそれを阻止しようと現われたが、科学の力によってさらにパワーアッブした中村が立ちはだかった。加藤は中村のサイキック・パワーに吹き飛ばされたが、やはり力はまだ上だった。中村は負傷し、加藤はとどめを刺そうとしたが、その時突如、雪子が現われた。そして、雪子と中村は二人のパワーで加藤を倒したのだった。一方、観阿彌は日本の敗戦を予知し計画を変更、呪術でヒトラーを自殺に追い込んだのだった。

全文を読む(ネタバレを含む場合あり)

スタッフ・キャスト

全てのスタッフ・キャストを見る

フォトギャラリー

映画レビュー

5.0サクラ大戦

2023年11月10日
iPhoneアプリから投稿

加藤の
その、白面の者を思わせるその圧倒的「力」の存在感よ‼️
この作品で主人公が死ぬ時の体の動かし方の演技は松田優作に近づきつつあります❕
主人公の後釜が伊藤英明だったんですね❕✋
しっかり起承転結のハリウッド超大作になってて良き(* 'ᵕ' )☆
清水ミチコって何処にでも爪痕遺すよね( ᵔᵔ )清水ミチコだっけ?ま、いっか誰でも

コメントする (0件)
共感した! 0件)
ミスター

3.5前作と比較しても、グロテスクな描写や加藤の冷酷さ・残虐さは目を見張...

2023年2月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館

前作と比較しても、グロテスクな描写や加藤の冷酷さ・残虐さは目を見張るほど鮮烈に描かれている。前作の『陰陽師』のようなファンタジックホラーを期待して今作を観るのであれば、心構えが必要だ。しかしそのような血みどろ劇も、太平洋戦争の熱気と鬱積の上にあるとすれば、今作の全てを理解できよう。

コメントする (0件)
共感した! 0件)
御納戸色

3.5昭和という破壊と再生の時代が終わった 本作は、そのシュルリアリズム的映像表現の断片のコラージュとして観るべきだと思います

2021年12月18日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

改めて鑑賞し直して、本作とは何だったかが見えてきたように思いました

本作は1989年9月公開
前作の「帝都物語」は1988年1月公開
この間に何があったのでしょうか?

バブルの絶頂期?もちろんそうです

そしてもう一つ
昭和から平成に元号が変わっています
そうです
昭和天皇が長い闘病の末に崩御なされたのです
それは1989年1月7日のことでした

大葬の礼という大規模な国葬が2月24日に行われて、国民は長い喪に服しました
商店街でも賑やかな音楽は控えられて荘重なクラッシック音楽が静かに流れて、テレビでもお笑い番組は消えていました

皇居から葬場が設営された新宿御苑までの葬列と葬場における儀式の一部はテレビ中継されて、大葬の礼を全ての国民が見ることができました

冷たい小雨の降る中、葬場殿がおかれた新宿御苑を古装束姿の楽師の先導で葬場殿に向かう葱華輦(そうかれん)の光景はまるで帝都物語の世界が現実となったかのような神秘的なものであったのです

葱華輦とは昭和天皇のご遺体を納めた棺を載せる巨大な神輿の一種のことです

それは、古式に則れば京都市北東部のはずれにある八瀬の里に住む「八瀬童子(やせのどうじ)」と呼ばれる若人達が担ぐべきものでしたが、少子高齢化が進んで当地にはもう担ぐべき若人達がいなくなっていたために、皇宮警察の数十名が黒い古式装束姿で代わりを務め、葱華輦を担いで厳かに進んだのです

本作はその年の秋、終戦記念日のちょうど1ヵ月後の9月15日に公開されたのです

このことを踏まえた上で、本作を鑑賞すれば、本作から何か違ったものが感じられると思います

昭和とは、どんな時代であったのか
戦争で300万人もの死者を出し国土は荒廃して焼け野になり、戦後は急速な復興を遂げ世界有数の先進国に高度成長を成し遂げました
まさに破壊と再生
それが昭和だったのです

その長かった昭和がとうとう終り、平成となったのです
国民は大葬の礼で、この国最大の霊的な式典を目にしてこのような感慨に耽ったのです

その感慨がそのまま本作に投影されているように感じるのです
それこそが本作のテーマだったのだと思えるのです

本作の内容ははっきり言ってつまらなく、どうでもいいのです
物語は原作は読めば良いことです

昭和という破壊と再生の時代が終わった
本作は、そのシュルリアリズム的映像表現の断片のコラージュとして観るべきだと思います

本作は昭和が終わった
昭和とは破壊と再生の時代であった
そのことだけを伝える映画だったのです

また、クレジットを改めて眺めるといろいろと見えて来るものもありました

監督兼エキゼクティブプロデューサー
一瀬隆重

この人は、前作「帝都物語」でも製作総指揮でした
そして1990年代から2000年代にかけて、「リング」、「らせん」、「呪怨」、「THE JUON/呪怨」などのプロデューサーを務めています
つまり、ジャパニーズ・ホラーを牽引して切り拓いて来た人物です
本作製作時、なんとまだ若干28歳なのでした

彼が監督を務めたのは本作だけのようです
ならば本作こそジャパニーズ・ホラーの水源であったと言えるのではないでしょうか

超現実視覚効果
スクリーミング・マッド・ジョージ

彼は本名が谷 譲治という大阪出身のもともと日本人
本作撮影時、まだ32歳
シュルリアリズムに強く影響を受けて、NYの美術学校に学び、紆余曲折の末「狼男アメリカン」や「ヴィデオドローム」の特撮で有名なリック・ベイカーに見いだされて、特殊視覚効果の道に進み、1986年にハリウッドでホラー映画を中心とするエフェクトデザインを行う会社を設立した人

なるほど本作の視覚効果のベトベト、ネチャネチャのえげつないクリーチャーはリック・ベイカー譲りだと納得するものです

ガラパゴスだった日本の特撮や特殊効果に、海外の最新のノウハウが導入されていった最初の頃の作品ということになります
その意味でも、日本の特撮の歴史に大きな意味と意義がある作品であったと思います

2019年5月1日、令和に元号が改まりました
平成時代は、バブル崩壊という破壊がありました
再生はとうとう訪れることはありませんでした
令和になってもコロナ堝が襲来しています
再生はいつ訪れるのでしょうか?

考えてみれば、監督兼エキゼクティブプロデューサーの一瀬隆重も、超現実視覚効果のスクリーミング・マッド・ジョージも戦後の生まれ
それも高度成長期に生まれ育ったのです
破壊を知らず、再生だけしか知らない世代なのです

この再生と繁栄を、いつの日か滅び去ってしまう破壊がくるのかも知れない
その漠然とした不安が、加藤保憲として具象化されているのだと思えます
その不安とはバブル崩壊の予感であったのかも知れません

ヒトラーが自殺したのは1945年の4月30日
令和が始まったは5月1日
何か意味があるかのように思えてしまいます

コメントする (0件)
共感した! 2件)
あき240

3.0加藤保憲VS辰宮雪子 ファイナル・ウォーズ

2019年11月19日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

興奮

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする (0件)
共感した! 2件)
しゅうへい
関連DVD・ブルーレイ情報をもっと見る