太陽とバラ
劇場公開日:1956年11月14日
解説
先頃来話題を賑わしている“太陽映画”に想を得て木下恵介が発表する問題篇。「夕やけ雲」についで木下恵介が脚本・監督にあたり、「涙」の楠田浩之が撮影を担当する。主な出演者は「阪妻追善記念映画 京洛五人男」の中村賀津雄、「夕やけ雲」の有田紀子、田中晋二、「涙」の石浜朗、「女囚と共に」の久我美子、「ここは静かなり」の杉田弘子、劇団若草の鈴木久弓、SKDの千羽つる子、新人佐藤芳秀、その他三宅邦子、北竜二、竜岡晋、須賀不二夫、桜むつ子など。
1956年製作/82分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1956年11月14日
ストーリー
八月も終りの湘南海岸。秋山清は与太者仲間山中次郎や辻長七と、連日、盗み、タカリ、喧嘩とスサンだ青春の日を送る。清の父親が戦後間もなく、買出しで事故死した後、母親は不良の清に手をやきながら内職で細々と生計を立て、夜間高校に通う清純な妹薫や、幼ない篝共々、厳しい現実と闘っていた。だが清は、遂には警察にアゲられる始末。母親の強い意見から、清はやがて母が家政婦を勤める別荘の長谷夫妻の尽力で、その工場に働くことになる。長谷の長男正比呂は、ふとした折薫の美しさに惹かれ彼女を追い廻す一方、清を自分らの太陽グループに引入れる。清は母の心配もよそに、工場を休み給料前借で遊び暮す有様。総てに理性を失ってきた清は、太陽娘の洋子と過して戻った時、母から亡父の仏前で反省をうながされても捨ゼリフを残して飛び出す。偶々、正比呂の指図で喧嘩した清は彼の家に伴われ、家庭に戻ると豹変する彼に呆れるが自分と違い、何不自由ない生活ぶりに、次第に反発を感じ出す。翌朝正比呂の両親が清に会いたいと言って来る。清の母の手紙を前に優しく話す夫妻。正比呂のため身を誤った姉敬子も清には親切であった。清が去った後、敬子は今迄の事を総て母親に語り、二人で正比呂の後を追う。一方、別荘へ向う清は、途中会った母の言葉に耳も貸さず、ために「死んでしまえ」と迄いわれるが、そのままダイスに耽る正比呂らの許へ。あてつけな妹薫誘惑の話、そして実姉への暴言。怒りに燃えた清は遂に正比呂を殴殺し、手を血に染めたまま家へ戻る。「あんな奴、死んだ方がいいんだ」と言うや走り去った清は、半狂乱の母親や警官を後にそのまま驀進する列車に飛び込んで行った。
スタッフ・キャスト
受賞歴
第14回 ゴールデングローブ賞(1957年)
受賞
最優秀外国語映画賞 |
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