黒い十人の女

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

名匠・市川崑が和田夏十のオリジナル脚本をもとにメガホンをとり、創世記のテレビ業界を舞台に、ひとりの男に思いを寄せる10人の女たちが彼に殺意を抱いたことから巻き起こる騒動を、ブラックユーモアを散りばめながら描いたミステリー映画。テレビプロデューサーの風松吉にはなぜか近づく女が絶えず、妻の双葉は寂しい毎日をレストラン経営で紛らわせていた。どの相手も風にとっては遊びの関係に過ぎなかったが、女たちは妙に彼のことが忘れられない。風のことが気になって仕方ない彼女たちは、いっそのこと彼が死んでしまえば良いと考えるように。すっかり気心の知れた仲である1人目の愛人・市子と妻・双葉は、冗談半分に風を殺害する計画まで話し合う。そんな噂を耳にした風は、女たちが共謀して自分を殺そうとしていると思い込んで双葉に相談するが……。

1961年製作/102分/日本
配給:大映
劇場公開日:1961年5月3日

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映画レビュー

3.5結構 終盤 近くまで面白かった

2023年11月8日
PCから投稿

不条理な感じが 巧みな 音楽 カメラワーク 演技などとも相まって さすがにすごいなと思いながら見た。 ただ物語の性質的に まとめるのは難しかったかな。

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タンバラライ

3.5誰にも優しいてことは、誰にも優しくないってことよ。

2023年10月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

船越英二と関係をもつ、妻を含む10人の女たち。全部が山本富士子や岸恵子だったら、船越英二はいけ好かないキザな奴にも見えたのだろうけど、正直、この女に?っていうのも出てくる。そこに、誰にでも優しいって軽さが見える。妻山本富士子も女優山本富士子も、コイツと一緒なの?と同列にされることを不快に思っただろう。じゃあ、自分に対する愛情は本物じゃないんだろうとも思っただろう。だけど、憎めない。そのキャラを演じる船越英二の絶妙さ。育ちの良い金持ちのボンボンにたまにいる、嫌みのなさ。(それは女にだけでなく上司やクライアントの男たちにも。)だから、女たちは忘れられない。他の女にもフラフラする船越英二にジリジリする。自分だけ出し抜くこともできずに共闘を組む。復讐のために?いや、他の女へのけん制のために。もう、船越英二が欲しいというより、こいつらに勝てないまでも遅れをとるまいという意地の張り合い。その丁々発止の探り合いが刺激的だった。
この映画、1961年とあった。もう60年も前か。このテーマをドロドロさせず、とてもスタイリッシュだ。黒というシックなビジュアルがコメディ要素を引き締めてくるし、一人の自殺者がいることでナーバスな一面を見せて不倫を茶化さない。昭和のTV界の空気感、当時最前線を走っていた俳優たちの雰囲気、古くてもとても新鮮だった。

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栗太郎

3.5タイトルなし

2023年9月12日
Androidアプリから投稿

主体性のない空っぽの男に女たちが取り憑かれるのは、そこに他の女の影(他人の欲望)を認めるからである。宮城まり子だけが幽霊になり、寄る辺をなくした空っぽの男と女の実体だけが同じ空間に同居するというオチは秀逸だった。

カットや演出が斬新で画も良かった 。船越英二が良かった。でも、映画として面白かったかと問われると、制作現場の描写を除けば、微妙だった。

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抹茶

4.0素晴らしかった

2022年12月13日
iPhoneアプリから投稿
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JYARI
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