12人の優しい日本人

劇場公開日:

解説

もし日本にも陪審員制度があったらという仮定に基づいて、ある殺人事件の審議に奮闘する12人の陪審員の姿をユーモラスに描く。東京サンシャインボーイズによる同名戯曲の映画化で、脚本は同劇団主宰の三谷幸喜が執筆。監督は「櫻の園」の中原俊。撮影監督は「風の国」の高間賢治がそれぞれ担当。

1991年製作/116分/日本
配給:アルゴプロジェクト
劇場公開日:1991年12月14日

ストーリー

ある殺人事件の審議のために12人の陪審員が集められた。ここに来た12人は、職業も年齢もバラバラな無作為に選ばれた人々。陪審委員長を努める40歳の体育教師の1号、28歳の会社員の2号、49歳の喫茶店店主の3号、61歳の元信用金庫職員の4号、37歳の庶務係OLの5号、34歳のセールスマンの6号、33歳のタイル職人の7号、29歳の主婦の8号、51歳の歯科医の9号、50歳のクリーニング店おかみの10号、30歳の売れない役者の11号、そして同じく30歳の大手スーパー課長補佐の12号。被告人が若くて美人だったことから審議は概ね無罪で始まり、すぐ終わるかに見えたが、討論好きの2号が無罪の根拠を一人一人に問い詰めたことから、審議は意外な展開へ。有罪派と無罪派と分裂、さらに陪審員達の感情までもが入り乱れ、被告人が有罪の線が強くなっていく。ところがその時、他の者から浮いていた11号が事件の謎解きを推測し始め、それによって事件の新たなる真実が判明する。そして事態はまたまた逆転し、被告人は無罪となるのだった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0【”情に流される日本人12人の陪審員が下した結論”陪審員たちが最初は大した考えもなく被告を無罪と考えるも次々に提示される推論に振り回され、考えが二転三転する様をコミカルに描いた作品。】

2024年7月12日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

知的

幸せ

■ある殺人事件の審議のために12人の陪審員が集められた。
 被告が若くて苦労している子持ちの美人であることから、陪審員全員が無罪の決を出し、審議は早々に終了するかに見えた。
 しかし、陪審員2号が無罪の根拠を問いただし”議論がしたいんです”と言い始めたことから、審議の様相は混迷していく。

◆感想

・12人の裁判員たちのキャラが非常に良く立っていて、彼らが発言する内容にそれぞれが反応し、考えをコロコロ変える様を、三谷監督が面白可笑しく描いている。

・ある男は、被害者が自分に似ているのに女にもてる事に嫉妬し、議論に執着している男は最期に自分が妻と上手く行っていないために、有罪を主張するという何とも可笑しい設定である。

・笑えるのは、”死んじゃえ!”と”ジンジャエール”の聞き間違えや、子供を独りにしておいてピザが食べられるかと言うある意味ナンセンスな事柄を、話し合う12人の陪審員たちの姿である。

<今作は可なり個性的でいい加減だが、情に厚い日本人気質の陪審員たちの軽妙な会話劇であり、ワンシチュエーションコメディである。
 ”論理的に物事を考えられない日本人には、陪審員は無理じゃないの?”と言う三谷幸喜監督ならではの、意地悪でシニカルな視点もすこーし感じる可笑しな作品である。>

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共感した! 8件)
NOBU

4.0日本が誇るワンシチュエーションコメディの傑作

2024年5月16日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

知的

3度目の鑑賞

監督は『櫻の園』『コンセント』『落語娘』の中原俊
脚本は『ラヂオの時間』『みんなのいえ』『竜馬の妻とその夫と愛人』『笑の大学』『THE 有頂天ホテル』『ステキな金縛り』『清須会議』『大空港2013』『ギャラクシー街道』『記憶にございません!』の三谷幸喜

日本にもしも陪審員制度が導入されたらという設定を元に制作され1991年に公開された作品
『12人の怒れる男 』のパロディ
アメリカの陪審員制度は有罪無罪を決めるのでなくて量刑を決めるものだと聞いているが州によってもいろいろと全く違うので自信はない

路上で妻が夫を突き飛ばして夫はトラックに轢かれ亡くなった案件を陪審員たちが徹底的に議論する

個人的には山下容莉枝が演じた陪審員8号が好き
10号の鼻血を指摘するシーンはなぜか1番はっきり覚えていた

今から30数年前の作品
当然だけど塩見三省若いなあ
メンバーの中で1番それを感じた

なかなかストレスを感じる
特に相島一之演じた陪審員2号と村松克己が演じた陪審員9号の2人
それもあるがそもそも議論が苦手なせいだろう
共感能力がかなり乏しいし
若い頃はもっと楽しめたが
加齢に伴うものか残念である

裁判員制度が導入されてもうすぐで20年経つ
そんな今この作品をリメイクした映画が上映されるとしたら実物に痩せるため今作品とは別物になるだろう
『東京原発』同様あの時代だからこそ成立するものなんだろう

裁判員制度が導入された数年前に村松克己は胃癌のため残念ながら亡くなっている
どちらかといえば嫌な役だが声は1番良かった
30数年経った今でも村松克己以外のみなさんは健在のため彼はあまりにも早死にといえる

配役
今回陪審員長を務める陪審員1号(女子高体育教師)に塩見三省
妻と別居中が影響したのか最も有罪に拘り続ける陪審員2号(精密機械製造会社従業員)に相島一之
甘党アル中で議論が苦手な陪審員3号(喫茶店店主)に上田耕一
なんとなく無罪を最後まで変えなかった陪審員4号(元信用金庫職員)に二瓶鮫一
公判の内容をメモしている陪審員5号(商社庶務係)に中村まり子
話し合いがが嫌いためかやる気がない陪審員6号(医薬品会社セールスマン)に大河内浩
無罪を最後まで変えなかったべらんめえ口調の陪審員7号(職人)に梶原善
他人の意見に流されやすい陪審員8号(主婦)に山下容莉枝
議論好きな自信家の陪審員9号(開業歯科医)に村松克己
純真で気弱で鼻血を出してしまう陪審員10号(クリーニング店経営者)に林美智子
最初は議論に参加しなかった陪審員11号(俳優)に豊川悦司
仕切りたがりの陪審員12号(大手スーパー課長補佐)に加藤善博
守衛に久保晶
ピザ屋の配達員に近藤芳正

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野川新栄

4.5パロディ版でも面白かったな〜!

2024年5月5日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

単純

『12人の優しい日本人』鑑賞。

*主演*
塩見三省

*感想*
知り合いから勧められて鑑賞しました。「十二人の怒れる男」を見たばかりで、どんな内容なのかなって観ましたが、めちゃめちゃ面白かったです!

ストーリーや陪審員メンバーは女性が加入されていたし、密室の中で12人の陪審員が「有罪」か「無罪」か議論していく会話劇となっています。三谷幸喜さんが書いたシナリオなので、笑える所もありましたw

最初は有罪1、無罪11から始まり、議論が始まります。12人の陪審員の中には、個性豊かばかり。ただ話し合いが好きな人、頑なに有罪と主張する人、陪審員長じゃないのに仕切りたがる人、論理的に考える人、弱気な人、帰りたがる人など、それぞれの主張し、話し合い、二転三転しながら密室の中で進行します。海外版だと、笑える所はありませんでしたが、パロディ版は、陪審員の話をいちいち遮る所や、ジンジャーエールの言い方やコメディチックに描かれてましたし、トヨエツが喋り初めてからかなり面白かった!

総じて、パロディ版でも面白かったです!(⁠^⁠^⁠)

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ひろっぴ

5.0おもしろ過ぎる

2023年12月31日
PCから投稿
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