時代屋の女房2
劇場公開日:1985年4月27日
解説
東京・大井町にある骨董屋・時代屋の夫婦を中心に、この町に住む人々の人間模様を描く。脚本は「時代屋の女房」の長尾啓司と鈴木敏夫の共同執筆。監督はこれが第一回作品となる長尾啓司、撮影は「シングルガール」の羽方義昌がそれぞれ担当。
1985年製作/98分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1985年4月27日
ストーリー
東京の大井町にある陸橋のすぐ下に“時代屋”という安物ばかりの骨董屋がある。この店の主人の名は安さんと言い、彼のところにふらりとやって来て居ついてしまったのが真弓という女だった。この奇妙な夫婦を近所仲間の喫茶店・サンライズのマスターや、クリーニング店主の今井さんとその年上の奥さん、飲み屋「とん吉」のオヤジとおかみたちがとりまいている。ある日、安さんの旧友の谷村が、15年ぶりにアメリカから帰国して“時代屋”に居候することになった。彼はニューヨークであまり売れない画家として生計をたてていたらしい。谷村の出現で、この町の人々の生活の歯車が狂ってきた。まず、サンライズのマスターの前に、別れた奥さんがよりを戻しに帰ってきた。更に、クリーニング屋の今井さんの奥さんが、幼なじみの易者に浮気心を持ってしまう。谷村はサンライズのユキちゃんをモデルにヌードを描き、次には真弓のヌードを描いた。「あたしヌードのモデルになったのよ」という真弓に、安さんは「何も聞かず、何も云わずが都会の流儀……」と答えるが、心中穏やかでない。彼と谷村は昔、リンゴという娘を奪い合った過去があり、それが谷村をアメリカへ旅立たせるきっかけとなっていた。谷村が安さんの勧めもあって、急に故郷の清水へ帰ると言いだした。安さんは、自分のライトバンで谷村を実家に送り届けるが、戻ってきた安さんを待っていたのは真弓の書き置きだった。やがて、真弓の親友という女性から手紙が来た。安さんは、その女性が住む群馬・伊香保温泉に向かったが、彼女から真弓の消息は聞けなかった。実は真弓はそこにいたのだが。東京に戻った安さんを谷村が待ち受けていた。彼はもう一度ニューヨークへ帰る決心をして、別れを告げに来たのだ。こうして谷村が去って行くと、人々の暮らしも元に戻った。そしてある日、真弓が安さんの前に帰ってきた。