金色夜叉(1954)
劇場公開日:1954年3月21日
解説
永田雅一製作になる大映第二回天然色映画(イーストマン・カラー)。尾崎紅葉の原作を川口松太郎が劇化し、「にっぽん製」の島耕二が脚本・監督を担当している。撮影は高橋通夫、色彩技術は横田達之の担当。出演者は「花の三度笠」の山本富士子、「落花の門」の根上淳、「心の日月」の菅原謙二、「鯉名の銀平(1954)」の浦辺粂子、などである。
1954年製作/93分/日本
原題または英題:Demon of Gold
配給:大映
劇場公開日:1954年3月21日
ストーリー
箕輪邸での歌留多会で宮を見そめた富豪の富山唯継は、早速好条件で宮の両親の鴫沢夫妻に結婚を申込むが、欲に目が眩んだ夫妻は宮の許婚である貫一をそっちのけにして、いやがる宮を富山と一緒に熱海へやった。学友荒尾譲介、蒲田、風早にはげまされて貫一は慌てて熱海へ駈けつけ、宮に詰問する。宮は既に諦めていた。怒った貫一は「今月今夜のこの月を一生忘れない」という言葉を最後に去った。それから幾月--金を呪って残酷な高利貸鰐淵の手代となった貫一は、昔の学友達迄苦しめる金色夜叉の姿に変っていた。女高利貸の赤樫満枝はそうした貫一に惹かれていったが、貫一は満枝にも再会した宮にも、見向きもせず、遂に暴漢に襲われる程の非道さであった。誤った結婚をした宮も不幸だった。貫一に苦しめられて狂婆とせが、貫一の事務所に放火した晩、宮は貫一の許に駈けつけ、気を失った彼にすがりつくが、息を吹き返した貫一は宮を払いのけた。絶望した宮は火事場に残った池へ身を投げた。始めて貫一は自分が金の為に大切なものを失った事を悟り、失神している宮の名を呼んで許しを乞うた。