ゴルゴ13(1973)

劇場公開日:1973年12月29日

解説

ゴルゴ13と呼ばれ、民族も思想もない一匹狼の非情な殺し屋が世界を舞台にしての活躍を描くアクション映画。さいとうたかお原作・劇画の映画化。脚本はさいとうたかおとK・元美津、監督は「実録・安藤組 襲撃篇」の佐藤純彌、撮影は「前科おんな 殺し節」の飯村雅彦。

1973年製作/104分/日本
配給:東映
劇場公開日:1973年12月29日

あらすじ

ある国際都市の高級ホテルに、某国秘密警察の幹部数人が集まった。彼らの議題は、犯罪王ボア殺害についての善後策だった。ボアは表向きは海運業者だったが、その正体は世界中に麻薬と武器を密輸している犯罪シンジケートのボスで、しかも彼の素顔は誰も知らなかった。そのボアが人身売買に手をのぱし、イランの女性へと毒牙をのばし始めたのだった。某国秘密警察部長フラナガンは、殺人マシーンと恐れられている殺し屋ゴルゴ13にボア殺害を依頼した。フラナガンは、ゴルゴとの連絡係に秘書のキャサリンを任命した。翌朝、ゴルゴは単身、テヘランへ飛んだ。キャサリンもゴルゴを追ってテヘランへ。テヘランでは、ボアの片腕の盲目の殺し屋・ワルターが暗躍しており、イラン警察の警部・アマンは、三十名にも及ぶ女性行方不明の事件を追っていた。彼の妻シーラもその中の一人だった。一方ゴルゴは先に送りこんでいた私立探偵エグバリの調査で、ボアが小鳥を可愛がっているのを知る。ゴルゴの動きを嗅ぎつけたアマンはゴルゴをボア一味と思い込み、ゴルゴと、彼と再会したキャサリンのいるホテルを包囲した。そしてゴルゴは脱出に成功するが、キャサリンは逮捕された。その足でゴルゴは、オールタウンにあるワルターのアジトを襲うが逆に罠に陥ち捕われてしまった。女を拉致しようとしたワルターの部下たちが、警官隊との銃撃戦で射殺され、逮捕された。イスファハンにいるボアがそれを知り、女たちを観光バスに乗せてペルセポリスに移すように指令した。ボアの電話を盗聴したゴルゴはワルターを殺して脱出した。砂漠を貫ぬくハイウェイを、数台の車が次々とひた走っていた。女たちを乗せた観光バスと武装したボアの配下の車、ゴルゴの車、ボアの犯罪をつきとめたアマンの車、そして釈放されたキャサリンの車。不毛の砂漠で展開される息づまる追跡戦……ボアの配下の防衛線を突破してイスファハンに姿を見せたゴルゴは、ボアの宿泊するホテルを見下す塔の上にいた。ホテルの庭でお茶を飲むボアと彼の替玉たち。ゴルゴの放った銃弾は鳥籠の扉を破壊し、飛び立った小鳥は、すっと一人の男の肩に止まった。その男こそ、目ざすボアだ。しかし、止どめの一発は、配下のダグラスに阻まれてしまった。ゴルゴの恐しさを知ったボアは、シーラをはじめとして女たちと捕えたキャサリンを縛りあげ、丘の上に立たせて、一人ずつ殺していった。女を救おうとして近づくゴルゴを殺そうとしたのだ。アマンはボアの部下数名を殺して丘に近づいたが、シーラの目の前で、胸を朱に染めて倒れた。ゴルゴの名を呼び続けたキャサリンもまた、ダグラスに射たれ、息をひきとった。やがて、女たちを殺したボアたちは、二台のヘリコプターで飛び去った。車で追うゴルゴは、ダグラスの乗るヘリコプターを狙い撃ち、ヘリコプターは炎上しながら墜落した。数日後、ボアは豪華なヨットのデッキにもたれて日光浴をしていた。ゴルゴの狙撃銃の望遠スコープが、ゆっくりとボアの顔に焦点を合わせた。銃口が火を噴いたその一瞬も、ゴルゴの顔には何の表情もなかった。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

2.0 親米イランと、高倉健と、オウムと。

2026年5月19日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

単純

1973年公開、日本・イタリア合作映画、配給は東映。
104分。

【監督】:佐藤純弥
【脚本】:さいとう・たかを、K・元美津
【原作】:さいとう・たかを〜『ゴルゴ13』

主な配役
【ゴルゴ13】:高倉健

本作について言えば、
映画そのものよりサイドストーリーのほうが
圧倒的に面白い。

映像的にも、
高倉健のベッドシーン(笑)、
パフラヴィー朝時代のイランの風景、
などについ目がいってしまう。

■脱・任侠したい東映
■新たな方向を模索したかった高倉健
■全編海外ロケ+高倉健主演なら、と映画化を了承し、脚本まで書いてしまったさいとう・たかを
※さいとうが書いた脚本はほぼ書き直されたらしい

アクションに強い佐藤純弥を監督に据え、
全編イランロケ、
高倉健以外のキャストは全員イラン人。

イランの国産映画はその時代、まだサイレントだったなんて話も伝わる。
イラン人俳優のセリフはオール吹き替えだから、
シンクロ(同時録音)ではなく、
こんだけイラン人が出演したのに、
イラン未公開だ笑笑

肝心の映画について。

『ゴルゴ13』と言えば、
世界が舞台で、ときに応じて、
国際情勢が反映されたり、軍産複合体のような
「巨悪」と戦ったり、そのスケール感が売りだが、
本作にはその片鱗はない。

これに薬師丸ひろ子が出演したなら、
『野生の証明』なんだろうが、

日本人は高倉健のみ、あとはイラン人。
本人の声が聞けるのは
高倉健とオウムだけ。

カオス?
アヴァンギャルド?
☆2.0

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Haihai

3.0 色々と評価がされる作品ですが、 健さんが、楽しんで演じている様な ...

2023年9月28日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

色々と評価がされる作品ですが、
健さんが、楽しんで演じている様な
気がします。

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カネナカ

2.5 ケン13

2023年4月21日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

単純

興奮

説明不要。さいとう・たかをの長寿名作コミック。
映像化としては1971年に初めてTVアニメ化されたが(今となっては幻の作品らしい)、映画化は本作が初。しかも実写。1973年の作品。

しかしさいとう・たかをは映画化に乗り気ではなく、諦めさせようと「オール海外ロケ」「主演は高倉健」と無茶な条件。
ところが東映がその条件を全て呑み、本当に映画化となったそうな。
『ゴルゴ13』は1983年の劇場アニメかOVAくらいしか見てないが、仕事の範囲はワールドワイドだし、モデルは高倉健と言われているから、ある意味理想通りの映画化。

某国秘密警察から国際犯罪組織のボスの暗殺を依頼されたゴルゴ13。
素顔は分からず、有力な情報はイラン国内に潜伏のみ。
ゴルゴはテヘランに入り、照準を定めていく…。

全編イラン・ロケ。異国ムードは充分。
キャストもイラン人。全て日本語に吹替られており、山田康雄や富田耕生らベテラン。
何だか午後のロードショーで70年代の洋画アクションを吹替で見てるようは感じ。

原作コミックやアニメの一話分を100分に伸ばした感じで、テンポの悪さや間延び感が否めない。
一応スナイパー・アクション、捕まり拷問や人質を取られてのピンチ、ヘリからの襲撃などアクションは盛り込んであるものの、どうも全体的に締まりが悪く、スリルにも欠ける。
アニメ版で見たハードさやハードボイルド感も感じられず。
健さんのゴルゴもスナイパーと言うよりアウトローな感じ。

ファンからは黒歴史なんて言われ、さいとう・たかをも不満を示しているそうだが、健さんは海外ロケとクールな役を楽しみ、我々も貴重な“ケン13”を見れただけでも、まあ良しとしよう。

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近大

3.5 黒歴史扱いであるのはなぜなのでしょうか? 本作の意義とは、なになのでしょうか?

2022年6月15日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

言わずもがなの、さいとうたかおの超有名劇画の映画化です

原作の劇画は1968年11月から、半世紀以上に渡り今も連載中

さいとうたかお本人は、2021年9月24日に永眠なされました

連載は「自分抜きでも続いていってほしい」との本人の遺志に沿ってスタッフが続けておられるそうです
もともと分業体制で製作されていた作品ゆえそれが可能なのでしょう

内容は説明不要です
先の副総理にして財務大臣という国家の重要ポジションを長年務められた方も愛読者というのですから、それ程濃い内容であると言うことです
和製フレデリック・フォーサイスというべき情報量があります

全国のどのコンビニでもマンガの棚を見れば、単行本が何冊も並んでいるはず
どこの散髪屋の待合い席にも必ず置いてあります

これほどの人気劇画ですから、映像化は何度もなされています
実写映画は、本作を入れて2本
劇場版アニメは1本
OVAは1本
テレビアニメも2本
1971年と2008年
1971年版は最初の映像化作品でした
但し動かないスチールアニメというものだったそうです
さすがにこれは知りません

ということで、本作はその次の映像化作品で実質的に最初の映像化作品と言えます

原作者のさいとうたかお本人は映像化には乗る気がなかったそうです
断る口実として、高倉健主演、オール海外ロケを条件としたのに、東映がその条件を丸呑みしたので断れなくなり本作の製作が行われたのです

東映の期待の大きさが伺えます
従来の任侠映画はマンネリに陥りフォーマットとしての寿命が尽きようとしていると誰もが感じていました

たまたま「仁義なき戦い」が当たり実録ヤクザ映画に形を変えて延命されたのです
でもそこに高倉健の居場所は無かったのです

「仁義なき戦い」は、1973年1月13日の公開でした
新年第二弾作品
こちらは日の出のように人気シリーズとなって行きます

一方、本作は同じ年の暮れの1973年12月29日公開
正月映画ですから大ヒット間違いなしと考えていたのです
目論見通り行けばシリーズ化も考えていたことでしょう

ところが本作はなんというか黒歴史扱いなのです
理由は観れば分かります

高倉健のビジュアルは、一見なるほどゴルゴ13です
納得性があります
さいとうたかおが、断る口実として大スターNo.1の彼の名前を出したにせよ、原作のイメージはやはり高倉健だったに違いないのです
しかし、映画にしてみるとどうか?
これが不思議なことに違うのです

高倉健はゴルゴ13ではないのです

ゴルゴ13はコスモポリタンです
たまたま日本にルーツを持つだけの男

なのに高倉健は日本人にしか見えません
ドメスティックなのです
数カ国語を自在に操れるようにはとても見えないのです

ふとした時に見せる表情は任侠映画の健さんそのままなのです

ゴルゴ13はスーツが似合う胸板の厚みと肩の筋肉がなければならないのに、彼はスーツより着流しが似合う体型なのです
筋肉質でも種類の違う肉付きなのです

高倉健のゴルゴ13は米を主食にして味噌汁を飲んでいるように見えるのです
ステーキを好んで食べて、ブランデーを嗜むようには全く見えないのです

高倉健本人も、演じてみて違うなと思ったに違いないでしょう

オール海外ロケはイランでした
イラン側の俳優の演技は素人に毛がはえた程度
それでも外国である空気はでています
問題は彼らではありません

問題は日本から派遣された撮影スタッフです
撮影隊は日本で撮る陣容そのままなのです
せっかくイランで撮っているのにまったく海外らしさがでていません
照明も、カメラも、監督の演出も昭和の貧乏臭い日本の感覚なのです
テヘランで撮影しているのに、国内のセットにしか見えないのです
もったいない限りです

絵になるイランの古代遺跡や、果てしない砂漠の地平線にもあまり関心がないのです
それでももし、宮川一夫とか、木村大作の撮影ならこんな事にならなかったはず
これらをスタイリッシュに映像に切り取ることができれば、それが本編の撮影や演出にまで波及していったはずなのにと悔しく思います

小石の多いイランの砂漠でのアクションシーンは、まるで特撮ものでよく使う国内の採石場で撮ったかのような塩梅なのです

監督の演出もしかり
イラン側俳優の演技についても、日本の感覚で芝居をさせているからあのような体たらくになったのです

せっかくのオール海外ロケをどう活かすのか?
国際的なアクション映画にどう仕上げるのか?
どのような要素や工夫が必要なのか?
そのような高邁な志など、どこにもみえないのです
そもそも監督がゴルゴ13の本質とは何かとか、デューク東郷とはどういう人間なのかといった掘り下げた考察を全くしていないのは明白です
単に仕事としてしか撮っていないのです

がっかりです
情けないたらありゃしない

それが黒歴史の正体です
こうして高倉健主演のゴルゴ13はこれ一作で終わったのです

しかし、本作が導火線になったのでしょうか
1975年、本作と同じ佐藤純弥監督、高倉健主演で名作「新幹線大爆破」が撮られるのです
高倉健もヤクザ俳優から役柄が広がって、その後の活躍はご存知の通りです

それだけが救いです
本作の意義はそこにあるのかも知れません

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あき240

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