高校大パニック
劇場公開日:1978年8月19日
解説
北九州の名門高校を舞台に、受験地獄を呪う若者達の叫びを描く。学生達の8ミリ自主映画グループ“狂映舎”と日活のスタッフがジョイント製作したもので、製作、原案、監督に“狂映舎”のメンバーが参加している。脚本は「沖縄やくざ戦争」の神波史男、監督は「襲え!」の沢田幸弘と石井聰亙の共同、撮影は「襲え!」の山崎善弘がそれぞれ担当。
1978年製作/94分/日本
配給:にっかつ
劇場公開日:1978年8月19日
ストーリー
どんより雲った北九州のある日、中州高校三年の田中祥二がビルの屋上から飛び降り自殺をした。彼の腕にはしっかりと数学の参考書が握られていた。翌日、中州高校では衝撃の事件に動揺し、名門校の伝統をマスコミ攻撃から守ろうとする校長は、全校生徒に田中の自殺の無意味を説いた。田中のクラス、三年七組は沈黙に包まれたが、担任の数学教師、伊原は何事もなかったように授業を始めようとするのである。城野安弘は伊原の態度に憤激し、殴り倒して学校を飛びだした。茫然と歩く城野は、ある銃砲店の前まで来ると、夢遊病者のように一丁のライフルを手にして、逃げだした。黒光りするライフルを手に、中州高校に向かう城野。その頃、伊原は落ちこぼれを無視するように授業を続けている。突如、城野が教室に飛び込み、「数学できんのがなんで悪い」「殺したるーッ」と叫んで、伊原めがけて撃ちまくった。弾は頭に命中し、伊原は黒板にたたきつけられ、三年七組は、一瞬にして血の惨劇の舞台と化した。警官隊が、県警特捜課長、栗田の指揮のもとに学校を包囲した。城野は学校中を逃げまわり、警官隊めがけて乱射し、その一人に重傷を負わせた。警官隊もついに発砲し、足に弾を受けた城野は、流れる血を見てますます興奮するのである。この事態に、栗田は城野射殺の決断を下す。城野は三人の女性徒を人質に図書室にたてこもった。警察側は友人、教師、両親を呼んで、説得工作に出たが、城野の耳には、世間体ばかり気にするうわついた説得など聞く余地はない。人質の一人、村上美穂子は何故か落ちつき、じっと城野をにらんでいた。彼女は就職希望のせいか、あくせくと授業を受ける生徒達を尻目に、煙草を吸ったり好き勝手にふるまっていた。城野は、初めて話した美穂子に好感を覚え、緊張の中にも安らぎを感じるのである。そして、化学室に移動した城野は、バリケードを作ろうとしたはずみに薬品の瓶を倒してしまい、部屋中に白煙と炎があがった。と、同時に、城野射殺命令が下ったのである。