恋の大冒険
劇場公開日:1970年7月18日
解説
日本映画には珍らしいスラップスティック・タッチのミュージカル・コメディ。羽仁進、山田宏一、渡辺武信が共同で、オリジナル・シナリオを書き、「初恋・地獄篇」「愛奴」の羽仁進が監督した。撮影は「ある兵士の賭け」の奥村祐治、音楽をいずみたくが担当している。別題「ピンキーとキラーズの恋の大冒険」。
1970年製作/92分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1970年7月18日
ストーリー
列車は陽子たちが夢にまでみたあこがれの東京に着いた。でも、陽子たちは忙しがり屋の東京人にただただ驚くばかり。就職先のラーメン会社。くわせ者の社長、迷竹は女性を自分の意のままに動かすことのできる催眠暗示用テープの製造に余念がない。迷竹社長のお目当ては、ファッション・モデルの柚木かおり嬢である。だが、暗示用テープの怪電波に動物園のカバが不眠症にかかってしまった。主治医の獅子野は、恩師自然丈博士と治療にあたったが、相手が怪電波では全く効果なしだった。この獅子野という男、彼こそ、陽子が上京した日、スリを捕えてくれた、陽子一目惚れのあこがれの人であった。そしてテープの秘密を知った陽子はクビ。路頭に迷う陽子に獅子野はTV漫画のアテレコを世話した。陽子は灰色の東京の空がバラ色に見えてきた。動物園に行けば、獅子野に逢えるから。でも、獅子野にはかおりという恋人がいた。陽子の大失恋であった。しかし、そこは持ち前の世話好き。かおりをわが物にせんとする迷竹の悪だくみを知っている陽子は敢然と迷竹に立ち向う決心をした。かおりと迷竹の結婚式、陽子はなぐりこみをかけた。助っ人はカバのザブ吉、このまことに異なるものの出現で、式は目茶苦茶、その騒動のショックでかおりの暗示が解けて、ふたたび獅子野の胸に。素敵な恋のない東京なんか、用はないと汽車に乗る陽子。追いかけてきたのは、なんとカバのザブ吉だ。ザブ吉は叫んだ。「行っちゃいけないよ、陽子そっちに明日はないよ」と。