警察日記

劇場公開日:1955年2月3日

解説

日活入社第一回の坂上静翁の製作になるもので、伊藤永之介の原作を「女人の館」の井手俊郎が脚色し、「母の初恋」の久松静児が監督に当る。撮影は「壮烈神風特攻隊」の姫田真佐久。出演者は日活初出演の森繁久彌、「女人の館」の三國連太郎、「近松物語」の十朱久雄、「忠臣蔵(1954)」の三島雅夫のほか杉村春子、織田政雄、小田切みき、伊藤雄之助、東野英治郎、沢村貞子、飯田蝶子など。

1955年製作/111分/日本
原題または英題:The Policeman's Diary,Part 1
配給:日活
劇場公開日:1955年2月3日

あらすじ

東北地方の田舎町の警察署。署には頑固な石割署長、金子主任、赤沼主任、人情家の吉井巡査、純情な花川巡査、剣道自慢の署長の相手役藪田巡査、倉持巡査等がいる。刑事部屋は毎日様々の人で大にぎわいで、今も窃盗容疑の桃代、神社荒しの容疑者お人好の岩太が取調べを受けている。駅前では戦争で子供達を失くしてから頭の変な村田老人が交通整理中である。ある日吉井巡査は六つ位のユキコと赤ん坊の姉弟の捨子を発見した。預ける所もないので、赤ん坊は料亭の内儀ヒデが、ユキコは自分が引きとった。花川巡査はもぐり周旋屋杉田モヨに身売りされかけた二田アヤを保護したがアヤはお金のためにまた町を抜け出そうとしたので、彼は給料をさいてお金をやった。モヨは人身売買の件で検挙されたが平然としていた。セイと息子の竹雄が万引で捕って来たが彼女は亭主に逃げられたのだった。通産大臣が帰郷し、町長や署長等役人は大騒ぎであった。交通安全週間中だというのに大臣一行の傍若無人な振舞に町の人々は唖然とした。その夜母親シズが二人を引き取りに署へ来たが子供達が幸せと知ると安心し子供の顔を一目見て東京へ去った。セイと竹雄が無銭飲食で挙げられ、セイの夫重四郎も取調べをうけていたが、金子主任にさとされ一緒に帰って行った。花川巡査はアヤから手紙を受け取ったが、中には彼に返す為のお金と真赤な紅葉が入っていた。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.0 昭和30年 貧しいが人情深い

2022年8月23日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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MJoe

4.5 いい映画だった

2022年3月28日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

森繁久彌、伊藤雄之助、三國連太郎、東野英治郎、杉村春子に沢村貞子・・・・、すごい顔ぶれ。
しかし、何と言っても二木てるみの演技が他の錚々たる出演者を食っていた。
戦争が終わってまだ10年。 息子5人を戦争で亡くし精神を病んだ元校長はまだ戦争中。
しかし、周囲がそれを暖かく受容する。
 身売りしなければならない娘、万引きと無銭飲食、子捨て。まだまだ皆貧しかった。
警察はその貧しさに理解を示し、送検を躊躇し、人々の立ち直りを笑顔で見守る。
1955年。わたしがまだ3歳だったその頃は、このようにまだ人情のある時代だったのだろう。

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Ivoryk2

4.0 ほのぼのしていない

2021年12月7日
Androidアプリから投稿

予想に反して、メリハリが効いたドラマチックな内容です。

貧困、淡い恋慕、弟を想う少女、母を見つめる少年、事故、酔っぱらいの役人、騒動…

絡みあう錯綜の渦が良い意味で観る人を裏切ってくれます。

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K・M

4.0 戦後間も無い地方都市の悲喜こもごも

2021年7月22日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

悲しい

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しゅうへい