黒木太郎の愛と冒険
劇場公開日:1977年9月17日
解説
野呂重雄の原作をもとに、松竹退社後、フリー第一作目の森崎東監督が脚本と監督を担当、文句さんとアダ名されるスタントマンの中年男とその家族と友人、映画監督を夢みる若者たちがからみあうホーム・ドラマ。脚本・監督は「喜劇 特出しヒモ天国」の森崎東、撮影は村上雅彦がそれぞれ担当。
1977年製作/110分/日本
配給:ATG
劇場公開日:1977年9月17日
ストーリー
かつては優等生であった定時制高校五年生の伊藤銃一は、他人の足をひっぱることしか考えていないクラスメートを、学校を腹の底から軽蔑し呪っている。銃一には二人の親友がいた。小学校からの友人の公一。もう一人は大学生の勉であった。銃一は学校をサボり、バキュームの仕事をしていた時、ゴメさんと知りあう。そして、ゴメさんの世話で大人のオモチャ屋をしている菊松の家に下宿させてもらっていた。ゴメさんは、黒木太郎の世話でバクチの負け金の取り立てをやっていた。モンキーに似ていることから文句さんと銃一たちが呼んでる黒木太郎は、勉の叔父にあたり、映画のスタントマンをしており多趣味で、たいへんな凝りしょうであった。文句さんのおくさんは、元女優でたいへんな美人であり、また、勉の母親はたいへんな肝ッ玉お母さんで、勉との仲もたいへん良かった。銃一は、万事につけてあけっぴろげのこの家族を、この街を愛していた。彼の夢は、文句さんの奥さんのカムバック映画を作ることであったが、仲々実現できなかった。そんなある時、ゴメさんが死亡。文句さんと銃一の二人は、遺骨を娘さんの吹雪にとどけるのであった。吹雪の家はひどい貧乏で、やっかいな女教師が下宿していた。この下宿人を追い出すのにひと役かった銃一は、その間に彼をたずねて来た父親に会えなかった。そして父親は、手配師や労務者たちにバカにされ、墓地で切腹。そんな父に別れをつげた銃一は、勉の従妹・和美が不良グループと遊びまわっている間にヤクザにひっかかり、ソープランドに売られようとしているという事件が起きていることを知り、文句さんと共に、銃一、公一、勉がヤクザの所にのりこむのであった。