劇場公開日 1977年9月17日

「銃一役の伊藤裕一が良い」黒木太郎の愛と冒険 月野沙漠さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0銃一役の伊藤裕一が良い

2015年11月29日
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鑑賞方法:映画館

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川崎市市民ミュージアムで2015/11/28に鑑賞。
田中邦衛を食った演技をしてた銃一役の伊藤裕一という俳優が良かった。ルックスからかけ離れたような低い声で初めは違和感あったけど見ていくうちにそれは気にならなくなり、不器用で朴訥で真っ直ぐな青年を上手く演じてたと思う。ナレーションの声もやってて実質的に主演だった。気になって伊藤祐一の名前で検索しても別人の俳優しか出てこないので、映画の冒頭で挨拶していたように本当にスタッフが俳優をやらされていたのかもしれない。そう思ってさらに調べたら、マジだった。”当時横浜にあった今村(昌平)さんの映画学校の生徒さん”だそうです。
冒頭で田中邦衛が右翼左翼のデモで警戒中の中、国会やソ連大使館周りを日の丸付けたジープで乗り回し、警官をからかうシーンは痛快でカッコ良かったwそんな破天荒なキャラなのかなと思ったら全般的には頼りになる兄貴的なキャラでした。
田中邦衛演じる文句はスタントマン、伊藤祐一演じる銃一は映画監督志望という設定でしたが、あまり話には関係なく、途中で忘れてましたw
迷惑な女教師役の緑魔子の左右が上下にずれたように見えた目が気になったけど、実際に斜視なんですね。それを逆手に取って魅力にしてたみたいですね。何でもすぐに整形する最近の芸能人と比べて潔いなあ。過去の呪縛を解かれて自分を取り戻した後の演技は別人のように可愛かったね。

政界や財界の下でもがきながら一生懸命生きる底辺の人達の人間臭いドラマでした。

月野沙漠
月野沙漠さんのコメント
2021年5月8日

tws615さん、情報ありがとうございます。TOHJIROさんなら知ってました。ゴンドラも見ました。
しかし、伊藤裕一さんと同一人物とは知りませんでした。驚きです。しかし、あの轟くような響く声は若い頃からなんですね。いや、びっくり。

月野沙漠
tws615さんのコメント
2021年5月8日

銃一役の伊藤裕一は名前を変えて伊藤智生で『ゴンドラ』(86年)を監督。その後にTOHJIROに改名。ウィキペディアでTOHJIROで見れます。

tws615