郡上一揆

劇場公開日:

解説

江戸時代の三大一揆のひとつである郡上一揆を背景に、農民たちの命をかけた戦いを描いた群像史劇。監督は「宮沢賢治 その愛」の神山征二郎。こばやしひろしによる戯曲を基に、「ひめゆりの塔」の加藤伸代と神山監督が共同で脚色。撮影を「宮沢賢治 その愛」の南文憲が担当している。主演は「北京原人」の緒形直人。芸術文化振興基金助成作品。2000年11月11日岐阜県・岐阜CINEXにて先行上映。

2000年製作/112分/日本
配給:映画『郡上一揆』製作委員会
劇場公開日:2000年12月23日

ストーリー

江戸時代宝暦年間(1754年)。出来高によって年貢を変える“検見取り”制度を実施しようとしていた美濃国郡上藩藩主・金森頼錦に対し、八幡城に駆けつけた120余の村々から3千人以上の農民が“検見取りお断り”を強訴した。これに驚いた国家老は、一度は農民の願いを聞くというお墨付きを渡しておきながら、しかし翌年には庄屋らに圧力をかけ強行策に出た。そこで、農民たちは江戸の藩邸へ直訴することを決意。その代表として、四郎左衛門や若い切れ者・喜四郎の他に、最近父親になったばかりの定次郎らが選ばれ出立した。ところが、裁定に結論が出ないまま時だけがいたずらに過ぎていき、漸く村へ帰った定次郎らを待っていたのは力ずくの検見取りだったのである。実力行使する藩と激突し、倒れていく農民たち。この事態に、定次郎らは死罪を覚悟して再び江戸へ赴き幕府へ箱訴する。宝暦8年、幕府は正式に訴状を受理。やがて、郡上幕閣に厳しい処罰が下り金森家はお取り潰しとなるが、定次郎たちも妻・かよらが見守る中、獄門の刑を受けるのであった。

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スタッフ・キャスト

監督
脚色
加藤伸代
神山征二郎
原作
こばやしひろし
製作
大池裕
坂本由之
神山征二郎
プロデューサー
永井正夫
平野寛
撮影
南文憲
美術
春木章
音楽監督
和田薫
テーマ音楽
姫神
録音
福田伸
音響効果
福島行朗
照明
小林芳雄
編集
西東清明
衣裳
川崎健二
久保田かおる
製作担当
森賢正
助監督
南柱根
スチール
佐藤芳夫
特殊造形
高浜幹
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映画レビュー

5.0金沢だと「だちゃかん」だな

2020年6月17日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 「だちかんっ!」と重税に苦しめられた農民は怒りに震える。子どもが生まれたばかりの定次郎(緒方)も農民の代表として江戸へ。直訴は死罪をも覚悟しなければならない。

 序盤から、圧倒されるくらいの迫力の農民たちと、お墨付きを出しておきながら険見取りの強攻策という裏切り行為をする藩主。一旦は村預けとなるが、籠訴と奉られる定次郎。庄屋を利用して取り潰しにかかる金森。そして死を覚悟して再度の直訴。流血革命のような『草の乱』と比べると、正当な手続きを踏んでいる。現在の裁判制度が遅いのは伝統的なものなんだと納得してしまった。

 それにしても、読み書きもできるし学のある百姓にはおそれいった。時代劇によく現れる無能な農民のイメージとは全く違う。信念を持った誇り高き農民の姿が描かれているのだ。

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kossy

3.0従来の農民一揆イメージを変えた

2019年4月22日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:映画館、試写会

泣ける

興奮

当時の農民がこんな闘争を出来た事に驚いた。

一揆と言えばファミコンやゲームの「いっき」しか思い浮かばず
無謀にも竹槍で武士の前に飛び出して行くイメージしかなかったが、
寺子屋で勉強し、あの時代の法律もしっかりと理解した上での闘争。

武士の時代が終わる訳である。

農民は強かなだけではないと言うのが伝わってきたが、お上と言う存在に「成らぬものはならぬ」と物事の本質を理解して命を張れる人間たちがあの時代には居たのに、現代に似たような状況はあってもお上にモノを言えなくなったのだとすれば、今の世の中はちょっと恐い方向に向いているのかも知れない。
試写会では監督はそんな話をしてくれた事を思い出した。

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うにたん♪(DCPにも抜け穴あるんだ)