関東兄弟仁義 仁侠
劇場公開日:1971年9月7日
解説
北島三郎が昨年四月の「新兄弟仁義」以来、久々に主演する。脚本は「懲役太郎 まむしの兄弟」の高田宏治。監督は「極悪坊主 飲む・打つ・買う」の斎藤武市。撮影は「懲役太郎・まむしの兄弟」の赤塚滋がそれぞれ担当。
1971年製作/89分/日本
配給:東映
劇場公開日:1971年9月7日
ストーリー
東京深川、東雲一家の賭場で行われた矢倉清吉と山根勇三の本引き勝負は、息ずまるような熱戦の末、勇三に軍配があがった。長い旅の修業から帰った清吉が、勇三のイカサマを見破りながらも勝をゆずったのは、世話になった東雲一家の金看板に傷をつけまいとする配慮と、賭場をしきる代貸駒井平蔵への友情からであった。渡世内では清吉と並び称される名勝負師勇三が東雲一家の分家筋である浜田一家親分浜田徳次郎の弟源七と組んでイカサマをしたのには理由があった。三年前、イカサマ師を斬った勇三が、その男の女房お桂を案じ、捜した結果、今、お桂は金一を里親に預け州崎遊廓で女郎をしていることがわかり、その身受金をつくるためであった。そんな時、東雲一家二代目関弥九郎は、平蔵に跡目をまかせ二百人の子分を率いて中国大陸へと渡っていった。関東一円に知られていた東雲一家の八幡の賭場の権利を是が非でも手に入れたい徳次郎にとって弥九郎の出世は願ってもない機会だった。一方、肺炎にかかり高熱に犯されながら必死に母の名を呼ぶ金一の薄幸な身の上を知った清吉は、浜田一家の客分勝造と争った末、母子を逢わせてやる。母子の対面に激しく胸を打たれた清吉は、お桂の身受金をつくるべく仲井一家の賭場へ向う。お桂が上海へ売られていく期日が迫り、気のはやる勇三は、自分の命をかけて清吉にサシの勝負を挑むが、再び破れた。殺気立つ二人の仲裁に入ったのは高崎太一郎だった。せっぱつまった勇三は、お桂と金一を逃そうとするが、浜田一家に捕えられてしまった。このことを知った清吉は徳次郎の盃を受けることを条件に重傷の勇三とお桂母子の身柄を引きとった。数日後、不本意ながら浜田一家の子分になった清吉が、平蔵の家を訪れたさい奇しくも弥九郎の戦死の悲報が届いた。平蔵は、清吉の妹のお菊と恋仲の彼の子分小林が、お菊にいやがらせをする勝造を傷つけたことから、その決着をつけるために浜田一家へと向うが、八幡の賭場を手に入れる絶好の機会とばかり、徳次郎は清吉をたて、小林の命と賭場の権利を賭けて、盆ゴザ勝負をやらせる。一家盛衰を賭ける必死の平蔵の前に敗れた清吉は、闇討を命じられるまま平蔵と対峙するが、清吉をかばって倒れたのは傷のまだいえぬ勇三であった。お桂母子、そして清吉らに見守られ勇三は息を引きとる。凄まじい決意と殺気をみなぎらせ単身浜田一家へ殴り込んだ平蔵だが、お菊をたてにした卑怯な源七らの前には手も足もでず無残にも殺されてしまう。清吉の怒りはついに爆発、助勢を買って出た太一郎とともに浜田一家へと乗り込んでいった。