恐喝こそわが人生
劇場公開日:1968年10月26日
解説
藤原審爾の同名原作(報知新聞社刊)を、「博徒解散式」の神波史男、長田紀生、松田寛夫の三人が共同でシナリオ化し「黒蜥蜴(1968)」の深作欣二が監督したアクションもの。撮影は「新宿育ち」の丸山恵司。
1968年製作/90分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1968年10月26日
ストーリー
もともと新宿のチンピラだった村木は、同棲相手のマミとも別れ、お時、野口、関などの昔仲間に会った。たまたま、彼らはバー「アモーレ」のマネージャー川辺が、三河屋と密造酒の取引きをしているのを立ち聞きし、村木は袋叩きにあった。憤然とした村木たちは三河屋をゆすり、十万円をせしめたのだ。そんなことから恐喝に味をしめるようになった彼らは、四ッ葉会という組織をつくり、本格的に恐喝を始めた。ホステスと旦那の手切金の取立て、窃盗車の改造組織のゆすり、売春組織や麻薬組織に対する恐喝と、巧妙な作戦と度胸で、次第に頭角を現わしていった。村木はそんな中で人気女優の夏子との情事に溺れてもいた。ある日、村木は奇妙な事件の現場を目撃した。ホテルの前で政界の大立物に挨拶をしていた田舎親爺然とした男が、何者かに狙撃されかかったのだ。一瞬の差で村木がその男を救った。その男遠藤は無言でその場を去った。ちょうど、現場に居合せた、業界紙の記者奥中は村木に、遠藤は有名な高利貸で、総裁選挙にからんである業者に数億の金を貸しつけた。ところが業者の事業が思わしくなく、官房総長に泣きつき、献金の見返りに莫大な利権を保障するという書簡を書かせた。遠藤は、この念書を押さえたのだが、これを暴露されないよう、大立物が動き出したのだった。そんな時に夏子と、関に去られた村木は、お時と野口と三人で、この事件を洗い始めた。しかし数日後、野口は殺されてしまった。必死になった村木は、拳銃で遠藤を追いつめると問題の念書を手に入れた。村木はすぐさま、政財界の黒幕と取引きを図った。政界と業者のスキャンダルをあばくその念書を、一億円で買いとらせることにしたのだった。翌日、村木は単身、目的の場所へ急いだ。相手が数十人の殺し屋を雇って待ち伏せている場所へ。と一人の通行人が村木に突き当ったと見るや、彼の身体は朱に染って倒れた。村木を秘かに愛していたお時は、その頃必死に彼を探していたが、チンピラから国を揺るがすまでにのし上った村木はその最期の姿を路上に横たえていた。