喜劇 初詣列車

劇場公開日:

解説

前作「喜劇 団体列車」のコンビの舟橋和郎がシナリオを執筆し、瀬川昌治が監督した“列車”シリーズ第三作目。撮影は「出世子守唄」の西川庄衛。

1968年製作/91分/日本
原題または英題:Comedy Train Series: New Year Trip
配給:東映
劇場公開日:1968年1月3日

あらすじ

国鉄の車掌の新作は、妻幸江と、平凡だが幸せな毎日を送っていた。ある日、列車の中で幼な馴染みの美和子と会った新作は、何故か沈みがちな彼女を元気づけた。幼い頃から新作の憧れの的だった美和子は、新潟地震で父母を失い、芸者になりながら、行方不明になった弟の研吉を探しているということだった。新作はそんな美和子のために、何かと相談相手になってやるのだった。ところが、事情を知らない幸江は、そんな新作を見て、浮気をしているのではないかと疑い出したのである。新作はそれに構わず、研吉を探すために四方八方を駆けずり回った。彼は、研吉とは恋仲で、行方知れずになった研吉を探している房子と会った。房子の言葉から、研吉が平凡な生活に愛想をつかしてフーテンになったらしいと知った新作は、前衛芸術家の溜り場、ソープランド、深夜スナックなどを探し歩いた。ある日、彼はついにフーテン姿の研吉を探しあてた。根の正直な新作は、フーテンの心理は理解出来なかったが、ともかくも普通の平凡な生活にこそ、本当の幸せがあるのだと熱心に説き、はては自らフーテン姿になって、研吉の心を理解しようと努めるのだった。一方、幸江は新作が女にもてるはずはない、と思いながらも、やはり心おだやかではなく、新作の弟夏男に頼んで、夫の行状を調べてもらったりした。そんな時、研吉を連れた新作が、フーテンの飲むクスリを飲み、フラフラになって家に帰ってきた。新作の姿に驚いた幸江は、気が狂ったのではないかと泣いたり、医者を呼んだり、大騒ぎを演じた。そこへ新作から、研吉発見の知らせを受け取った美和子がやってきた。美和子から事情を聞いた幸江は、すっかり今までの誤解をといた。研吉も、新作の尽力で鉄道弘済会に勤めることが決った。やがて正月が来た。春に式を挙げることに決った研吉と房子を伴ない、新作夫婦はお伊勢参りに出発した。ちょうど彼らの乗った新幹線の列車の窓からは、二見ケ浦から昇る新年の太陽が望まれた。

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映画レビュー

2.5東映から松竹へ 車掌からテキ屋へ

2025年1月14日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

初詣うんぬんより、当時の新宿西口のワカモノ文化がメインかも。
興行的に当たった列車シリーズは東映のお家騒動の影響で3作目のこれで打ち切りに。マドンナ佐久間良子がさようなら。監督と渥美清は松竹に移籍。
なんとなく全体にインスタントで粗い。
うぶな寅さんのキャラは東映の列車シリーズでほぼ完成されてる。妄想、夢オチも。
松竹は棚ぼただったかも。
最後の富士山のカット。頭の中では松竹映画の文字がかぶってしまいました。

小松政夫と佐久間良子が姉弟。
佐久間良子は先生から新潟芸者役。
楠トシエは西村晃と夫婦役。
渥美清と川崎敬三が兄弟役。
中村玉緒が渥美清の奥さん役。
川崎敬三が中村玉緒に馴れ馴れしくて、妙に親密なので、実の弟かと思ったら、義理の姉さん。こっちのほうが、佐久間良子と渥美清よりずっと怪しいカンケイにみえてしまう。
娘役の子役がなかなか達者。
財津一郎、大泉滉、若水ヤエ子(ぽん太)が懐かしかった。
出来たばっかりの新宿西口の排気口も。
フーテン族たちのアングラライブハウスのコント場面がものすごく恥ずかしい😅

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カールⅢ世

3.0寅さん(渥美清)にこんなシリーズがあったんだ、知らなかった。しまっ...

2025年1月11日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

寅さん(渥美清)にこんなシリーズがあったんだ、知らなかった。しまった、第1作だけ録り忘れている。仕方ない、最終作から逆流だ。
ドタバタ+プチエロ、あんまり面白くない。芸者間違いくらいか。佐久間良子が以降の出演を拒否したのも無理はない(笑)
No.1美女、城野ゆきさん。BS松竹東急

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はむひろみ

3.0団塊世代の消長が新宿西口の建て替えという形で制作陣が全く意図していないのに結果としてそういう映画になっています

2025年1月4日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

喜劇 初詣列車
列車シリーズ第3作というか最後の作品
タイトルに関わらずあまり正月らしさはなく正月に観ても肩すかしです
寅さんシリーズが正月光景を良く撮影しているのとは大違いです
お話も大して面白くもありません
列車シリーズも本作で最後になるのも仕方ないなという作品です

見所は中盤に登場する新宿西口ロータリー からのシーン
ロータリーは1966年11月に完成したばかり

背後にそびえる小田急百貨店は同年6月の開店
今は建て替え工事中で何にも無くなっています
高層ビル群はどれもまだ建設前で1 棟も建っていません
そんなエネルギー溢れる新宿の若者文化を撮影しているシーンが一番の見所です
団塊世代の消長が新宿西口の建て替えという形で制作陣が全く意図していないのに結果としてそういう映画になっています

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共感した! 2件)
あき240

4.0当時の風俗描写がうれしい

2024年12月28日
Androidアプリから投稿

1968年の作品というから、かれこれ57年前の流行や生活ぶりが克明に描かれるので、一気に当時27歳の自分に戻った気分で楽しめた。
スキー列車の混雑ぶり、変なアクションペインティングやグループサウンド、トルコ風呂、細かいところでは表札の横に張ったNHKと書かれた小さな金属プレートなど、あぁあったあったとすべて懐かしい。
渥美清と佐久間良子が主役ではあるが、続々と登場する脇役たちの名前もほとんど知ってる、あぁ懐かしい、しかもみんな若く、ぴちぴちツヤッツヤではないか。
よき時代のよき喜劇。
こうした作品は、年を重ねるほど、文化財として、資料的価値も増す、貴重な一作といえるだろう。

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共感した! 3件)
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