哀しい気分でジョーク

劇場公開日:

解説

人気コメディアンの父親と、脳幹部脳腫瘍に侵された息子との愛情を描く。脚本は「必殺!」の吉田剛、監督は「トルコ行進曲 夢の城」の瀬川昌治、撮影は「化粧」の坂本典隆がそれぞれ担当。

1985年製作/108分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1985年4月27日

あらすじ

ラジオやTVの司会者として売れっこのコメディアン・五十嵐洋は、妻に逃げられ、現在は、東京・麻布の高級マンションで息子・健との二人暮らしをしている。だが、仕事の多忙さのせいにして、健のことは一切マネージャーの善平に任せていた。ある日、善平が健の様子がおかしいので医者に呼ばれていると洋に告げた。その医者から洋は、健が脳幹部脳腫瘍という病気に侵されており、あと数カ月の命だと知らされる。この日から洋は、仕事の量を減らし、家庭での時間を増やしていく。そして、優秀な脳外科医を捜しだすが、彼から手術の成功の確率は少ないと言われ、手術をあきらめ、健に残された日々を充実させようと決心した。事実を知った回りの人々、DJの相棒・悠子、プロダクションの社長・六助たちは、洋に協力をする。だが、彼は仕事に打ち込めずに評判を落としていく。また、美人局・リヨ子にひっかかり、恐喝され大金を巻き上げられてしまう。すっかり落ち込んだ洋だったが、健との約束である別れた妻・美枝のいるオーストラリアへ健と共に旅立った。しかし、その旅費も社長に頼み込んで、自ら興行権を売って作ったのだった。シドニーに着いた洋と健は、美枝が勤める会社を訪ねる。そこで彼らは、美枝が再婚することになり、その結婚式が明日に迫っていることを知らされる。そして、美枝の住む家へ急行するが、幸福そうな彼女と再婚相手、その娘の姿を遠目に見て、声もかけずに引き返す。その日の夕方、健は洋に自分の病気について知っていたと打ち明けた。帰国する日、東京へ向かうジェット機内で健は意識を失っていく。洋は健の好きな「グリーン・グリーン」を歌おうとするが、歌詞もメロディも判らない。そして健は永遠の眠りについた。数カ月後、何もなかったかのようにステージで熱唱する洋の姿があった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第9回 日本アカデミー賞(1986年)

ノミネート

話題賞 作品部門/俳優部門 ビートたけし
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映画レビュー

3.0懐かしいたけしさんに再会

2025年5月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波

アイドルばりに歌で会場を沸かしていたなぁと思い出しました。
勢いのある芸人は何をしてもcool!

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jiemom

3.5とんでもない拾いものだった

2025年4月29日
PCから投稿
鑑賞方法:TV地上波

コメディアン・TV司会者として「たけし」の全盛期である85年に作製された映画。タレントの名前に頼ったという当時の評価であったと思う。

しかし、今になって観ると、二つ驚いたことがあった。
まず、話題作に俳優としての出演はあったが、「たけし」が初期主演作の一つとして本作品にでたことが、その後の「北野武」としての監督作品に結びついたのではないかと思われること。プログラム・ピクチャーを数多く手掛けてきたヴェテラン監督瀬川昌治さんを知ったことが大きかったのでは。たけしの能力を開花させるためにも、監督のサイドから、映画を作る作法を知る必要があった。確かに、父と子の間のストーリーには、ある普遍性を感ずるが、この映画では協賛にJALとオーストラリア政府観光局の名前があった。こうした援助を絡めて、映画を展開することが、瀬川さんの真骨頂だった。お作法を知った上で、それを壊してゆくことこそが、「北野武」の任務であったと思う。それにしても、ベートーヴェンの「悲愴ソナタ」や、グレン・グールドのブラームスを取り上げたのは、音楽を担当された「いずみたく」さんだろうか。

もう一つは、この映画の中で、コメディアンとしての「たけし」の本音が語られていたことだ。彼の
「不真面目を真面目にやることはできるが、真面目を真面目にやることなんてできない」
というセリフには、驚かされた。その結果、彼は奥さんや周囲に散々、迷惑をかけてきたのだと思う。

「北野武」は本質的には真面目な人間である。素質の上では、彼の両親やお兄さんに、それは明らかであるし、彼自身、数学への指向性は半端ではない。決して器用な人間ではないが、演技も、この映画に出てきた歌も、後、有名になるタップダンスまで、血の滲むような努力の結果として、一通りこなしている。彼が一番、優れているのは、彼独特の感性に根ざしたアイデアが噴き上がってくることだ。それが、漫才、テレビ番組の企画・進行、映画の制作・演出でも明らか。ただ、毒舌、悪ガキのいたずら、暴力の影に隠れているので、必ずしも他の人には見えず、理解されないのだ。その秘密が垣間見えた映画だった。確かに、劇場に行ってまで観る映画ではないかもしれないが。

そういえば、89年以降の「北野武」監督作品だって、淀川さんに激賞されるまで、お笑いタレントが手を出してと、散々揶揄されていたっけ。

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共感した! 1件)
詠み人知らず

3.0まあね👏

2022年6月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波

泣ける

笑える

名作とは言い難いが、たけしの存在感は面白いと思う👍

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ヒックス伍長

3.0ヤング柳沢慎吾の声が南海山里にそっくり。

Nさん
2021年12月6日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ヤング柳沢慎吾の声が南海山里にそっくり。

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共感した! 0件)
N

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