湖の琴

劇場公開日:

解説

水上勉の原作を「沓掛時次郎 遊侠一匹」の鈴木尚之が脚色し、「冷飯とおさんとちゃん」の田坂具隆が監督した文芸もの。撮影はコンビの飯村雅彦。

1966年製作/130分/日本
原題または英題:The Harp of the Lake/Koto-The Lake of Tears
配給:東映
劇場公開日:1966年11月13日

ストーリー

若狭の山奥の貧農の家に生まれた栂尾さくは、糸とり女として親許を離れはるばる賤ケ岳の西山集落へやって来た。そこは三味線糸や琴糸の名産地で、そこで生まれる糸は人間の悲しみや喜びの涙で出来たという余呉湖の水で洗われるから、いい音色を出すと言われていた。さくの働く家の主人喜太夫もその妻鈴子も同僚たちも皆親切であった。それに同郷の男衆松宮宇吉がいて、難しい仕事を手にとるように教えてくれた。さくも宇吉の好意に感謝し、またふたりはいつしか慕いあうようになっていた。ふたりの想いが静かに燃えあがろうとしていた矢先、宇吉が兵役のため金沢へ行くことになった。さくは喜太夫夫妻の思いやりもあって、入営の日宇吉を駅まで送った。宇吉が去って間もなく、京都の有名な長唄師匠桐屋紋左衛門が糸とりの見学に来た。紋左衛門は、女衆に混って下働きに出たさくの観音像に似た美しさにうたれ、「夕顔観音」と題して曲に収めた。その上さくを京都に連れて帰りたいと言い出した。さくは彼の突然の申し出に、いつかは西山に戻ってくる宇吉のことを思い躊躇したが、喜太夫夫妻の勧めもあって京都行きを決意した。紋左衛門の三味線の稽古は厳しかったが、不断はとても親切であった。そして宇吉が兵役を解かれて帰って来た。彼は休日を利用してはさくを京都に訪ね、さくも宇吉に逢える日を楽しみにしていた。そのことが紋左衛門には堪えられず、ある夜ついに師弟の間柄を越えてしまった。さくは突然西山の宇吉の前に現われると、何も言わずに泣き出した。その夜さくは宇吉と結ばれると姿を消した。さくは宇吉が贈った琴糸で自殺していた。宇吉はさくの体を清めて背負うと余呉湖へ向った。夕焼けが消え月が湖面に輝いていた。宇吉はさくと一緒に身を投げたのである。

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スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.5田坂具隆×水上勉×佐久間良子=名作 その弐‼️

2024年10月17日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

泣ける

悲しい

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「五番町夕霧楼」と同じく、水上勉の原作、田坂具隆監督、佐久間良子の主演で描いた名作‼️若狭の貧しい農家に生まれたさくは、生活のため琴糸の産地・西山へ糸とりとして連れてこられる。そこでさくは男衆の宇吉と恋に落ちる。しかしそんな矢先、宇吉は兵役を課せられ、さくは京都の三味線の師匠に見初められ弟子入りすることになる・・・‼️佐久間良子さんのあまりの美しさが情感を盛り上げる悲恋ドラマ‼️余呉の湖や若狭の風景の美しさ、京都の町並みの情緒も素晴らしい‼️糸とりだけに蚕の糸が揺らめくようなシーン、カットが多用されていて、ホントに美しい‼️田坂監督の演出は感じ良く格調高いんですけど、三味線の師匠を演じる中村鴈治郎さんのイヤらしさは天下一品‼️

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