いつかギラギラする日

劇場公開日:

解説

現金強奪後、仲間割れした男女の姿を追うピカレスク映画。脚本は「女がいちばん似合う職業」の丸山昇一、監督は「華の乱」の深作欣二、撮影は「病院へ行こう」の浜田毅がそれぞれ担当。

1992年製作/108分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1992年9月12日

あらすじ

うらぶれた産婦人科から出て来た女・美里の肩を抱いた神崎は、10年来の愛人である美里に「また仕事を始める」とつぶやいた。昔の仲間で現在うつ病で入院中の井村に話を持ちかけ、2人そろってこれも昔の仲間である北海道の柴のもとへ飛んだ。待ち受けていた柴は30歳年下の麻衣と同棲しており、2人がよく出掛けるディスコのマネージャー、角町が今度の仕事の仕掛け人だった。角町は自分のライヴハウスを持つために5千万円を必要としていたのだ。計画は洞爺湖の温泉ホテルの売上金2億円を運ぶ現金輸送車を襲うというもので、角町が加わることに神崎は難色を示したが、計画は実行され成功、4人は廃屋になっているレストラン跡にたどり着いた。しかし2億円入っているはずのジュラルミンケースにあったのは、たった5千万の現金だけだった。イラつく角町、失望の井村をよそに神崎がそれを4等分し始めたとき、切羽詰まった井村が血迷い、銃を片手に狂ったように札束をかき集め始めた。そんな井村を神崎が諭した瞬間、角町が銃を発射、井村は即死し、柴も重傷を負った。柴を背負いからくも逃れた神崎は、身を案じて廃屋へやってきた美里の車で現場を離れた。柴は計画を知る麻衣を角町が襲うのではないかと案じたが、実は麻衣は柴を裏切り角町と組んでいたのだった。麻衣は角町が現金を独り占めするため彼女を襲いに来るのを察知し、逆に角町から現金を奪う。その頃札幌に戻った神崎は、角町の周辺を調べるうち、角町が室蘭のヤミ金融から多額の借金があることもわかった。突然神崎のもとに麻衣から5千万を返すとの電話があり、指定の場所に出掛けたが、麻衣はショットガンを向けてきた。角町までもが銃を乱射しながら車で襲って来る。罠にはまった神崎は海中へ沈み、なんとか一命だけは取りとめアジトへ戻るが、重傷だった柴はついに帰らぬ人となった。そして函館のライヴハウスのオープンの日、怒りを押し殺した表情の神崎、ヤミ金融のヤクザ連中と殺し屋の野地が見つめる中、浮かれる角町と麻衣が現れた。神崎はライヴハウス前の路上に爆発物を仕掛け、付近を混乱に陥れる。警察をも巻き込み、神崎、角町、麻衣、野地らのカーチェイスが始まった。途中、角町はバスをジャックするなどエスカレート、麻衣はマシンガンを乱射するが、野地の凶弾に倒れ、野地も角町に倒される。ついに神崎と角町の一騎打ちとなり、夜の波止場で角町の車が横転、観念するふりをして神崎を倒そうとするが、逆に神崎の逆襲に遭いその若き命を散らした。そして取り囲むパトカーの群を乗り越えようとした神崎も車もろとも海に沈んだ。後日、金融街を走るバスの中には次の標的をさぐる神崎と美里の姿があるのだった。

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スタッフ・キャスト

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受賞歴

第16回 日本アカデミー賞(1993年)

ノミネート

作品賞  
監督賞 深作欣二
脚本賞 丸山昇一
助演男優賞 木村一八
助演女優賞 荻野目慶子
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映画レビュー

4.5深作監督の意欲作、ここにあり

2020年8月10日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

クセの強すぎるキャスト陣のアドレナリンが放出されまくる、深作欣二監督の意欲作。
北海道・函館観光をしたことのある人なら分かるはずだが、現在では観光のメッカであるベイエリアで信じられないようなカーアクションを展開している。ショーケンの匂い立つような色気、もっともっと見ていたかった。
また、劇中でミュージシャンとして出演していた恩田快人と知り合い、後に「JUDY AND MARY」を結成することになるYUKIがエキストラとして参加している。

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大塚史貴

2.5盆と正月いっしょに来たよなてんてこ舞いの忙しさ

2025年5月14日
スマートフォンから投稿

前半は快調に飛ばす。
現金輸送車から強奪する。アクション映画はすごいな。時間が経つのが早いわ。
しかし、金額が違った。
2億円奪ったつもりが5千万しかなかった。分け前の4分の1がさらに4分の1になる。
仲間割れが起きる。
流れ者の一人働きは単身、組事務所に乗り込んでいく。
組織と戦う。組織が追う若造と戦う。警察が大挙してやってくる。
県内の署にはもう誰もいないだろうというほどの人数とパトカーの数だ。
シッチャカメッチャカの大騒動が始まる。組員たち、警察、若造、主人公。史上空前のカーチェイスと銃撃戦。大昔のギャグを使うなら、もうムチャクチャでござりまする。
そしてショーケンのラストダンス。銀行の看板を恋人と見ながら、心に沸き立つものを感じる。このエンディングは最高だ。
たが、ここに至るまでの後半は、ナンダコレハ である。
ところが、このナンダコレハ がレビュアーの間で評判がいい。それこそナンダコレハである。
ここが好みの分かれ目かもしれない。徹底的に娯楽が好きな人とリアリズムを求める人。見方によるかなあ。

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ぶっち

3.0ハリウッド映画には及ばない…

2024年7月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

怖い

単純

興奮

「チーム奥山」の第一回作品で「日本でハリウッド映画的な物を創りたい」という
信念で集まったチーム。
…で、感想を言えば、やっぱり製作費で低予算な日本映画ではハリウッドは
超えられないという感じ…全体的に絵の構図はハリウッドに似せているが、
どうしても地味な感じが否めない…
バブル崩壊後を象徴して、2億円強奪であった計画が5000万円に価格が
下落したのが特徴的。
億単位を奪い合うのなら分かるが、5000万円を奪い合うのに20人以上の者が
銃撃戦をやるのに、リアリティーを感じられない…
その辺は、途中で脚本を変更できなかったのであろう…
映画館で1度観て、ビデオなどで2度・3度観る気はしなかった…

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777

3.5途中までは相当面白かったが

2021年10月15日
PCから投稿

クライマックスに入る手前ぐらいから大失速した。こういう話は鈴木則文監督が得意だから他の監督がやるとマネしたみたいになっちゃうね。

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タンバラライ