あこがれ(1966)

劇場公開日:

解説

木下恵介の原作を松竹から木下プロに移った山田太一が脚色、「女体(1964)」の恩地日出夫が監督した純愛もの。撮影は「ここから始まる」の逢沢譲。

1966年製作/85分/日本
原題:Once a Rainy Day
配給:東宝
劇場公開日:1966年10月1日

ストーリー

母親が再婚するため「あかつき子供園」に預けられた一郎は、平塚の老舗でセトモノ屋の吉岡家に貰われ、立派な若旦那に成長した。しかも、“貰い子”とも思われないような親子仲の良い家庭で、両親は一郎の嫁探しで懸命であった。一郎が十九歳になった信子と再会したのは、ちょうど、このような時期であった。信子も「あかつき子供園」の出身で、一郎とは特に仲の良い子供であった。幼い頃を懐しむ二人は、子供園を訪れ、二人の親代りともいうべき先生水原園子に逢い、楽しい一時を持った。信子には酒飲みの父親恒吉がいて、信子の勤め先に現われては前借りをして行くので信子は勤め先を転々と変り、いま平塚に流れて来たということだった。毎日のように逢う二人はいつしか愛し合うようになった。しかも一郎は、信子との結婚を決意、そのことを両親に打開けた。この一郎の話は父親の怒りを買った。それを知った信子は、一郎の家庭を思い、勤め先を平塚から横浜に変え、一郎のもとを去った。一郎の悩む姿に母親は“もう一人の子供が出来たと思えばいいじやないですか”と父親をといた。そんな時「あかつき子供園」に一郎の生みの母親すえが訪ねて来た。再婚した先の家族と共にブラジル移民で出発することを告げに来たのだ。園子からこの知らせを聞いた一郎の両親は、逢うことを遠慮する一郎に“生みの親に逢いたくないなんて人間じゃない”と励まし、一郎を横浜大桟橋へ送り出してやるのだった。園子はまた横浜にいる信子にもこの事を知らせた。出発間際の桟橋で、一郎はやっと船の上から一郎を探すすえを見つけた。“一郎ッ”“お母さん”と呼び合う親子を包むテープの嵐--そこへ信子も園子先生もかけつけた。

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映画レビュー

4.0まずは内藤洋子の可憐な容姿とはミスマッチなドスの効いた声にビックリ...

2024年4月11日
Androidアプリから投稿

まずは内藤洋子の可憐な容姿とはミスマッチなドスの効いた声にビックリ。
新珠三千代の美声&美しい発音とは対照的。
デビュー前から基礎力を高めた女優より、可愛けりゃオッケーなアイドル時代の始まりかもだが、内藤洋子は下手ではない。ちょっと間を外した感じの喋り方は、現在主流のナチュラル演技に通ずるものがある。
そしてどっからどう見てもフォトジェニー。
こんなん誰でも好きになるでしょ。
新時代のスター誕生の輝きは、今も観てもしっかりリリースされています。
しかし、何故かカメラは内藤洋子より、眉目秀麗だが棒演技の田村亮にくぎ付けです。
勝ち気な少女と気弱な青年設定の2人は、お似合いなんだか、合わないんだかよく解らない感じ。
すでにふぞろいの実が受粉されております。
撮影現場でも、気の強い内藤より、自信無さげな田村君を、みんなで守ってあげたくなっちゃったのかも。
それぐらい、美しさでも田村君、内藤洋子に負けてません。
おとぎ話のような他愛ないストーリーではありますが、かのヒロインはその後、貴族の青年に見初められ結婚。
美しいプリンセスが生まれますが、プリンセスは稀代の悪女に。
氷点以上に過酷な現実が待っているなんて。

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こうた

2.0林寛子

2018年10月20日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 少女時代の号泣する信子を林寛子が演じていた。自然に涙を流せる子役ってすごい。当時アイドルだった内藤洋子とその後のアイドル。それを若き田村亮が上手くからむ(といっても、若い頃は演技が下手・・・)。やはり内藤洋子が上かもしれない。

 施設のほうでは水沢先生が2人の仲を不幸になるだけだと心配していた。ひょっとして2人は兄妹?と想像してしまう(全くのストレートだったけど)。そんなある日、一郎の生みの母がブラジル移民するため最後に一目会いたくなり施設を訪ねるが「もう親ではない」と念をおされる・・・ちょっと説明調のところが気に入らないけど、音羽信子の寂しさが伝わってくる。

 結婚は反対だとか、このまま別れても平気なのかとか、ころころ教えが変わる水沢先生の設定が面白くないし、園長先生の母親に対する冷たい態度もどうかなぁ~と感じてしまう。しかも、レストランで働く信子を職業の貴賎だけで判断していることに納得がいかない。原作は木下恵介だというのに、この脚本は好きになれないかも・・・所詮はアイドル映画だったってことですね。

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kossy
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