あ・うん

劇場公開日:

解説・あらすじ

向田邦子の同名小説を高倉健主演、降旗康男監督で映画化。昭和初期の東京・山の手を舞台に2人の男と1人の女が織り成す人間模様を美しい映像で描き出す人間ドラマ。中小企業社長の門倉と安月給のサラリーマンの水田は性格も境遇も対照的ながら友情で結ばれていた。しかし門倉は水田の妻たみのことを密かに思い続けていて……。17年ぶりに銀幕復帰した富司純子(旧芸名・藤純子)、坂東英二が共演。

1989年製作/114分/日本
配給:東宝
劇場公開日:1989年11月3日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第13回 日本アカデミー賞(1990年)

受賞

助演男優賞 板東英二

ノミネート

作品賞  
監督賞 降旗康男
脚本賞 中村努
主演男優賞 高倉健
主演女優賞 富司純子
助演女優賞 富田靖子
助演女優賞 宮本信子
音楽賞 朝川朋之
新人俳優賞 真木蔵人
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映画レビュー

2.0俳優とドラマの中の人物とのミスマッチ?

2025年4月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

以前、やはりTVで観た記憶があるが、
詳細については忘却の彼方だったことや、
不倫まではいかないとしても、
誰にでもあるであろう伴侶以外の異性への
想いを描いた作品ということで、
自らの胸に手を当てて再鑑賞してみた。

己の果たせなかった異性への想いを、
同じ経験をさせたくないとして、
その娘の想いを遂げさせようとする
ラストシーンでのテーマへの集約性の狙いは
分からなくもないが、その前提になるのは
あくまでも“忍ぶ”想いだ。
しかるに、本来はそんなキャラクターに
ピッタリのはずの俳優をキャスティング
しながら、
やたら陽気に振る舞ったり、
照れ隠しのためとしたいのか、
“忍ぶ”想いとは懸け離れてしまった男女二人
の描写は残念と言うしかないし、
温泉での夫婦が間違えられるエピソードや、
想う人妻を泣かせたくないから
親友の浮気相手を囲うとした点も、
この作品のテーマの補強のつもり
なのだろうが、
高倉と富司二人のキャラクターからは
懸け離れ浮いてしまったギャグのようにしか
感じられなかった。
しかも、本来は、想いを寄せる人に会わない
とする決心のために
親友を怒らさせたはずなのに、
三木のり平扮するスリに言われて、
簡単に翻意して彼女に会いに行く設定など、
一貫性を感じられない展開に
安易さを感じる。
果たして向田邦子の原作は
どうなっているのだろうか。

せっかく高倉健と富司純子という、
“忍ぶ”に相応しい俳優を配しながら、
彼らの俳優気質から遠く離れて見えるのは、
そもそものミスキャストなのか、
配役に応じた改変が不充分な脚本
の問題なのか分からないが、
残念に思わされた作品だった。

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KENZO一級建築士事務所

4.0高倉健、富司純子が主演する映画となればヤクザ映画を即イメージしますが、芸者はでますがヤクザは一人も登場しません

2025年3月7日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

あ・うん

高倉健、富司純子が主演する映画となればヤクザ映画を即イメージしますが、芸者はでますがヤクザは一人も登場しません、全員真っ当な堅気の人間ばかりです
なので東映ではなく東宝の映画です
高倉健、富司純子の黄金コンビ主演の映画はたぶん1972年の富司純子引退記念映画 関東緋桜一家以来で17年ぶりです
物語の時代も昭和残侠伝の昭和初期でほぼ同じ頃の設定です

この二人の出演なれど、いつもの雰囲気の映画では全然違うので、肩すかしを食らった気分です
ところが、映画が終わってみると、これは確かに健さんや富司純子の映画を観たとという満足感があるのです

タイトルを漢字で書くと阿吽だそうです

辞書によると、 「梵字の12字母の、初めにある阿と終わりにある吽。密教では、この2字を万物の初めと終わりを象徴するものとし、菩提心と涅槃などに当てる」とあります
また、「仁王や狛犬などにみられる、口を開いた阿形と、口を閉じた吽形の一対の姿」のことや、
「吐く息と吸う息。呼吸」などとあります
転じてあ・うんの呼吸という言葉の方が一般的ですね
互いの気持ちや息がぴったりと一致していることです
本作では門倉と水田の戦友という間柄がそれを意味しています
どけども門倉、水田の2組の夫婦があ・うんの呼吸とはいえません
たみと門倉の間も気は通じていてもそこまではとてもとても
本作はやはり元プロ野球選手の板東英二につきます
彼でなければ成功しなかったとおもいます
数々の映画賞で助演男優賞に輝くのは当然の名演です
上手い下手で言えば下手なのですがなんとも味わいがあるのです
これを演技の上手い劇団出身の俳優がやっても嘘ぽくなるだけです
本作以後四十七人の刺客や鉄道でも高倉健さんと共演されて活躍なされたのはご存知のとおり

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あき240

4.5一番大切なものって言わないものなんでしょう?

2024年7月7日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

愛欲よりさらに上位の倫理観。
個人主義のはびこる現在の方がより重く感じるのでは?
板東英二のクソ標準語を打ち消す全員の演技
木村大作による信じられないような美しい絵。
日本人から失われた観念とは?
90点

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neonrg

4.5まさに富司純子のためのあうん・・・

2024年6月19日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

悲しい

楽しい

久し振りに完成された写真を見た。映画としての表現も秀逸。引いてよし寄せてよし、カメラマンが撮りたくなる様な絵面を引き出す俳優陣。破綻なくうねる事もないが確実に小さな波動が時間を愛でるような映画作品であった。高倉健に富司純子、障子に鴨居、雪に寒椿・・・日本人が美しいと思う日本の美しさがその所作と共にここにある。人と人とが、神と人とが、女と男が、妻と夫が・・・何とも言えない阿吽の間合いで佇む時と間を描いた作品であった。絶対的自信を持ってのお薦めの一幕。富司純子の仕草がとにかく美しい・・・これだけでも見る価値がある。

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mark108hello