ミルコのひかり

劇場公開日:

ミルコのひかり

解説

「輝ける青春」などを手掛けたイタリア映画界屈指のサウンド・デザイナー、ミルコ・メンカッチの幼少時代の実話を基に、盲目の少年が“音”を通して新しい世界を見つけ出すまでを描いた伝記ドラマ。映画を愛する10歳の少年ミルコは、思いがけない事故で視力を失ってしまう。全寮制の盲学校に転校させられ、周囲に心を閉ざすミルコ。そんな彼に再び希望の光をもたらしたのは、1台の古ぼけたテープレコーダーだった……。

2005年製作/100分/イタリア
原題:Rosso come il cielo
配給:シネカノン

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映画レビュー

4.0目を閉じていたら見ることを忘れてしまいそう

2020年12月19日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 テープレコーダーに興味を持って、何でも録音してしまう・・・自分が10代の頃にやってたことと同じだ。などと、不思議と懐かしさまで感じてしまいましたが、純粋さでは負けている自分に気がつく。ミルコは目が見えないから素晴らしい音響編集ができたんじゃなく、音が与えてくれる直観力や想像力を信じていたからだろうな・・・

 実話を元にしたドラマ。実際に『輝ける青春』などの映画でサウンドデザイナーとして活躍するミルコ・メンカッチの少年時代を描いています。不慮の事故で視力を失ったトスカーナに住む10歳の少年ミルコ(ルカ・カプリオッティ)がジェノヴァの全寮制盲学校に寄宿することになった。わずかながら視力が残されていたせいもあって、学校には馴染めず、ある日古いテープレコーダーを見つけたことから録音マニアぶりを発揮。管理人の娘フランチェスカも手伝って音だけのドラマを作り始めた・・・

 風の音、指を叩く音、等々繰り返し録音し、テープカッティングまでやってのける。点字の定規なんかを使って作業する光景なんて微笑ましくもあり、ここにも古いしきたりに反発する気持ち表れていた。もともとミルコは映画が好きな少年であり、生まれながらにして目の見えない同級生にも映画の魅力を教えてあげるほどなのです。事故の前には『続・荒野の用心棒』を観ているし、同級生たちとはコメディ映画を楽しんでいた。35歳で学校に入学した金庫破り・・・タイトルが思い出せないけど、面白そう~

 1975年までは盲人は一般の学校に入れなかったという社会的背景もあって、クライマックスの音の舞台劇よりもデモ隊を学校前に集めたシーンに力が入ってたようにも思えます。感動を与えてくれるのはミルコではなくジュリオ神父だった!というサプライズ(と感じた)があったのです(その前のおばちゃんの助言もよかったのだ)。もちろん一番泣けたのは故郷に帰ってからでしたけど・・・

【2008年2月映画館にて】

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kossy

4.5心が揺さぶられた。

2008年11月28日

泣ける

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GB

4.0音と映像の絶妙な表現

2008年6月17日

泣ける

楽しい

興奮

 テープレコーダーで集めた音の物語。
 シャワーの音は雨の音に、手のひらを指で叩くと滴が落ちる音に、唇を鳴らして蜂の羽音に……。
 それらを繋げると、雨が上がって、蜂が花に舞う、みずみずしいストーリーができ上がったのです。
 鮮やかな映像のイメージが立ち上がり、ぞくぞくするほどの感動を覚えました。

 空のドラム缶を吹くと竜の鳴き声に、工場の機械の音が恐ろしいお城の轟音に、ミルコは様々な音を創造していくのです。
 目をつぶっていても、生き生きとした世界が繰り広げられていきました。

 この映画は、音の美しさを教えてくれると共に、枠に捕らわれず可能性にチャレンジしていく、自由な精神の発揚を描いています。

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シンコ