ルネッサンス 劇場公開日:2007年7月14日
解説 ある誘拐事件を追う警部が人類の未来を左右する巨大な陰謀に巻き込まれていく姿を、コントラストの効いた斬新なモノクロ映像で描いた近未来SFアクション。発展と荒廃が混在する2054年のパリで、医療関連企業の女性研究者イローナが何者かに誘拐された。捜査を開始したカラス警部は、イローナが子どもを襲う早老症の治療を研究していたことを知る。主人公カラス警部の声を務めるのは「007/カジノ・ロワイヤル」のダニエル・クレイグ。
2006年製作/106分/フランス・イギリス・ルクセンブルク合作 原題:Renaissance 配給:ハピネット、トルネード・フィルム
スタッフ・キャスト 全てのスタッフ・キャストを見る
× ※無料トライアル登録で、映画チケットを1枚発行できる1,500ポイント をプレゼント。
2021年9月18日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
新世代映像“デジタル・モーション・グラフィック”を体験してきました。モーション・キャプチャーの俳優名もクレジットされていたし、登場人物の動きはとてもリアル。ゼメキスがやってのけたアニメから彩度を無くしてしまっただけなのか?と考えてもみるのですが、主役級の人はみなアメコミキャラのようなマンガチックさが感じられるのです。 近未来の映像は、『マイノリティ・リポート』に出てきたようなハイテク機器がみなモノトーンになっているし、ホログラムや透明化する人間(ステルス・スーツ?)が不気味に映像に溶け込んでしまっている。監督が『AKIRA』(じいさんと早老病)や『GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊』の影響も受けていると語っているし、『ブレードランナー』や『シンシティ』にも雰囲気を似せてある。また、1950年代のフィルム・ノワールを基本にして、現代社会の不安要素を浮き彫りにさせているため、人間の温かさはなかなか感じられない。被害者の姉ビスレーンやムラー博士に感情移入させることだってできたのに・・・ 2Dの絵に欠かせない輪郭の線。それを排して、光と影が3D感を一層高めてくれる。そして、この輪郭の欠如が不安感を煽り、サスペンス度をも増しているのです。唯一人間の温かさが感じられるのは、老人たちの皺の影だったりするのですが、不老不死を求めてやまない女性研究員と対照的なのが面白い。不老不死を悪事に利用するという敵の存在よりも、人間らしく生きることの大切さを訴えているかのようでした。監督は言及してなかったようですが、『カリオストロの城』も参考にしたのかなぁ・・・ 斬新なモノクロ映像にはしばらくすると慣れてくる。次第に、女性研究員を誘拐したのは誰なのかとワクワクもしてくるのですが、アヴァロン社の透明人間がうざすぎる。こんなのが作れるんだったら、もう充分だろうに・・・ 【2007年9月映画館にて】
そのまんま「攻殻機動隊」+「ブレードランナー」+ちょっと「AKIRA」(老人のような子どものところね)な世界で、それらをいかに監督が敬愛しているかが伝わってくる。ついでに“アヴァロン”も押井守が作品名で使っているから? 日本人がキーパーソンとして登場するのも、日本のアニメに対するリスペクト? なんてどんどん邪推しちゃう(笑)。 映像は面白いですし、作るのもさぞ大変だったでしょうと思いますが、ずっと観ているとちょっと飽きてしまう。もちろん、この世界観を単に実写でやっても、それこそ見飽きた世界だけになってしまうので、映像にオリジナリティを求めたのは、それはそれでいいかもしれませんけれども……。