あしたの私のつくり方

劇場公開日:2007年4月28日

解説・あらすじ

「神童」など話題作への出演が相次ぐ成海璃子主演の青春ドラマ。学校でも家でも周囲に自分を合わせてしまう女子高生・寿梨は、優等生からイジメられっ子に変わってしまった小・中学校時代の同級生・日南子に、偽名で携帯メールを送り始める。“本当の自分”と“偽りの自分”との間で葛藤し成長していく思春期の少女たちの心情を、「トニー滝谷」の市川準監督がみずみずしいタッチで描き出す。共演はアイドルグループAKB48の前田敦子。

2007年製作/97分/日本
配給:日活
劇場公開日:2007年4月28日

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(C) 2007『あしたの私のつくり方』製作委員会

映画レビュー

4.5 思春期の少女たちの内面を描く市川準監督の実質的な遺作

2026年4月11日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

癒される

カワイイ

市川準監督の長編映画としては最後となった作品で、また商業映画としても最後となった作品(遺作となった『buy a suit スーツを買う』は自主制作の中編映画)。レンタルDVDが出た頃にパッケージデザインに目を引かれて、『つぐみ』『トキワ荘の青春』『東京マリーゴールド』の監督だと気づき、借りて観た。

他人から嫌われないように自分を演じることで自分を守ろうとする少女たちが、本当の自分を求めて揺れ動く姿を描いた青春映画というか思春期映画で、市川監督は思春期の少女たちの繊細な心情や葛藤や孤独を細やかに丁寧に描き出している。原作があるからとはいえ、中年もしくは初老の男性監督が思春期の少女の内面をこれほどまで丹念にすくい取っていることに改めて驚く。考えてみれば市川監督はデビュー作の『BU・SU』からしてそういう作品だったし、その後も『つぐみ』『大阪物語』など思春期の少女の内面を描いた映画を得意としていた。

主演の成海璃子は当時すでに有名だったが、準主演の前田敦子はまだAKB48がブレイク前だったこともあって全く知らなかった。そのため僕は、市川監督、なんでまたこんなマイナーアイドルみたいな子を?と観る前は疑問に思ったんだが、実際に映画を観てみたら前田敦子がとても良くてびっくりした。むしろ子役上がりで演技の達者な、というかちょっと達者すぎる成海璃子よりも前田敦子のほうが市川準ワールドに馴染んでいたようにすら感じられた。その後、前田敦子が女優として数々の映画監督たちから重用されるようになっていくのはご存知の通り。

先日、また久々に観返したんだが、すでに何度も観てるにも関わらず今回改めて気づいたのは他の市川準映画と意外に関連性があるということ。同じく女子高生が主人公のデビュー作『BU・SU』と共通点が多く、なんだか市川準が最初の作品にぐるっと戻ってきたようにも感じられた。また太宰治の小説が主人公の2人をつなぐものとして出てくるんだが、市川が次回作として予定していたのが太宰の『ヴィヨンの妻』だったとのこと。また携帯電話(ガラケー)が重要なアイテムになっているが、ついこの間3Gが終了したタイミングで観たというのもなんだか因縁めいていて、何かの共時性(シンクロニシティ)ってやつなのだろうか。ともかく何度観ても、とても良い映画だ。成海璃子も最初に観た時よりもずっと映画に馴染んでると感じた。さすが若き演技派です。

それにしても、まさかこの映画を観てから間もなく市川監督が亡くなるとは思わなかった。日本映画専門チャンネルの市川準追悼特集で過去の映画を貪るように観たな。

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バラージ

5.0 思い出を懐かしんでるだけでレビューになってない

2023年10月27日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

久しぶりに見た。
学生の頃みてほぼ覚えてないけど特別に思ってる映画。
改めて見てやっぱり好きな映画。

この映画を初めて見たときはまだ前田のあっちゃんを知らなかった。
私がAKBを認識したのは2010年頃だったので、新人の素人の女優さんだと思ってた。
小学生の役のときはわざとなのかどうなのか、子供らしいといえばそうだけど、滑舌が悪くしたったらず。
中・高生のときはセリフも聞き取りやすくなってきて見やすい。
表情がいいなと思った。昔見たときもいいなと思って顔覚えてて、後々AKBを認識したときビックリした記憶。
最近、彼女が出てるドラマをよく見てて、演技がいいなと思ってたけど、昔からよかったな。

成海璃子さんは当時からたぶん有名だった。
私より少し年上でかっこよくて素敵だなって、知ってた。

そういえば、ほんと最近のドラマ「かしましめし」でお二人共演してた。

当時をいろいろ思い出して懐かしい。
筆箱とか手紙を回したりとかガラケーも。

ずっと気にかかってた子に文学部の主人公が創作のメールする話だったのか。自分の考える処世術を物語としてレクチャーする。

いじめられると性格暗くなるよね。
元の自分に戻れなくて、いろいろ考えるようになって、反射的に感情で動けないような。
同じような体験ではないけどわかる。
成長による変化じゃなくて、変えられてしまった自分に悩む。
私はじゅりの方に近かったと思う。

所々、見覚えがあって思い出しながら見た。
メイン二人が魅力的で表情がよかった。
成海璃子さんが上手いのはもちろんだけど、前田のあっちゃんもすごく良くて、日南子だった。

エンドロールで名前見てると、今は知ってる名前がちらほら。全然気づかなかった。
メイン二人の存在感がすごくある。

エンディングのシュノーケルの天気予報は好きな曲でmvもよく見た思い出。

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ティム2

4.0 【”お前は嘘が巧いから、行いだけでも良くなさい。”校内ヒエラルキーの中で必死に生きる二人の少女の姿を描いた作品。本当の自分を探そうとする少女達の心の機微を、清廉なタッチで描き出した作品でもある。】

2023年6月18日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、VOD

悲しい

知的

幸せ

■仲間はずれになることを恐れて目立たない毎日を送る寿梨(成海璃子)と、クラスの人気者から突然全員に無視される存在になった日南子(前田敦子)。
 小学生から中学生、高校生に成長した寿梨は、転校した日南子宛てにクラスの人気者になるノウハウが詰まった物語を“ヒナとコトリの物語”としてメールし始める。

◆感想<Caution! 内容にやや触れています。>

・寿梨が日南子に、メールを送り始めた訳。
 それは自分自身が苛めを恐れ、校内ヒエラルキーの中で上手く立ち回る自分に、嫌気がさしたからではないかな。
 ー そして、ここで太宰治の”お前は嘘が巧いから、行いだけでも良くなさい。”という序盤に紹介される言葉が生きてくる。ー

・誰でも、(今作でも描かれている寿梨の両親の諍いと離婚。そして再婚相手を見つける様。学生だけではなく、大人も大変なのである。)日々、懸命に巧く立ち回りながら生きている。
 ー 故に、後半、日南子が寿梨の携帯番号を探し出し、メールではなく携帯画像で話しかける
 ”今日、嫌なことが有っても、明日良い事があるかもしれない。”
 という言葉が心に響くのである。

<久方ぶりに鑑賞したが、矢張りこの頃の成海璃子さんは、魅力的である。又、映画初出演の前田敦子さんも、初とは思えない、流石の演技である。
 今作は、本当の自分を探そうとする少女達の心の機微を、清廉なタッチで描き出した作品である。>

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NOBU

3.5 「私なんでこんなに頑張っているんだろう」 という人に見てもらいたい。

2023年4月10日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

ん、苦しかったね。よく頑張ったね。
そんな貴方を受け止めてくれる人に出会えてよかったね。

   ☆彡   ☆彡   ☆彡

「本当の私」と「本当でない私」を巡る物語。
 小学校~高校生の女子の心の移り変わり、成長を綴っている。こんな風に思っている前思春期以降の人ってたくさんいるよね。
 学校・友達が軸になっているが、
 いじめを受けたことがある子の後日談の一つでもあり、
 諍いの多い家庭の中で、頼れる(甘えられる)大人を持たずに、「本当でない私」で暮らしている子どもや、
 親のメンタルケアをしているとか、親に嫌われないように息をひそめることも含めた、親の期待に応えて「本当でない私」でいることで家庭内の居場所を確保している子どもの話でもある。

寿梨と日南子の関係は時に「こんな風に展開したら良いね」っていう、ちょっと教育番組的な、夢物語的な、中学生が好きそうな展開になっているけど…。

一方で、人気者から仲間はずれへの転落とか、
その時に自分をどう支えるかとか、
クラスの中心にいるメンバーへの想いとか、
小学校の時自分より下だと思っていたクラスメートが、久しぶりに会ったらやけに輝いていて、しかも手放した自分の元の家に住んでいることを知った寿梨の想いとか、
再婚相手の”親切”な想いが、実は寿梨を奈落の底に突き落とすということとか。
実にリアルに描かれている。

その微妙な心理を演じる成海さんがうまい!!!
二十歳ぐらいの方が演じているのか、でもなんという透明感!!!と思っていたら、14,5歳だと知って更に驚き。

対して、寿梨を囲む大人の暑苦しさ。
「本当の自分」をお互いに押し付け合う親の間で、本当に苦しむのはいつも・どこでも子ども。

「ありの~ままの~」という歌が流行っていたけど、「本当の自分」て何なのか、考えたくなる。

どうせなら「私、こんなにがんばっちゃった、えへw」と言えるような頑張りをしたい・させたい。
コトリがヒナに一生懸命贈ったメールは、コトリのためでもあるけど、ヒナのためを思って考えに考えて贈ったエール。
そこには「作られた私」が綴られているけど、ヒナの為にという想いはまぎれもなく「本当の私」。

そういう想いって、たとえメールでもちゃんと相手に届くのだろう。

そんな風に、
寿梨役の成海さんが、これだけの透明感、でも確かにそこにいる存在感を醸し出していたのに対し、
両親役のW石原さん。”自己中、大人のカッコした中身は子ども”を振り撒いていて、笑った。
日南子の母の対応との違いも訓話的で見事。

そういう自分しか見えていない人とのやりとりって、向かい合って話していても、一緒に暮らしていても、なんて届かないのだろう。

そんな物語に、メールでのやり取りの画面やカット割り等が多用されていて、演出も面白かった。

ただ、物語としては、要所を要領よくまとめ上げたな、という感想がぬぐえない。教育的動画をさっと見せられた感じ。
 日南子側の物語にもう少し厚みを出して欲しかったとは思うものの、日南子役の演技ではあれがギリギリか。
 彼氏とのエピソードは優等生映画的・願望映画的メッセージとしては良かったが、相手役も含めて、もう少しどうにかならなかったのか。
 日南子が丸首のカットソーを脱ぐときに、顔に服が当たらないようにして脱いでいたけど、ファンデーションがカットソーにつかないようにする脱ぎ方。高校生で化粧している前提?って、興ざめしてしまった。前田さんにしたらいつもの癖が出ただけなんだろうけれど。
 そんなところが、惜しい。

子連れで再婚しようとしている親や、
争っている家庭(夫婦だけでなく、舅・姑との関係でも)や、
寿梨や日南子と同じように友達の中で右往左往している前思春期~思春期の子どもには
ぜひ推奨したいけど、
自分が見返すかって言ったら成海さん目当てかな。
W石原さんが痛すぎる。(もっと別の役者使ったらもうちょっとマシになったと思うけど)

成海さんには☆5つですが、
全体的のできは☆3つ。
間をとると☆4つなんだけれど、3.5。

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とみいじょん