暗いところで待ち合わせ
劇場公開日:2006年11月25日
解説
人気若手作家・乙一による同名小説を「幻遊伝」の田中麗奈&チェン・ボーリンの再共演で映画化したサスペンスタッチのラブ・ストーリー。交通事故で視力を失ったミチルは、父を病気で亡くして以来、駅の近くの家でひとり暮らしをしていた。ある日、駅で発生した殺人事件の容疑者アキヒロがミチルの家に忍び込み、彼女に気付かれないように暮らし始める。メガホンを取るのは、故・今村昌平監督の長男で今村作品の脚本も手掛けていた天願大介監督。
2006年製作/129分/日本
配給:ファントム・フィルム
スタッフ・キャスト
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2021年8月5日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
「映画で観るべきは主人公の成長と周りの後押しである。」
この夏、別のレビューで書いた事をまた書くことになった。
3度目である。
独特の世界観を持ったサスペンスだが、この作品もまた主人公ミチルの成長を軸にした物語である。
劇場公開以来、15年ぶりに観賞した。ほとんどのシーンは忘れていた。ストーリーも随分あやふやで初見として観れた感じだ。元々、原作を読んでから観たのではなかったか。なので、今回と近い感じだったかも知れない。
まず有り得ないストーリーなので独特の雰囲気もちょうど良かった。ネタばらしのシーン以外は演技に重きは無く、その分演技力の全てはクライマックスに凝縮したのでは?と思う程迫真の演技であった。コントラストがはっきりしていたのが良かった。窓を含む室内のシーン、殺風景で窓の外に景色は無い。音も極端に少ない。でも美しいシーンでした。
ストーリーは杜撰なサスペンスだが上手くまとまった感じで好きな映画だ。
2020年5月27日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
まるで背後霊のように盲目のミチル(田中麗奈)の家に忍び込み、そのまま居座ってしまった男大石アキヒロ(チェン・ボーリン)。まるでギドク監督の『うつせみ』状態だ(最近では『アンダー・ユア・ヘッド』)。アキヒロが駅のホームから彼女が窓辺で佇む姿をジッと見ていたことから、もしやストーカー行為に走るのではないかと想像してたのに、展開は全く違ったものになりました。音を立てずに部屋の片隅を自分のテリトリーとして、彼女の生活を眺めているアキヒロ。風呂だって覗かない、寝室だって覗かない、かなりストイックな青年だったのです。
駅のホームの転落事故。死んでしまったのは松永(佐藤浩市)だ。ハーフであるアキヒロと同じ職場で、彼によっていじめられた経緯もあることから、アキヒロが重要参考人と報道される。もしや殺人犯?と緊張感が生まれる中で、ミチルは何も知らないで生活を続ける。音を立てられない、匂いも出せない、トイレだってペットボトルという窮屈な逃亡生活。いつまで居座るつもりなんだと疑問を持ちつつも、何も悪いことをしそうにない彼にも感情移入してしまう。よく観察すると、佐藤浩市の亡霊がアキヒロに取り憑いたんじゃないかと思うほど、唇、鼻、眉毛が似てきているのです。ひょっとすると佐藤浩市の隠し子なんじゃないかと疑ってしまいました。
ミチルの親友のカズエ(宮地真緒)もいい存在だ。一人暮らしを決めたのなら、一人で外を歩く練習しなければならないと突き放すところもあり、真に彼女の生活のことを考えてくれる。そしてそれ以上に優しさを感じさせるのが日本語もたどたどしいアキヒロの存在。見つかって食事をご馳走になったんだから「礼くらい言えよ」とは感じるのですが、何しろ自分の居場所がないと信じている男ですから、黙って去ることも考えていたのでしょう。
外国人や障害者に対する世間の冷たさや、親戚の態度をもチクリと描きつつも、人間の温かさを感じる映画でしたけど、これはサスペンスなんだということを忘れてしまいそうになります。そのおかげで井川遥の超人的ダッシュや狂気に満ちた表情にインパクトがありました。
【2007年2月映画館にて】
ストーリーや設定に説得力はありません。
ただ、主役の盲目の少女の演技は、凄いです。
2019年8月28日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD
2時間のTVドラマを見ている感覚ならば良いと思います。
目が見えないのに誰かいる、それが分かった時の衝撃感がもう少し欲しかったです。
田中麗奈の演技に★1つ追加です。