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○作品全体
やっていることは1作目とほぼ同じでロードムービーっぽいけれど、間の取り方や静寂の時間の長さが全く異なる。バンドメンバーは多くいるのに無言の時間が長く、シュールさが更に加速しているように感じた。
1作目はレニングラード・カウボーイズたちのキャラクターに終始引っ張られていたけれど、作品にとって唯一の狂言回しであるウラジミールがモーゼになって帰ってくる(?)という謎なキャラ付けと、故郷への手土産に自由の女神の鼻をもぎ取る、という謎行動によって、彼らの行きつくところは一体どこなのかという部分が本作のポイントになっていたような気がする。
ウラジミールにやたらとビビり続けたり、反抗しつつすぐに屈してしまう行動原理がまったく謎なんだけれど、静かにパンや水を分け合って食べている姿を見ていると、なんとなく応援したくなってくるのが面白い。シンプルに故郷に帰って宴に興じる、というラストは、面白みはないけれど温かみがあった。
ただ、演奏シーンが1作目よりかっこよくなかったのが残念。
独特な間を楽しめるかどうかが、レニングラード・カウボーイズたちにハマれるかどうかカギになりそうな、ある意味エッジの効いた続編だった。
〇カメラワークとか
・凝ってるカメラワークというわけではないけど、大所帯のカウボーイズたちをカメラに収めるのに努力しているなあと思うカットが多い。ヘタしたらバラエティー番組のひな壇っぽくなっちゃいそうだけど、きちんと並んで座っている一方でやっていることはバラバラで、そういうところで飽きない画面作りにしていたような気がする。
〇その他
・本作では「カチューシャ」を演奏していた。またしても『ガールズアンドパンツァー』臭を感じる選曲。
・アコーディオンの人は今回もキャラが立っていた。