レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ

劇場公開日:

解説

メンバー全員が長く鋭いリーゼントにサングラスというスタイルのロックンロールバンド、レニングラード・カウボーイズ。彼らを主演に迎え、フィンランドの鬼才アキ・カウリスマキ監督が放つ、シュールな笑い満載の傑作ロードムービー。最果ての地ツンドラからアメリカツアーにやって来た民族音楽バンド。しかし彼らの音楽は全く受ず、ライブ会場はいつもガラガラ。マネージャーの提案で、彼らはロックンロールバンドへと大変身する。

1989年製作/78分/フィンランド・スウェーデン合作
原題:Leningrad Cowboys Go America

スタッフ・キャスト

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映画レビュー

4.5知らずにはみ出していった何もない男たち

2023年5月13日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

どうして今まで観ていなかったかのかってくらい、これは俺の好きしかない映画でした。
はみ出ている男たちの異質さ、寂しさ、使いようのなさ、キュートさ、が思う存分堪能できてしまう映画でした。
思い出の中しか生きていない生きていれない、と劇中で何度か色々な歌で歌われていたけれど、その気持ちをこんな最高の映画にしてくれてありがとうとしか言えない。
この世界(アメリカ中心の世界)に馴染めないと全身で表現している東欧から来たカウボーイたちが異質なものとしてどう関わるか(関われないか)をカメラの動きと男たちの無表情な感情とリアルな街と住民とのコントラストで描いていました。
こんな映画があって、今までまだ観ていなかったことがとっても嬉しかった。
歌を信じている映画なのもとても良かったな。
何度でも観る映画と一度観てわかりました。
あのシーン美しかったな、あのシーン決まってたな、エドワードホッパーの絵のようだったな、って何度も笑みが溢れてしまった。

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あした

3.5"Quiff"

2022年9月18日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

笑える

楽しい

幸せ

シベリアからアメリカに飛んで行ったらメキシコまでの珍道中を繰り広げるシュールで愛嬌たっぷりな振り切ってフザけたロードムービー、ツナギに黒いGジャン姿のジム・ジャームッシュが格好良い!!

バンドのメンバーが減ろうが増えようが気にならない程に見分けが付かないは言い過ぎか、大所帯で楽器から棺?を車に詰め込んで、革命からの民主主義復活、色々な土地で身に付けるロックンロールの振り幅、憧れなのか?執拗に追っかけて来るファンみたいなデカい魚をぶら下げて、とにかくツッコミどころが満載で地味に笑える微笑ましい場面の数々、行き着く先はメキシコでトップ10入りのハッピーエンド。

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万年 東一

4.0【”アキ・カウリスマキ監督って、こんなに面白いロードムービーを作っていたのか!”外観のインパクトが凄いレニングラード・カウボーイバンドと強欲なマネージャーの関係性が面白すぎます。】

2022年9月6日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

楽しい

知的

幸せ

■極寒の地、ツンドラで活動する売れないバンド、レニングラード・カウボーイズ。
 彼らは強欲なマネージャーにそそのかされてアメリカへと旅立つ。
 さらにそこからメキシコへと向かうことになった彼らは、新たな音楽を吸収し、人気バンドへと成長していく。

◆感想

・アキ・カウリスマキ監督の作品では、初鑑賞作品なのであるが、レニングラード・カウボーイズの強欲なマネージャーも含めて、
 1.あり得ない程、ツンツンに伸ばしたリーゼント(で、ポマードで固めている訳ではない・・。)
 2.全身黒のスーツ、殆どのバンドマンがかけている細長い黒いサングラス。
 3.あり得ない程、先端が尖った靴。
の姿が、凄く可笑しい。

・彼らはツンドラの酷寒の地(その後のテロップから、旧ソ連と分かる。)で活動をしているが、プロモーターから”メキシコに行ってくれ。そして、結婚式を祝ってくれ”と言われ、まずはアメリカに渡る。凍り付いたメンバー一人を連れて・・。
ー この後のテロップにも出るのだが、ナントなーく、アキ・カウリスマキ監督の旧ソ連に対する反発心が見え隠れする。だが、今作品の主眼はそこではない。-

・アメリカに渡った8人のバンドマンと、マネージャー。自由の地を満喫しているかと思ったら、強欲なマネージャーに利益を掠め取られるバンドマン達。
ー 途中、中古車屋のディーラー役で、ジム・ジャームッシュが登場する。北欧のオフビート感の覇者はアキ・カウリスマキ監督だと思っているので、アメリカのオフビート感の覇者である、ジム・ジャームッシュ監督の登場は嬉しかったな。仲が良いのかな・・。ー

・その後、自分だけバドワイザーをがぶ飲みし、一人だけ美味いモノを食べていたマネージャーに対する”革命”が起こったり、レニングラード・カウボーイズを慕う、イゴール(ずっと、彼等を追っている。坊主頭の額のチョッロとした髪が可笑しい。)の助けで、再び”民主主義”になったり・・。

・個人的には、レニングラード・カウボーイズの音楽は、格好良いなあと思っていたのだが(特に、ギタリスト2人の速弾きは凄い。)何故かアメリカでは受けず、マネージャーがレコード店に行ったら”アメリカでは、ロックンロールだ!と言われ、レコードを聴かせるのかと思ったら、音符の本だけ渡すシーンは、笑ったなあ・・。

・で、彼らの従兄が、今はこれだと言って、観客の前で披露する、ステッペン・ウルフの”ボーン・トゥ・ビー・ワイルド”は格好良かったなあ。
ー 元々、レニングラード・カウボーイズの演奏は格好良いと思いながら観ていたので、ここは盛り上がった。-

<で、漸く到着したメキシコの結婚式で披露される彼らの曲。
 大歓迎される中、マネージャーは”自分の仕事は終わった”と言う感じで、サボテンの元から出ていた蛇口を捻って”生のテキーラ”を煽ってから、姿を消す。
 アキ・カウリスマキ監督の初期作品であるが、非常に面白く鑑賞した作品である。>

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NOBU

3.0アキ・カウリスマキ監督のロードムービー

2022年8月21日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

広島市映像文化ライブラリーでのアキ・カウリスマキの特集の一貫でLeningrad Cowboys Go Americaを見た。
まだ監督の作品はあまり多く見てきた訳ではないのだが、不思議な作品だった。
バンドはツンドラ地帯からニューヨ-クへ移動。
ロックンロールをやったりカントリーウエスタン、最後はメキシコで締めくくるロードムービー、

ファンではないが、興味深く見た。
1989/フィンランド・スウェーデン/78分
【監督】アキ・カウリスマキ
【撮影】ティモ・サルミネン
【出演】マッティ・ペロンパー/レニングラード・カウボーイズ/ジム・ジャームッシュ

広島市映像文化ライブラリーにて。

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M.Joe