列車に乗った男
劇場公開日:2004年4月10日
解説
「仕立て屋の恋 」「橋の上の娘」のパトリス・ルコント監督が描く、全く異なった人生を歩んできた2人の男の友情物語。主演は「髪結いの亭主」のジャン・ロシュフォール、「ゴダールの探偵」のジョニー・アリディ。列車から降り、薬局に立ち寄ったミランは、そこで初老の男性、マネスキエと出会い、彼の家に立ち寄ることになる。
2002年製作/90分/フランス・ドイツ・イギリス・スイス合作
原題:L'Homme du train
配給:ワイズポリシー、アーティストフィルム
スタッフ・キャスト
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2022年8月12日
Androidアプリから投稿
引退教師と銀行ギャング…。全くの接点のなかった二人の男性の出会いと、二人の間に静かに育まれる深い友情。
作中の列車は、異なるものを遠くから運んでくるもの(等質のなったものを引き離して遠くに運ぶもの)の隠喩なのだろうか。
すっと画面から消える人物やクルマ。
ストーリーの点でも作画の点でも幻想的な映画作品で、その点ではいかにもパトリス・ルコントらしい作風の一本と言えると思う。
2021年8月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
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フランス語の詩を教えているマネスキエ。アンティークな古びた館でひっそりと一人暮らしをして、たまに来る人とおしゃべりしたくてしょうがない。この町に列車から降り立った男ミラン。謎めいたアウトローの雰囲気を漂わせ、拳銃を持っている。老人は狭心症の持病のため、土曜日には手術を受ける予定で、一方の男は土曜日に仲間と銀行強盗する計画なのだ。
今までの平凡で堅実な生活に疲れ、何もやり残せなかった人生を悔やんでいるところへ、ワイアット・アープに憧れを抱いた少年時代を思い起こさせるワイルドな男の登場である。ミランが銀行強盗を計画していることを知ったマネスキエであったが、計画を止めようとするのではなく、自ら第二の人生を切り開くきっかけになると思い、参加させてくれと頼んでしまう。この少年のような目の輝きがたまらないほど素敵なおじいさん。友情という言葉では片付けられないほどミランに憧憬を抱くのだ。一方のミランも自分の計画性の薄い性格を変えてみたくなり、次第にマネスキエの生活をうらやましく思うようになる。まるで血液型のAとBの対比のようだ。
パン屋の店員や、1日の内午前10時にしか口を聞かない不気味な男といったサイドストーリーが冴えています。もちろん、おしゃべり好きな老人のコミカルな台詞にもやられました。ハードボイルドとコミカルな部分の融合というのは、どうしてこうも面白いのだろうか。字幕から目が離せないくらいにひきつけられてしまいました。
邦題の意味を考えたため、ラストには予想を裏切られ、ファンタジー色の強い内容となりました。死の直前のほんの一瞬の出来事・・・もっと人間臭いドラマだと思っていたのに、釈然としませんでした(途中までは満点評価)。
【2004年9月映画館にて】
2015年10月31日
iPhoneアプリから投稿
他者とは違う列車に乗って歩んで来た人生が、ふと重なる時がある。
だけど、また自分の列車に乗り込んで行く。少しだけ変わった自分と大きく変われなかった自分と共に。
ルコントらしい、距離のとり方。
生まれ変わってもこれでいいのだ。
だからこその人生。
2009年10月22日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
やさぐれた男2人、数日間だけの奇妙な交流...
淡々とした会話の中にも突如散りばめられる笑い。
一見強面、冷静沈着なミランと、年老いても尚夢見がちなマネスキエ。
出会うべくして出会った2人は、互いの凹んだ部分を埋めることで癒されてる様にも見える。
ラスト近くは感情移入してしまうほど、切なくなった。