劇場公開日:1995年3月25日
解説
「Undo」「花とアリス」の岩井俊二監督の長編第1作。事故で婚約者の樹を亡くした博子は、国道になってしまったという彼が昔住んでいた住所に届くはずのない手紙を出した。しかしその手紙は、婚約者と同姓同名の女性のもとへ届き、2人の不思議な文通が始まるのだった。中山美穂が博子と手紙を受け取る女性、樹の2役を演じ話題となった。
1995年製作/113分/日本
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1995年3月25日
劇場公開日:1995年3月25日
「Undo」「花とアリス」の岩井俊二監督の長編第1作。事故で婚約者の樹を亡くした博子は、国道になってしまったという彼が昔住んでいた住所に届くはずのない手紙を出した。しかしその手紙は、婚約者と同姓同名の女性のもとへ届き、2人の不思議な文通が始まるのだった。中山美穂が博子と手紙を受け取る女性、樹の2役を演じ話題となった。
1995年製作/113分/日本
配給:日本ヘラルド映画
劇場公開日:1995年3月25日
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2023年10月27日「スワロウテイル」から岩井俊二もお気に入りの映画人の一人であるが、この映画は公開時に見逃していた作品。
前半、死んだ恋人宛に書いた手紙に対して返事が来るという、ややミステリー風、ファンタジー風に始まり、実は同姓同名だという話に進んでいく展開は斬新で気に入っている。
全体的に雪を中心とした映像(色彩をソフトにしている)、カメラワーク(固定せず手持ちが中心)とピアノやストリングスを主にした音楽は、いかにも岩井俊二ワールドといった感じで、気持ちが良い。
図書貸出カードという小道具が実によい演出効果を上げている。今は個人情報の観点から、ほとんどの学校では氏名の記入はなくなっているようであるが。他にもモチーフとなる舞台の設定、小道具が絶妙によい。そもそも舞台となっているのが中学校、自転車置き場、図書室等、もちろん手紙も。
范文雀、鈴木蘭々が懐かしい。
なお、手紙関連で思い出したが、中井貴一主演の「ラブ・レター(1998) 」もお勧めです。
前日に見た「青春18×2 君へと続く道」の中で、台湾人の主人公とヒロインが台湾での初デートでこの映画を見ていたので、興味が湧いたので視聴
中山美穂の喋り方がなんか昔だなって思った
感想
愛している人の死から2年。
言葉が聞きたい。だから手紙を書いた。
返事が返って来ないと知りながら。
些細な思い込みから手紙の返事が返ってくる。
そこから知る大切な人の知られざる過去。
忘れていた過ぎ去りし思い出の日々。
人間の死生観。
死んだ人の事は残された人の記憶に残り続ける。
今を良く生きる事は、今はもういなくなってしまった愛する人の分まて生きていく事。
自分だけの、人に言えない秘密の思い出。
人の本当の想いはその時々の感情に覆われ複雑になり、素直に表現することが出来ない。
特に大好き人の思い出は。
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脚本と演出・描写が詳細に創り込まれており、いつ観ても素晴らしい。また劇中の音楽が良い。
若き日のふたりの藤井樹を演じた酒井美紀さんと柏原崇さんの初々しい表情と自然な演技、カット割の効いている正面から人を捉えた描写。中学校のクラスメイトの皆さんの表情を含めた各場面がドキュメントフィルムのようにありのまま捉えられており、特に樹が転校する日に樹の家に図書室で借りたマルセル・プルーストの失われた時を求めてを返して置いて欲しいと頼みにくる場面は大好きな場面であり、素晴らしい描写でこの映画の価値を高めている部分であると感じる。
及川役の鈴木蘭々さんは違った意味で記憶に残る演技であった。
豊川さんの演技は秀逸。中山さんの演技も自然で安定していた。
この映画を観ると30年前のあの頃の自分に戻れる。気がする。
今となってはとても懐かしい。
⭐️4.5
「青春18×2」の2人が並んで観た映画は、
岩井俊二監督の「Love Letter」でした。
ずっと以前に観てますが、
感動したことと、
中山美穂と豊川悦司が出ていて、
豊川悦司がガラス吹きをしてたこと、
そして小樽の雪景色、
これだけしか覚えていませんでした。
名作の誉れ高いだけのことはありました。
2年前、婚約者を山でなくした中山美穂。
3回忌の法要で恋人・藤井樹(いつき)の中学の卒業アルバムを
見せられます。
咄嗟に住所を腕にメモ。
そこは小樽市色丹でした。
恋人を忘れられない博子は、小樽の住所に手紙を書き投函します。
すると藤井樹の名前の差出人から返事が来たのです。
博子は一瞬、樹から本当に返事が来たような変な嬉しさを
覚えます。
文通は続いて、秋庭(豊川悦司)が悪戯して、
「あんたは誰だ?」と書くと、同じクラスの女生徒・同姓同名の
藤井樹からだったのです。
この映画には悪意のないトリックが幾つか隠されています。
小樽に住む女の子の藤井樹の役は中山美穂です。
二役なんですよ。
そして博子は心の隙間を埋めるように、樹(中山美穂)に
樹(柏原崇)の思い出を書くように頼むのです。
★同姓同名で嫌な思いをたくさんしたこと。
★同じ図書委員をしたのに、一向に手伝わない彼のこと。
★交通事故で複雑骨折したのに、地区大会に出たこと。
★極め付けは、珍しい誰も借りていない本の図書カードに、
藤井樹の名前が最初に記される事、
彼はそこに喜びを感じていたのです。
(これは伏線でラストの落ちに繋がります)
小樽の女の子・樹は、同姓同名の彼の思いに、
それまでまったく気づいてませんでした。
博子が思い出を掘り起こしたことで、恋人の初恋を
炙り出してしまう。
本当に素敵なフェイントのあるラブストーリーです。
死んだ(遺体は山の中)恋人の過去、
同姓同名の同級生の女の子。
ラストの死者からのメッセージ。
是非ご覧になって、お確かめ下さい。