マンハッタン・ベイビー
1982年製作/90分/イタリア
原題または英題:L'occhio del male
1982年製作/90分/イタリア
原題または英題:L'occhio del male
エジプト発掘調査の考古学者の父(クリストファー・コネリー)に、母(マーサ・テイラー)とともに同行していた娘スージー(ブリギッタ・ボッコリ)。
彼女は、怪しい盲目老女から謎のペンダントを渡される。
ペンダントには古代の悪霊が宿ってい、米国に帰国した少女の周辺で奇怪な事件が頻出する・・・
といったところの、ショック描写が中心のオカルトスリラー。
前半は、訳がわからないなりにもミステリアスに展開する。
それなりに面白い。
が、霊能力を有する骨董屋が登場する後半は、あまりにも無理矢理な展開。
ほとんど物語の態をなしていない感じもする。
やたらと目元のアップが繰り返される演出などは、苦笑せざるを得ず。
なんかよくわからないけど無性にフルチ作品が観たくなったので、また懲りずに観ていこうというわけですよ。ちょうど1年前にフルチ作品のレビューを立て続けに6作品ほど書きましたが、もうフルチはいいかな…って思ってたんですよ。思ってたんだけどなぁ…。
その後も「地獄の門」だけは何度か観てて、やっぱりあの世界観はフルチにしか出せんよな、って思うんですよ。恋しくなるわけですよ。んで、本作観たわけですが…やっぱりフルチ、わけわからん(笑)
でも、ストーリー的にはそこまでの破綻は無かったかなと。いわく付きのアイテムを手にしたばっかりに、次から次へと異常な現象が…っていうそれだけの非常にシンプルな内容。ただ、そこかしこに謎のシーンがぶち込まれるから訳がわからなくなる。伏線?それとも重要な手がかり?いやいや!そんなこと考えたってしょうがない。本当にスルーしても問題のないシーンなんだから。ってのは観終わってやっとわかったこと…。
つまり、よくわからんシーンは雰囲気づくりの為、と解釈して楽しむのが正解だと思うのです。ヘビだのサソリだの白目の謎の人物だの色々出てきますが、それらに深い意味を求めず、作品の装飾程度に捉えておけば良いかと。
本作はフルチ印のグロゴア描写はほぼ無し。かなりおとなしいです。「地獄の門」や「ビヨンド」のような印象的なクライマックスがあるわけでもなく。かといって「新デモンズ」のような退屈な作品ではなく、意外とテンポは良かったかと思います。もう一押しあれば良作になり得た、かなり勿体ない作品だったなぁと思いました。