こりゃあ確信犯です
ヒッチコックの裏窓とめまいをメインにてんこ盛りにオマージュをいれて、台詞にまで舞台恐怖症という言葉をねじ込んできます
なんだこりゃ、ヒッチコックの真似ばかりじゃん!
要はこういうのをやって遊びたかっただけじゃん
監督の自己満足じゃん
こんなの観る値打ちねえよ
そのお怒りごもっとも
そういう感想になるでしょうが、前半じっと我慢して下さい
そこまで監督がヒッチコック好きならば、殺される美女が金髪でないのは何故なんだよ!
おかしい!納得がいかない!
もちろんそうです
しかし、その疑問は後半なるほどそういうことか!となります
監督は、ヒッチコック作品はよく知っていると自認している観客に対してこう聞いています
どこまで元ネタ分かりましたか?
これ気づいてました?
ヒッチコックファンなんでしょ?って
つまり監督のヒッチコックファンへの挑戦状だったんです
この挑戦を受けて立つには、もちろんヒッチコックの作品を粗方何度も観ていないとなりません
お、このシーンはあの映画の・・・
あ、このカメラアングルはあの作品の・・・
ヒッチコックファンのお友達と一緒に観て、誰が一番元ネタを言えるかのゲームをやると盛り上がること間違い無しです
監督は、それを期待しているのだと思います
なので本作のトリックを、ビーチでのキスまでに、何故殺される美女が金髪でないのか?
それを手がかりにトリックに気がついていないと監督の勝利というゲームだったのだと思います
だってタイトルで盛大にネタバレしてあげてるのに、殺される美女が金髪でないことの意味に、なんで気づかないの?
試写会でそのキスシーンで失笑が起きたという有名な話
このようにデ・パルマ監督は、実はしてやったりと、内心ほくそ笑んでいたに違いありません
何年ヒッチコックファンやってるの?と
あのキスシーンはゲームのタイムアップのホイッスルだったのです
自分は何故金髪美女でないのか?までは気づいたのですが、タイトルがネタバレだったとはキスシーンまでに分からなかったので監督に負けてしまいました
脱帽です
このようにあなたがどれだけヒッチコック作品を愛しているかで評価が変わる作品だと思います
ヒッチコック賛歌の映画です
あとポール・トーマス・アンダーソン監督の1997年の「ブギーナイツ」と、1999年の「マグノリア」の2作品をご覧になって頂きたいと思います
ハリウッドとポルノ産業との関係性が頭に入っていると一層楽しめます
劇中、フランキー・ゴーズ・トゥ・ハリウッドの超特大ヒット曲「リラックス」が使われます
バンドのメンバーも登場しているのもポイント高いです
大昔、美少年多数が半裸で踊るショーパブで良く爆音で掛かっていたのを思い出しました
ライトのドギツイまでのきらめきとともに
正にバブル
♪Relax don't do it
When you want to go to it
Relax don't do it
When you want to come
猥褻すぎww
そりゃBBCとか多くの局で放送禁止になりますわ