パパは、出張中!

解説

スターリンの影響から未だ脱け出せない1950年代初頭のユーゴスラビアを舞台に、時代の波に翻弄される一家の姿を体制批判をこめて描いたヒューマンドラマ。家族に囲まれて幸せに暮らしていた少年マリック。ところが、父親が愛人にふと洩らした国政批判のせいで逮捕され、強制収容所に入れられてしまう。不思議がるマリックに対し、父親は出張中だとごまかす母親だったが……。1985年度、カンヌ国際映画祭グランプリを受賞。

1985年製作/136分/旧ユーゴスラビア
原題または英題:Otac na sluzbenom putu

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第58回 アカデミー賞(1986年)

ノミネート

外国語映画賞  

第43回 ゴールデングローブ賞(1986年)

ノミネート

最優秀外国語映画賞  

第38回 カンヌ国際映画祭(1985年)

受賞

コンペティション部門
パルムドール エミール・クストリッツァ
国際映画批評家連盟(FIPRESCI)賞 エミール・クストリッツァ

出品

コンペティション部門
出品作品 エミール・クストリッツァ
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映画レビュー

3.0寓話化して「アンダーグラウンド」に進化したか…

2021年9月26日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

TV放映で同じクストリッツァ監督の
「アンダーグラウンド」を観た勢いで、
DVDレンタルして、この作品も鑑賞。

タイトル名の明るい感じにも係わらず、
随分と重い内容だった。

この作品、カンヌ映画祭でバルムドール獲得
とあったので期待一杯だったが、
戦後スターリンの影響から離れようとする
チトー体制の歴史に知識が無かったので、
「アンダーグラウンド」よりは鑑賞中の理解
が深まらなく感動も逃してしまった印象だ。

全体構成としては、
サラエボでの父親の不在の前半と
何かと説明不足な強制労働地での後半の
展開との繋がりも良く理解出来なかった。

とにかく、子供目線で描く前半の国への憂い
の観点は解りやすいが、
この子の後半の思春期の芽ばえを中心とした
エピソードは、国家の成り行きとは関係なく
男女の愛憎は続くものだとのことなのか、
そうだとしたらテーマが散漫している
ようにも感じられ、
最後まで前後半の構成と繋がりの意味が
判らなかった。

ラスト、「許すか」との義理の兄の問いに
「忘れる、許すのは神だ」との
父親の言葉は印象に残ったが、
クストリッツァ作品としては、
現実描写で母国の歴史の一断面を見せた
この「パパは、出張中!」を経由して、
ユーゴスラビア史の憂いを、今度は一転、
寓話的に描いた「アンダーグラウンド」に
見事に結実したようには思えた。

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KENZO一級建築士事務所

3.0 ユーゴスラビアでも割礼が!しかもかなりリアル。少年マリクの目から...

2018年11月11日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 ユーゴスラビアでも割礼が!しかもかなりリアル。少年マリクの目から見た映像と大人から見た映像が交互する。

 スターリン主義の横行、全体主義。民主主義なんて唱えると、すぐに逮捕される時代。どこの国でもあるんですね・・・

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kossy

4.0突き上げるユーゴ

2014年12月28日
PCから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

悲しい

ユーゴスラヴィアの歴史がそれぞれの人々の上にどれほど重く圧し掛かっていたかが畳みかけて迫ってきます。終始暗めの画面によって、その下でジリジリと心を軋ませている様がよく伝わってきます。
『アンダーグラウンド』で打ちのめされたエミール・クストリッツァ監督でしたので、もう1本、観てみました。こうやって見てみると、『アンダーグラウンド』につながるものが、すでにこの作品に見て取れます。『アンダーグラウンド』はより狂騒めいた凄みがありましたが、こちらは同じテーマでもより現実的な重みがあります。
でも、これが現実って、ユーゴ・・・ひたすら重すぎるよ・・・ この重みの中で生きることがバルカンってことなのかな・・・

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チャーリー