パットン大戦車軍団

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劇場公開日:

解説

第2次世界大戦のアフリカ戦線でナチス・ドイツ軍を相手に闘ったアメリカの名将、ジョージ・S・パットンの波乱に満ちた半生を、「猿の惑星」のフランクリン・J・シャフナー監督が映画化した戦争スペクタクル。パットン将軍をジョージ・C・スコットが熱演しアカデミー主演男優賞に輝いたが、これを辞退したことで話題になった。他にもアカデミー作品賞、監督賞、主演男優賞、脚本賞など、1970年度の最多7部門を受賞。

1970年製作/172分/アメリカ
原題または英題:Patton
配給:20世紀フォックス映画
劇場公開日:1970年6月27日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第28回 ゴールデングローブ賞(1971年)

受賞

最優秀主演男優賞(ドラマ) ジョージ・C・スコット

ノミネート

最優秀作品賞(ドラマ)  
最優秀監督賞 フランクリン・J・シャフナー
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映画レビュー

2.0戦争に取り憑かれた男…

2024年10月14日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:TV地上波
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KEI

3.0人間パットンを描いたのではなく、より危険な状況の現代を訴えた反戦映画にも思え…

2024年8月30日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

映画館とTVで
それぞれ一度ずつ観た映画だったが、
パットンの人間性に迫った内容で、
戦争時においてのみ功を奏するような
過激な人物像描写の域を出ない作品
との印象を持っていた。
しかし、アカデミー主要4部門他を獲得
した作品でもあるし、
前回の鑑賞から時間も経っていたので、
改めて、彼の苦悩なりは描かれていたのか
に注目して、
TV放映を機に久々に鑑賞した。

改めて観てみると、
「バルジ大作戦」以上の大作感だったし、
パットン将軍の絡み部分を中心とした
第二次世界大戦ヨーロッパ戦線の
ダイジェスト版との装いに感じた。

しかし、
途中での多少の自省の場面はあったものの、
期待した彼の人間としての苦悩
なりは何も描かれてはいなく、
今回も、終盤近くにドイツの情報将校の語る
「戦争がないと生きられない男だ」との
言葉そのままの人間描写で終わってしまった
ような印象だった。
しかし、この映画化に際して
遺族の協力を得られなかったとも言われ、
実在の人物像としては
そんなことは無いように感じるのだが、
多分に、
彼を徹底的に“戦争好き”とした
この作品の意味は、
人間パットンを描こうとしたのではなく、
実は、反戦意図の作品であって、
終盤近くでの従軍記者?の質問に答えた
「兵隊も将軍も抜きの…ただ、
生き残った者と死んだ者だけ」
との戦争に関する発言は、
まさに「兵士抜きの兵器」にさらされている
現代の我々が直面している戦争に対する、
より危険な状況を訴えようとする反戦映画
だったのではないだろうかと思わされた。

それにしてもこの作品、
アカデミー賞を7部門で受賞した
米国では評価の高かった作品だが、
日本では
「イージー・ライダー」
「明日に向かって撃て!」
「M★A★S★H」
が上位を占める中、38位と下位に沈んだ。
一人の人間性に迫った作品で、
アカデミー賞を独占した作品が
キネマ旬報の評価でここまで評価が低い
ことも珍しいような気がするが、
日本人の受け止めとしては、
人間パットンへの肉薄が偏り過ぎて、
単なる戦争巨編映画
と捉えられたからなのだろうか。

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KENZO一級建築士事務所

5.0少なくとも50回は見ました。邦題は✕…

2024年4月20日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

単純

興奮

難しい

※2024.4.20加筆修正

1970年公開。
主演したジョージ・C・スコットは、アカデミー最優秀主演男優賞を受賞したが辞退している。
その他、作品賞、監督賞、脚本賞など女優賞を除く主要な賞を獲得した。

唯一にして最大の不満は、邦題だ。
原題は『Patton(パットン)』だ。原題通りか、せめて『将軍パットン』で良かった。
『パットン大戦車軍団』なんてやったものだから、戦車同士がバンバンやりあう戦争映画だと思っちゃうじゃん。最悪に近いネーミングだと言わせて欲しい。

私にとって本作は、戦争映画ではないし反戦映画でもない。
パットン陸軍大将の伝記映画である。

大統領選出馬の噂がたつくらいに知名度・人気ともに抜群だったパットンの事故死は、いまだに陰謀説が囁かれるほど唐突で衝撃的なニュースだった。
しかし、この映画では一切触れていない。
謎解きに視線が集まるのを避ける、というより、
存命中のパットンを描くことで十分に映画が作れるからだ。

パットンのキャラクターは、現代に置き換えると、トランプ前大統領に近い。

◆目立ちたがりでスタンドプレーが多い
◆守りより攻撃
◆スラング連発、野卑な言葉遣い、失言癖
◆象牙の銃把を持つコルト、ブーツ、鞭。まるでフィギュアさながらだ。

分かりやすいキャラクターであるがゆえ、
彼の周りにはたくさんの従軍記者が、「エピソード待ち、失言待ち(笑)」でウヨウヨしており、しかもパットンは期待を裏切らない。

ファンもいるが、アンチも多い。
どちらも熱烈だ。

公開された1970年、
製作者、スタッフ、演者、観客すべてに戦争体験者がバリバリ現役で働いている時代だ。
思い起こせば、私の担任教師も特攻隊の生き残りだったし、街には傷痍軍人が立っていた。
このころから既に、戦争を扱う映画は徐々に、

◆厭戦や反戦を表すもの
◆指導部や高級将官への皮肉や批判
◆美化されがちな戦場の実態暴露

が増えていき、
同年公開の『M★A★S★H マッシュ』
1979年『地獄の黙示録』
1986年『プラトーン』
1987年『フルメタル・ジャケット』
1989年『カジュアリティーズ』『7月4日に生まれて』
とつながっていく。

だが、本作は反戦映画でも厭戦映画でもない。
かと言って、アメリカ万歳の戦争映画でもない。

ジョージ・パットンというレアキャラ、
◆自らの前世をギリシャ時代の英雄と言って憚らず、
◆功名心のためだけに無謀な作戦を遂行させ、
◆陣営内のモントゴメリーにライバル心をむき出しにし、
◆戦闘恐怖症の味方兵士に殴りかかる、
そんな人間にスポットを当てることで、
間接的にではあるが、戦争という行為の虚しさや人間の弱さ、組織の無力さを浮き彫りにしており、先に述べた後年の作品群の先駆けに位置づけられると、私は考えている。

ところで、第二次世界大戦に従軍した将官のうち、
映画タイトルに個人名を冠して客を呼べるのは、パットン、ロンメル、山本五十六(日本限定?)くらいではなかろうか。
モントゴメリーですら、語り継がれる名作は、残念ながらない。ドラマのある脚本が書けないのだろう。

パットンは、米国人が大好きな攻撃特化型将官の典型である。猪突猛進、イケイケドンドン!
太平洋戦線のハルゼー提督(kill Jap, kill more Jap! で有名な海軍軍人)も、そちら側だろう。
別の典型は、アイゼンハワーやブラッドレーのように人間的にアクがなく攻守にバランスの取れた万能タイプだ。
多国籍軍である当時の連合軍において、パットンの性格は、最高司令部にゼッタイ向かない!(笑)
劇中に語られるとおり、後輩のブラッドレーがパットンの上官になり、パットンもそれを受け入れている。

長くなってしまったが、
最後に、本作がアカデミー賞を総ナメした理由を三つだけ。

①ファンもアンチも納得、静と動の場面切り替えと組み合わせにより巧妙に起承転結が形成され172分の超大作が短く感じるくらい。※昔の作品なのでintermission(途中休憩)もついてます(笑)
(ファンもアンチも納得→換言するなら「優秀なんかカスなんか、どっちやねん!」と叫びたくなる)

②トランペットのソロを効果的に使い、パットンの光と影、孤独を巧みに表現したジェリー・ゴールドスミスの音楽

③パットン本人の写真を見てもニセモノにしか感じられないくらいだった、ジョージ・C・スコットの憑依的怪演。
(アカデミー最優秀主演男優賞いらない気持ちも少しわかる気がする)

わたしは、また誘惑に負けて、どっちやねん!を判定すべく見てしまうのだろう。

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Haihai

5.0戦争映画の金字塔

2023年12月22日
PCから投稿

全生涯ではなく、WW2に絞ったストーリーですが、場面毎にどう出るかスリリングな展開の脚本に、スコット先輩の圧倒的な演技とそれを引き出す緩急つけたテンポの良い演出が完璧に噛み合った戦争映画の傑作です。

スコット先輩自身がパットン将軍的な性格なのでハマり過ぎでした。

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越後屋

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