白痴(1951)

劇場公開日:1951年5月23日

解説・あらすじ

黒澤明自身が敬愛するドストエフスキーの名作「白痴」を映画化した美しくも激しい愛憎劇。純真無垢な美しい亀田青年、彼を愛するふたりの女・綾子と妙子、そして妙子を野獣のように愛する無骨な男赤間。4人の間には、神々しいまでの愛と激しい憎悪が燃えあがる。原作に忠実であろうとするあまり、当初前後編4時間25分の長編として完成したが、難色を示した松竹側と黒澤監督が対立。切るならフィルムを縦に切ってしまえと、激怒した逸話は有名。結局現在観ることのできるのは大幅にカットされた166分バージョンのみである。

1951年製作/166分/日本
配給:松竹
劇場公開日:1951年5月23日

スタッフ・キャスト

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映画レビュー

5.030年ぶりに観ても 全く分からない

2023年8月23日
スマートフォンから投稿

悲しい

これほどまでに分からない映画も珍しい
黒澤にしては珍しくロケとセットの
写真の質感が明らかに違いがある
ロケは演出無しで街の人々をそのまま
撮影して使ったものでしょう
陸橋と蒸気機関車のシーンは素晴らしかった
雪の演出も妥協が多く感じられました
黒澤明が映研の学生レベルになってしまった
最高の反面教師的映画
同時期の野良犬とは月とスッポン

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nensho

5.0辺りが凍る吹雪と身を焦がす激情

2020年10月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

興奮

黒澤明の作品の中でも特にエネルギーが凄い映画だった。とんでもなく寒い札幌が舞台のはずなのに寒さは感じない。それどころか黒澤明のドストエフスキーへの熱量が映画全体から滲み出ていて暑苦しいぐらいだ。

今作で特筆すべきは何と言っても原節子の演技である。小津安二郎の作品に出演する彼女の面影は無く、孤高の女を演じきっていて度肝を抜かれた。素晴らしい女優だったんだなと再認識。案外黒澤明との相性も良いのかもしれない。 三船敏郎とのツーショットも嬉しい。

とてつもない善人は世の中では白痴というのは本当かもしれない。所謂普通の人々は、その善意を信じることができないし、バカにするか異常者扱いする。信じたとしても自分だけのものにしたがる。主人公亀田は最期どうなってしまったのか…。

叶わぬ夢かもしれないが、いつか4時間超の完全版を観てみたい。

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柴左近

2.0性器を持たない女性たち

2020年7月2日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル、VOD

『白痴』は、ハッキリ言って「失敗作」だ。しかし、深く掘り下げると、むしろ黒澤明という作家の本質が見えてくる。

黒澤の描く女性はどの作品をみても善良だ。本作でも出てくる女性は、正義感があり、純粋で、汚れていない。裏を返せば、女性の打算・ズルさ・肉体性・欲望といった部分を描くことができない。彼の描く女性には、女性器が存在していないのだ。

ナスターシャ(那須妙子)役の原節子は、愛人としての肉体的魅力、金銭の打算、葛藤、堕落と純粋の狭間で揺れる複雑な女であるはずだ。だが黒澤は、ナスターシャを「高潔に苦しむ清らかな女性」としてしか描けなかった。その結果、彼女の演出も、笑ってごまかすような「たか笑い」に終始してしまっていた。

おそらくは黒澤自身の"童貞的"高潔さがその原因だろう。黒澤はもちろん現実には結婚し子も持ったが、精神構造としては「中学生がそのまま大人になったような純粋さ」を持ち続けた監督だった。その純粋さは彼の最大の長所であり、同時に決定的な限界でもある。

この映画には、悪女が登場しない。もっと言えば、悪女が描けない。彼の女性像は、グラビアアイドル的な「肉体はあるが性は欠如している存在」に近い。『我が青春に悔いなし』の原節子にも、やや肉体的な演出はあったが、依然として「安全な範囲の色気」にとどまっている。AV的エロスではなく、少年漫画的エロスで止まっているのだ。

一方で、もしナスターシャ役に京マチ子(前作『羅生門』に出演)を配していたならば、もっと肉感的で打算的な、黒澤が描ききれない「悪しき女性性」が現れていただろう。しかし黒澤はあえて「永遠の処女」原節子を選んだ。黒澤の持つ武士道的なあるいは儒教的な貞操感がドフトエフスキーの持つ退廃的な魅力を阻害してしまい、その葛藤や矛盾が作品ににじみ出て、(編集での大幅なカットがあったにせよ)混乱した作品となってしまったのではないだろうか?

黒澤作品にある痛快さ、美しさは武士道や彼のもつ哲学性によるものだが、その儒教的道徳観・倫理的潔癖・理想的人間へのこだわりが邪魔して逆にある退廃・肉感的堕落・情欲の生臭さといったものは描くことができないのだ。

U-NEXTで鑑賞 (HDリマスター)
40点

↓2020年6月26日時点のレビューです
なぜか90点つけてしまっています。
「90点 原節子の切れた演技 黒澤の中では低評価か?」

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neonrg

3.0長尺だが最後まで問題なく見ることができた、4時間半だとどうかわから...

2020年5月21日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

長尺だが最後まで問題なく見ることができた、4時間半だとどうかわからないが。三船以外の3人が素晴らしく思えた。特に原節子。わが青春に悔なしもそうだが、黒澤作品も相当に相性が良い。観念的な話と人物たちなのに見られるのは何故だろう。

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kazuyuki

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