スカイ・クロラ The Sky Crawlers

劇場公開日:

スカイ・クロラ The Sky Crawlers

解説

過去の記憶がない戦闘機乗りの函南優一は、新たに着任した基地で上官となる女性・草薙水素に出会う。2人はやがて惹かれていくが……。「GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊」「イノセンス」の押井守が、菊地凛子、加瀬亮ら実力派俳優を声優に起用し、森博嗣の同名小説を映画化した長編アニメ。思春期の姿のまま永遠に生きる“キルドレ”と呼ばれる青年たちが、大人たちによって作られた“ショーとしての戦争”を戦う姿を通し、生きることの意味を問う。

2008年製作/121分/日本
配給:ワーナー・ブラザース映画
劇場公開日:2008年8月2日

スタッフ・キャスト

監督
原作
森博嗣
脚本
伊藤ちひろ
プロデューサー
石井朋彦
製作プロデューサー
奥田誠治
石川光久
製作指揮
小杉善信
石川光久
製作
渡辺繁
小岩井宏悦
鈴木大三
平井文宏
西垣慎一郎
安永義郎
阿佐美弘恭
大月昇
鳥山輝
小松崎和夫
演出
西久保利彦
キャラクターデザイン
西尾鉄也
メカニックデザイナー
竹内敦志
作画監督
西尾鉄也
美術監督
永井一男
美術設定
永井一男
久保田正宏
レイアウト設定
渡部隆
色彩設計
遊佐久美子
特殊効果
村上正博
ビジュアルエフェクツ
江面久
齋藤瑛
中田祐美子
CGIスーパーバイザー
林弘幸
撮影
荒井栄児
谷内潤
大貫守健
高木宏紀
編集
植松淳一
サウンドデザイナー
ランディ・トム
トム・マイヤーズ
音響監督
若林和弘
整音
井上秀司
音楽
川井憲次
主題歌
絢香
挿入歌
CHAKA
脚本監修
行定勲
ラインプロデューサー
川口徹
制作担当
内藤祐史
プロデューサー補
黒澤亘
CGI制作
ポリゴン・ピクチュアズ
アニメーション制作
Production I.G
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受賞歴

第32回 日本アカデミー賞(2009年)

ノミネート

アニメーション作品賞  
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(C)森博嗣/「スカイ・クロラ」製作委員会

映画レビュー

4.5「とある世界」観という認識の明確さが欲しい

2024年8月23日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

「キルドレ」とは特異変異した遺伝
子供のまま永遠に生きることができる。
これを商品化したロストック社
戦争で死なない限り生き続ける「商品」としてパイロットにさせられる。
子供が乗る戦闘機
請負戦争をするロストック社とラウテル社
とある世界の物語
「人類は戦争がなければ平和を考えることができない」
当初あった国同士の戦争から、戦争そのものだけをピックアップすることで余計な犠牲を減らしつつも、会社同士が請負戦争のために「戦争」をゲーム化した世界。
戦争のビジネス化
もう長く戦争に関わってきたクサナギは、キルドレという性質上子供の体をしながらその目は全くの空虚であり無表情だ。
彼女は機械のような思考を決め込んでいるかのように動いている。
しかしそれは「絶望」の中の立ち居振る舞いだったのかなと思った。
前のエースパイロットのクリタジンロー
おそらくクサナギの娘の父
クサナギがジンローを射殺したという噂がある。
クサナギは、戦闘で死なない限りパイロットとして生き続けなければならない彼女たち「キルドレ」の運命を呪い、愛した男を安らかにしたいと願ったのだろう。
ところがエースパイロットだったジンローの操縦技術を「新しい」キルドレに組み込むために再利用されてしまう。
そうして新しく配属さたのが「カンナミユウイチ」だった。
さて、
この作品は、人類史上決して終わらそうとしない戦争に焦点を合わせている。
その戦争と、実際戦地で戦っている人々は何の関係もない。
一部の特権階級が勝手に決め、それは合法だと吠え、国家事業として戦地で戦闘をしなければならない。
そしてこの物語ではそれは、永遠に子供のまま生き続けてしまう遺伝子操作によって作られた子供たちにその役を担わせているのだ。
この世界の仕組みがよくわかってしまったクサナギにとって、この世界で生きることの意味を何も見いだせなくなってしまった。
少しでも好きになった人を「死」という安住の場に送ってあげることが最善の幸せだと信じている。
それがジンローを射殺した理由。
そして、自分自身も射殺してほしいと願う。
ある日、
ジンローの感覚を移植されたカンナミが基地にやってきた。
それの事実は既知の事実としてロストック社の機密文書か何かの中で記されていたのだろう。
司令官という立場でそれを見ることができるクサナギには、それは恐ろしい絶望を感じたに違いない。
ティーチャー クロヒョウ
大人のパイロット 元ロストック社の社員でクサナギの上司だった人物
彼の心理がわからない。
彼の目的がわからない。
ティーチャーはいつか死ぬ普通の人間の大人である。
彼が敢えてパイロットとなっているのは、刹那的な心理状態だからかもしれない。
彼は自分が教えてきた戦略と戦術を学んだ部下たちを殲滅する方が、戦争を早く終わらせることができると読んだのかもしれない。
さて、
これらの事実が明らかになった後、カンナミはクサナギに言う。
「君は、生きろ。何かを変えられるまで」
カンナミに抱きしめられたクサナギは、人間としての実感を覚えたのだろう。
初めて人間らしく涙を流す。
やがてまた戦闘指令が発令され、皆出撃する。
ティーチャーを見つけたカンナミはたった一人で立ち向かうものの、あえなく撃墜される。
帰還者たちが待ってもカンナミは戻ってこない。
ここでエンドロールとなるが、最後に新しいパイロットが配属される。
「ヒイラギ」
彼の立ち居振る舞いはカンナミそっくりだ。
つまり彼はカンナミの感覚を遺伝に組み込まれているキルドレだ。
クサナギはヒイラギに対し「待っていました」と意味深なセリフを言う。
クサナギの眼光は明確な目的意識がある。
それはおそらく、「この世界の何かを変え」ようとする大きな意思の表れだ。
『この狂った世界を変えたい』
このことこそが永遠に生き続ける者の使命
クサナギはそう考えたのだろう。
そしてこのことこそが、この作品が伝えたかったことだと思った。
テーマが明確で素晴らしい。
ただ、
ティーチャーの心理描写が欲しかった。
複製されるように登場するキルドレ
彼らも人間として普通に意志と意識を持っている。
同じ戦争に巻き込まれている普通の大人ティーチャー
彼の心理はこの作品に必要だったような気がしてならない。
なぜなら、
片方だけの言い分ほどあてにならないものはないからだ。
そして、
「部長に会わせていただきます」
この部長なる階級は一般会社
彼らの目的をもっと明確にしてほしかった。
そして、
日本語と英語の存在
とある世界の物語のはずだが、この言葉の使い分ける意味が皆目解らなかった。
読売新聞とデイリー読売が登場していることで、2か国語が存在しているのはわかるが、その理由がわからなかった。
戦争をしていることはわかるが、パイロット等が大人なのか子供なのかが見た目でわからないことと、物語の問題がしばらく何かわからないことが作品を見飽きてしまう。
とある世界の世界観をもっと先に明確化してほしかった。
とはいえ、
2008年の作品
邦画はこの先飛躍的に面白くなるが、この作品の不明快な部分がブラッシュアップされるのだろう。
奥行きが深くなることで面白さとリアリティが大幅にアップされるのを期待したい。

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R41

4.0哲学的戦争解釈(マ王の戦争と平和観)

2024年8月12日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、映画館、VOD

知的

難しい

コレはマ王の持論であり万人に対しての訴えでは無いので何の賛同も求めてません🤚
ただし、本作を初めて観た時の率直な感想は何度観直しても大きな変化は無く、マ王の考え方の骨みたいな部分に響いているんだな、と感じたりしてます😊
自分を再確認する時に「スカイ・クロラ」を頼る場合があります😐

で「スカイ・クロラ」は観る人によって解釈が様々になりがちな映画だと思うのよね💦
キルドレか戦争か人間のどれに注目して観るかで感じ方が変わるのが本作だと考えるのよ🤔
またどの視点にもドラマがあるから今作は面白い✨
ただし、映画としては難解な部類だとマ王は感じる😐

そもそも戦争と平和なんて言葉があるから皆が混乱するのさ🥸
戦争の対義語は泰平(らしい)だし平和の対義語は暴力なのよね✨
だから戦争が無くなったとしても必ずしも平和になるとは断言出来ない。
万人が幸せに暮らすユートピアなんて存在せず転じてデストピア地味た空間になるのは目に見えている。
「悪」を擁護する話ではない。
人間は善人にはなれないという話だ。
実に単純な事で全世界の人間の求める幸福が一致するなんて奇跡は無いからだ。
それとも地球総人口が80億人に届きそうな現代、皆が一二の三で聖人君主にでもなるのかね。
それが出来ないから戦争は終わらないし暴力も絶えない。

こんな話もある。
国の人口の単位を「人」から「円」に変えると政治家の考え方が見えてくる、と。
例えば日本の総人口は2022年で約1億2千5百万人。
コレを人から円に変えると125,000,000円になる。
で、貴方がこの金額を所持してると思って考えてほしい。
東日本大震災の犠牲者って何人だったか覚えてる?
少なくとも万人単位では上の桁は小揺るぎもしない。
そこでこの話が世界規模ならどうなる?
国のトップは「人」でなく「円」で(お金で)考えてると思うと納得しないか?

「スカイ・クロラ」でも戦争をショー化する事で広範囲の被害の縮小には成功しているが、その裏で何が犠牲になってるかが暗黙の了解になっていて、ソコに無言ではあるがキルドレとの差別が存在している。
人間が人間である為に争いは絶える事は無い。
なのに声高に平和を訴える連中とソレを事業として生きる人間達の浅ましさに、マ王は吐き気がします🤢
世にある武器を製造する国や会社もアカンけど、実現不可能な事象で食ってるヤツも詐欺師と同じやぞ😡

こんなん別に今更言う話でも無く自分自身を振り返ればどんな人でも疚しい事の一つや二つは出てくるモンで、そういう自分を受け入れないウチは「暴力反対」「平和云々」とか言わない方がいい。
ガチの自分を受け入れて尚且つそういう自分に打ち勝ってから漸く、身の回りの小さな平和を維持出来るのがやっとで人生なんだし、ソレを幸福と感じないのなら無理をしない方が良い。

まぁ恐らくではあるが、そんな努力が出来ないからこそ人間てのが存在してんだろうけどね😑
ちなみにマ王はそういう人間が嫌いではないです✨

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マ王

3.0映像作家押井守・感情的場面転換という高等テクニック

2024年8月7日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD、映画館
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かせさん

5.0すき すき 大すき

2024年5月24日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

楽しい

興奮

幸せ

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asade345