海の上のピアニスト
劇場公開日 2020年8月21日
解説
「ニュー・シネマ・パラダイス」のジュゼッペ・トルナトーレ監督と映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネがタッグを組み、船上で生まれ育ち一度も船を降りることがなかったピアニストの生涯を描いたドラマ。1900年。豪華客船ヴァージニアン号の機関士ダニーは、ダンスホールのピアノの上に置き去りにされた赤ん坊を見つけ、その子に「ナインティーン・ハンドレッド」と名付けて育て始める。船という揺りかごですくすくと成長したナインティーン・ハンドレッド。ある晩、乗客たちは世にも美しいピアノの旋律を耳にする。ダンスホールのピアノに座って弾いていたのは、ナインティーン・ハンドレッドだった。日本では1999年に劇場初公開。約20年を経た2020年、トルナトーレ監督の監修による4Kデジタル修復版(121分)が公開。同時に、99年公開時には実現しなかった、170分の「イタリア完全版」も初公開される。
1999年製作/121分/G/イタリア・アメリカ合作
原題:The Legend of 1900
配給:シンカ
日本初公開:1999年12月18日
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2022年6月28日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
船で生まれ、一度も船から降りたことのないピアニスト。
一度は降りる決意をしたものの、無限の外の世界が怖かった。ピアノのさえあればどこでも無限に奏でられるんじゃないかと思うけど、人生の全てを船の中で育って生きた彼だからこその価値観。だからこそ生まれる無限のピアノのなんだなぁと。
ラストは友人マックスと同じくらい無力な気持ちになって切ない。
嵐で揺れる船の中でピアノを奏でるシーンは素敵でした。
移民船に置き去りにされた赤ん坊が、
船の上で成長していく過程をトランペット吹きのデブ男の語りで進む。
赤ん坊は、1900年に生まれたから名を1900(ナインティーンハンドレット)とする。
ある日、赤ん坊が大きくなり、一人で歩けるようになると、
船内にあるピアノに興味を持つ。そこでプロをも驚く演奏で、
皆が驚愕し、1900の才能が開花する。
一番好きなシーンは、夜、ピアノを弾くところで荒波で
船が揺れているにも関わらず楽しそうに弾く。
一種のショーを見ているかの様にとても輝いている。
あと、自分の曲をレコードに録音するときに、
目の前にいた女性に一目惚れし、自分の感情をピアノで
表現しているところはすごい。見ていても1900が恋をしているのがわかる。
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ストーリーの完成度が高すぎて非の打ち所がない。ラストシーンの感動は忘れることができない。海の上で生涯を過ごすというのは全く想像もつかないからこそ難しいテーマだと思うが、見事にまとめきっている。
ピアノの上に置き去りにされていたのはもうその運命だったとしか思えない。自分の才能に胡座をかくこともなく、ひたすら音楽を楽しむ姿勢には学ぶことも多くあり、ジャズの創始者とのピアノ決闘ではまるで連弾しているかのような表現と表情を交互に映し出すこと、さらにその音楽に圧倒された。
最後は船が家の1900にとって、一緒に人生を降りる覚悟はずっと決めていたことのようにも見えた。本人にはそんな気なくても伝説的な人物。
2021年12月10日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:映画館
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もともとエンニオ・モリコーネが好きなため音楽自体はよく聴いていました。
ジュゼッペ・トルナトーレ作品はラスト、現実的な描写が多いという勝手なイメージがありますが、この映画は劇的な(ドラマチックな?)描かれ方だったと思います。
何回も聴いていたはずのエンニオ・モリコーネの音楽も映画館で映画と一緒見ると全く受け取り方が変わるんですね、最初のアメリカを見つけたシーンの壮大さ、乗客の希望、興奮、大きな画面で見ると熱が伝わってきました。
ご都合主義とか非現実的というのは意見のひとつとしてあるかもしれませんが、このような誰かの人生のロマンを追体験できるのは幸せなことでした。
そしてラストの爆発シーン、あのシンプルな爆発はジュゼッペ・トルナトーレらしさを感じました。
個人的にジャズが好きでピアノをよく弾くためどハマりしたという部分もあるかと思います。
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